せんくら最終日は私が最も大好きなチェロ・ソナタ、ラフマニノフのチェロ・ソナタを皆さまにお送りします。
毎年「今年のせんくらで弾こうかしら?」と思いながらも、大切にとっておきました!!
この曲の美しさは何と言ってもメロディの壮大さ華麗さ、そして滋味深さ、そしてそれを支えるハーモニーの繊細さと大胆さ。
無人島にもし一冊だけ楽譜を持っていくとしたら、間違いなくラフマニノフを私は選ぶことでしょう。
初共演の青柳晋さんは桐朋の同級生。懐かしい再会となりそうです。
大好きなこの曲を青柳さんとの共演でどんな化学反応を起こすことができるか、ぜひお立会いください!!
長谷川陽子(チェロ)
皆さま素敵な週末でしたか?
音楽家には週末も平日も関係ないので、日本に居ると何曜日だか全くわからない生活ですが、、、。
お約束の本題に入ります。
28日金曜日のプログラムはフランスものでまとめています。
コレットの花火という曲はあっという間に終わってしまうのですが、今年初めてこの曲をプログラムに入れた時に、コレット通のお客様から、「この曲は冒頭に弾いて欲しかった!」というお言葉をいただきました。なるほど、花火を最初に打ち上げて開幕するのは華々しくてよいのではないか!、、、と、そのお言葉に従う私。
鳥を題材にした曲はこの時代に多いのですが、3人の作曲家による「鳥 三題です」
ダカンの「カッコウ」という曲はピアノでも弾かれることがあるらしく、聴いたことのある方も多いかもしれませんね。
カッコウに続いて「ウグイス」です。フランソワ・クープランの「恋の夜ウグイス」は、クラブサン曲集の第14オルドルの冒頭に入っている曲です。
トラヴェルソで演奏してもよいという言葉が譜面に書かれてる珍しい曲です。この曲はクラヴサンにとってある意味一番難しい曲ではないでしょうか。(お客様には意味わからなくていいのよ。同業者にはわかるかも。)
それから、ラモーの「めんどり」です。曲の冒頭に「コココッ・・・」という鳴き声が楽譜に書かれています。
やはり「鳥」は最も想像しやすく、わかりやすい曲といえるかもしれません。
そうです、チェンバロでフランスの曲を聴かれる時は、ある程度想像力を働かせてみることがオススメです。
先日のリサイタルで「’鳥’ときけば、どこへでも出かける、、、」と言っていたお客様がいらして「この方はクラヴランを聴きにいらしたのでなく、’鳥’を聴きに、、、!」と微笑ましく思いました。
次にフランソワの伯父に当たるルイ・クープランの組曲からの抜粋です。
彼は残念なことに若死にをしてしまった作曲家ですが、どれほどの天才だったことか!
ここでまたプログラム裏話になってまいます。
先日の福岡のリサイタルを東京からわざわざ聴きに来てきれた弟子に「先生にしては全体が暗いプログラムだった」と言われ、白状したことがあります。
「私、本当はネクラなのよー!」
うそうそ、、、全くの嘘。
つまり、「奏者が好きな曲を並べればOK」という演奏会は少ないのです。
そんなことコクったら(若者の真似)、「じゃあ、私たちに聴かせる曲は本当は好きじゃないのに我慢して弾いてるの?」ってことになっちゃうから、本来は言わないことですよね。
(だから、私はあえて個人的な「ブログ」は書かないのだ。正直すぎるからだー)
しかし、演奏家というのは、サービス業的な部分もありますよね。
昔のクラヴサン奏者なんて王様に雇われて姫達にクラヴサンを教え、王様のお望みの曲を作ったり、演奏したり、、、これのどこがサービス業でないって?!
自分が好きな曲は夜中にこっそり自宅で弾いていた親愛なるフランソワ・クープラン(絶対そうだと思うなあ、私もそうだし)様。
話がそれてきました。
なんでしたっけ、そう、この28日のプログラムの始めの4曲がサービス的な選曲で、次のルイは、私の好みです。
自分の好みの曲となると、本来とても親密な空間、あるいはとてもクラヴサンにとって音響のよいホールでないと、良さがなかなか出てこない、伝わらないというとても「不利」な条件があるのです。
なので、そういう曲を弾くにはまず器を選ぶということです。
クラヴサンのデリケートなニュアンスに惹かれてやまない奏者は、こういった曲が好きなものです。
それで、どうして先日のリサイタルが「暗い選曲」だったかというと、器もクラヴサン向きで、「古楽音楽祭」という枠の中だったので、安心して好きな曲が弾けるという条件だったからです。
そろそろPCから離れたくなったので急いで書き終えますよー次のバルバトルではクラブサンの豊かな低音の響きを楽しめます。
私はこういう豊かな低音の曲を弾いている時「ロマネ・コンティの温泉」に浸かっているような気持ちになります。
簡単に言うと、クラヴサンの音に浸かって気持ち良いということですかね。
時代はもうクラヴサンから離れてゆく(ピアノに移り変わってゆく)頃です。
しかし彼の作品にはよきクラヴサン時代へのノスタルジーの様なものがあるのかもしれません。
ロワイエといえば、「スキタイ人の行進」が有名ですが、今回は綺麗なロンドをお聴きいただきます。
タイトルが「愛らしい人」なので、「勇敢な人」という曲(アルマン・ルイ・クープラン作)を、並べてみました。
クープラン一族から3人出てくることにもご注目ください。
時代の移り変わりをお楽しみくださいませ。(ただし。順不動なのでご自分の中で並べ変えてみてね)
二日目のプログラムについてははまた明日!!
*おまけ*
何に見えますか?写真に香りが付けられなくて残念!
本日の息子のおやつ。
イベリコ・ペジョータです。
もちろんこんな贅沢なおやつ、日常的ではないですよー
「うううーんいい香りー」という、あの9歳の坊主のとろけるような顔をお見せしたいところですが。(笑)
××様、ごちそうさま~(*^O^*)
曽根麻矢子(チェンバロ)
ZAI-MASUホルンの齋藤です。
さて今日は、今回のせんくらで共演しますピアニストの門脇麻美さんにお話しをお伺いしようと思います。
齋藤:門脇さんとはこれまで、ZAI-MASUの自主公演の他、たくさん共演させていただいていますが、ZAI-MASUの印象はいかがですか?
門脇:演奏はもちろん、プライベートでもお世話になっておりますが、皆さんとっても気さくな方々で、いつも笑いが絶えません。
金管ならではの迫力とアンサンブルの素晴らしさにいつも圧倒されながら、本番を楽しませていただいております♪
ZAI-MASUの皆様、これからもよろしくお願いいたします☆
齋藤:大変良く言っていただき恐縮です(笑)。門脇さんは仙台を拠点に音楽活動をされていますが、他にどのような活動されていますか?
門脇:現在はソロ活動の他、室内楽を仙台フィルメンバーはじめ、多くの音楽家と共演させていただいたり、「音楽とコミュニケーション」をテーマに活動を行う、『仙台チェンバーアンサンブル』(写真)のメンバーとしてスクールコンサートを中心に公演を行ったり、また合唱の伴奏など幅広く活動しております。
齋藤:なるほど、想像するになんだか毎日お忙しそうです。
あまり無いかもしれませんが、休日はどのようにお過ごしなんですか?
門脇:なかなか休日がないので(齋藤:やっぱり!笑)、唯一休みの時はダラダラと過ごしてしまいますかね…。もったいない!とよく言われるのですが、インドア派の私には家で過ごすのが一番なのかもしれません。(休日が欲しいよぉ~)
齋藤:今、心の中で休日が欲しい!って叫びました??(笑)
さてこれから、仕事やプライベートで取り組んでいきたいこと、チャレンジしたいことなどあったら教えてください。
門脇:今までに無い演奏会を計画中です!企画段階なのでまだ先の話ですが…
齋藤:今までに無い演奏会!?いったいどんな演奏会なんでしょう??
門脇:まだその内容はヒ・ミ・ツです。実現した時には是非聴きにいらして下さいね。
齋藤:そうですかぁ。きっと実現したらチラシなどでお目にかかれる事でしょう。これからもアクティブにご活躍ください!まずは、せんくらでのZAI-MASUの公演、どうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m
ありがとうございました。
ZAI-MASU 齋藤雄介(ホルン)
さて、一週間書かせて頂きましたせんくらブログも最終日。
一週間って、本当に早いですね!
毎日が充実して過ごした一週間でした。
札幌での公演から東京に戻り(間一日あったのでしっかり札幌グルメツアーしました)そのまま浜離宮朝日ホールへ向かい、エントラプーレという団体のチャリティーコンサートへ出演しました。
ペット大国と言われる日本の表になっていない現実、そこに目を向けた時に心をえぐられるような思いになりました。
去年よりターナという愛犬と暮らしだして、動物病院の先生やペット産業でお仕事をされている方々とお話する機会が増える中で、日本でのペット文化の犠牲になっている動物たちについて知りました。
「一匹でも多くのペットと助けたい」
「人と動物がより良い関係で共に支え合い幸せに暮らしさまざまな角度から応援してゆきたい」
という想いで立ち上げられたエントラプーレ。
ただたんに癒しだからと購入したペットを飽きたからと簡単に手放してしまったり、商業的にむちゃくちゃに繁殖させるブリーダーだったり、ひとつひとつの命と向き合った時に、そんなことが何故可能なのかと、ターナの瞳を見てつくづく感じます。
ペット大国である裏で、殺処分の数が恐ろしく多過ぎる現実、止められる問題ではもはやない状況まで来ているので、少しでも、少しずつでも良くなるように、知識や現実を知っている人が増えたら、と思いました。
目の前の命、そして目の前の希望ある事に、ひとつひとつ向き合って、取り組んで、目と心を開いて時間を過ごして生きたいと思いつつ、ターナとも、大切なひとたちとも、そして私にとって大切な音楽という存在とも、今後もいっしょに過ごしていきたい、そう思っています。
さて、一週間読んで下さってありがとうございました。
またいつもの自分のブログに戻ります。
http://www.linablog.net
Facebook公式ページもちょこちょこ更新しています。
https://www.facebook.com/linamatsuda.vn
今週末からの「せんくら」で
お会い出来るのを楽しみにしています!
松田理奈(ヴァイオリン)
せんくら2日目は無伴奏でお送りします。
何か自分にチャレンジすることを課したいという想いから、今年はバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番から【シャコンヌ】をチェロで弾くことに挑戦しています。
人生の縮図のような壮大なこの曲。
朝から晩まで練習しても興味が尽きることがありません。
こちらの公演は嬉しいことに既にソールドアウトだそうですが、12月22日に東京文化会館小ホールにて、
【長谷川陽子デビュー25周年記念チェロリサイタル チェロの個展2012】
でも演奏する予定です。
長谷川陽子(チェロ)
昨晩は美味しいお寿司とシャンパンでリラックスのひとときを持ちました!××さま、ご馳走様でしたー!
こうやって今日の活力パワー全開の私です。
自分の練習時間を惜しみつつも(正直な私)、3人レッスンします。
以前は忙しい時はレッスンしない先生だったけど、そんなこと言ってたらいつになったってレッスンできないことに気が付き、頑張って入れているのです。
お弟子さん少ないし。
そうそう、弟子の’おまつ’が先週フランスへ旅立ちました。
留学です。
新しい人生の始まりだ。
どう変わってくれるのか楽しみで仕方ありません。
{ピンポーン}おっと!弟子の’およし’が来たのでレッスン時間に突入。
先生に変身しなきゃ。へんしーん!
*おまけ*
今日の写真は「今回パリで買ってきたお気に入りの日用品」
パリに行くとブランド店に入らない私ですが、スーパーマーケットには必ず買い物に行きます。
本当はスーパーごと日本にもって帰りたい位。
Bioの専門スーパーと、普通のモノプリっていうチェーンのスーパーの両方です。
①友達の家で飲んだら美味しかったので買ってみたクスミティーの「6種のスパイス入り」
→ 毎日飲んでいたら、飽きてきた、、、と思った頃には、残りわずか。
とても流行っていて、色々な種類がありました。
次回又違う種類を買って来ます!
②Bioのビスケット
→ チョコチップ入りで甘さが私にちょうどよい感じ。2枚ずつの包装になっていて、楽屋で小腹がすいた時にぴったり!
③赤いペーストの歯磨きジェル。
→ ’歯が白くなる’って書いてあるわりに全然白くならないけど、赤いペーストっていうのが珍しくてなんだか気に入ってます
曽根麻矢子(チェンバロ)
こんにちは。
ホウキサヤコです。
私は高校卒業後すぐに渡仏、パリに8年間住み、1年半ほど前に帰国しました。(ちょうど震災の直前)
今日はパリの思い出について何か書こうと思ったのですが、たくさん、華やかで楽しい思い出があるはずなのに、真っ先に浮かんでくるのは何気ない日常。
毎日利用していたメトロ(地下鉄)もそのひとつ。
写真は、メトロの広告の張り替え作業を行うおじさん。
手際よく壁に大きな広告を貼っていきます。
メトロはいつも、華の都パリにはふさわしくない“素晴らしい香り”で充満しています。
日本とは違い、メトロ駅構内にはトイレがないので
連絡通路では様々な現場に遭遇してしまうこともしばしば(笑)。
終電近い時間になると、あちこちで酔っ払いたちの“ツケ”を発見してしまったり。
そんな中をパリジャン、パリジェンヌたちが行き交う。
車内には冷房が無いので、猛暑の時は炎天下にある車庫から出てきたばかりの車両にあたると、暑くて(熱くて)大変だったこともありました。
治安は悪いしスリも多い。
ストライキもしょっちゅう。
暗い、汚い、臭い。
でも、そんなメトロを懐かしく思い、また行きたいなあ、と思うのですから 不思議ですね。
法貴彩子(ピアノ)
私の名前はピーター・リンク、仙台フィルハーモニー管弦楽団そしてZAI-MASUのチューバ奏者です。
仙台に住んでもう4年以上になります。
私も家族もこの街が大好きです!市の周辺には風光明媚な場所がたくさんありますし、美味しいものを食べる所も沢山ありますネ!
仙台に移り住む前に、私はイリノイ州のシカゴに住んで、そこでフリーで仕事をし、デパール大学に通学していました。
世界で最も素晴らしい教師/演奏家の中の2人である、ジーン・ポコーニー(シカゴシカゴ交響楽団)とフロイド・クーリー(デパール大学チューバ教授、元サンフランシスコ交響楽団)の元で学んだのは、そこでのことでした。
これは素晴らしい経験であり、その後に続くことになるプロとしての多くの演奏機会に向けた準備を、私に整えてくれたのです。
私はまた、シンシナティ交響楽団でも首席チューバ奏者代理として演奏、幾つかの定期演奏会、ツアーや録音に携わりながら2~3年過ごしました。
仙台フィルハーモニー管弦楽団での仕事を得たのは、このすぐ後のことです。
これまで、仙台フィルハーモニー管弦楽団との演奏は素晴らしい経験となっています。
同僚たち、そして迎える多くの指揮者達と共に音楽を作ることを楽しんでいます。
この仕事での主な特典の一つは、日本中の様々な街へ旅することが出来て、同時に新しい友人達や聴衆の皆さんと、素晴らしい音楽的成果を分かち合うことが出来るということです。
世界中のオーケストラの持続にとって、そして同様にクラシック音楽自体の中心的活動としても、これは大切なことです。
仙台フィルハーモニー管弦楽団の一員として、そしてこの素晴らしい街の住民として、クラシック音楽と当オーケストラを支え続けて下さることについて、皆様に御礼を言います。
よろしくお願いします。
ZAI-MASU ピーター・リンク(チューバ)
札幌での公演は前半、チャイコフスキーのエフゲニーオネーギンよりポロネーズ、そしてヴァイオリン協奏曲、後半はリッチなことに、巨匠清水和音さんによるラフマニノフのピアノ協奏曲2番。
コンチェルト2本立てのコンサートでした。
和音さんに初めて音楽祭でお会いしてから10年、和音さんの演奏は欠かさず聴いて、そして共演させていただいて、3枚目のアルバムではレコーディングまでさせてもらって、沢山お世話になっているのですが、ソリストとしてコンチェルト弾きとして、またリサイタルの時のソリスティックな一面も、いつも感動させられるばかりで、いつも刺激を下さる方です。
前半演奏後、すぐに着替えて客席で聴かせて頂くことが出来ました。
アンコールも感動の連続…
素晴らしい奏者が沢山日本にもいて、沢山演奏を日々全国でしているリッチな環境、家に引きこもって練習ばかりしているのも、大事、でもいっぱいコンサートへ足をさらに運びたいって、改めて思いました。
松田理奈(ヴァイオリン)
今年は、ギターの福田進一さんとの共演
「せんくら【16】 チェロとギターで聴くウィーン・シューベルトの薫り」で今年の私のせんくらはスタートします。
大先輩との共演は何度目でしょうか。
毎回福田さんの大きな懐をお借りして、自分の幅を広げることができるのは、とても幸せなことです。
今年はシューベルトをお送りする訳ですが、シューベルトは私にとって永遠の憧れで、実はなかなか振り向いてもらえない片思いの作曲家です。
恋い焦がれ過ぎて簡単には弾けない作曲家の一人。
今年は福田さんから「そろそろまたシューベルトに話しかけてごらん」と背中を押されて、アルペジオーネをプログラムに入れることにしました。
シューベルトの魅力は、皆が見過ごしてしまいそうなごく日常の小さな幸せを、ほっこりと味わう事ではないでしょうか。
誰が植えたわけでもないのに道端でけなげに咲く花の可憐なこと。
青い空に白い雲がそよそよと浮かんでいる清らかさ。
ありきたりな休日の午後に開け放した窓から秋の風が頬をなでていく瞬間のささやかな幸せ。
今日も一日が無事に終わろうとしている贅沢な静けさetc etc…
まだまだシューベルトへの憧憬は続きます。
今年デビュー25周年を迎えた私ですが次のデビュー30周年に向けた目標は「アルペジオーネを手のひらで慈しむように、美しく弾けるようになりたい」です。
もっとうまくなりたい!!
長谷川陽子(チェロ)