修行時代に先生に言われた印象的な言葉【2】 

2012.08.04| 青柳晋

「キャリアを築く為には戦わないといけない」(パスカル・ドヴァイヨン先生)

ベルリン留学時代。
スペインのハエンコンクールで賞に入ったことをレッスンで報告するとドヴァイヨン先生は開口一番、「それで、その後どうしたの?」と私に質問しました。

その後?と聞かれても咄嗟に答えが出ません。
ミラノに寄って、美味しいものを食べてベルリンに戻っただけだったので、「何もしません、ミラノで遊んで帰ってきました。」と答えたら先生は「ススムは子供だねぇ。」とため息まじりに呆れられました。

受賞した事を、少なくともスペインのすべてのオーケストラと思いつく限りのエージェントに、なぜ売り込んで帰って来ないんだ、(笑いながらですが)とこの時先生に怒られたのです。
「ピアニストなんていくらでもいるんだから、少しでも自分を売り込まないと。練習は自分のすべてのエネルギーの3分の2、あとの3分の1は電話をしたり、今後の事を考える時間に当てないといけないよ。これは戦いなんだからね。」
先生が、普段音楽の事ばかりをレッスンで注意し、本来はもっとキャリア作りのアドヴァイスをしなければならない・・と、自分に言い聞かせるようにおっしゃっていたのが印象的でした。

プレトニョフが優勝した年にチャイコフスキーコンクールで2位に入賞したり、数々の名録音を残した輝かしいキャリアの持ち主である先生からくると、この言葉はとても重いものに感じられました。
良い演奏を心掛けながら常に自分の立ち位置をアピールし続けて行く事が、音楽家として生き残っていく大事なファクターの一つなのでしょう。

帰宅後、録音、経歴、新聞の批評記事のコピーをスペイン10数カ所のオーケストラと事務所に郵送しましたが「親切な事務所は書類を送り返してくれた」だけで、受賞コンサート以外は何も起こりませんでした。

私のstruggling daysは決して短いものではありませんでしたが、この経験は今の私の弟や妹たちに面白い話をして聞かせる「養分」には充分なったと考えています。
青柳 晋(ピアノ)

テレビ好き 

2012.08.04| 西江辰郎

今日はちょっと変わった話題。

みなさんテレビはみますか?
時間をとられるという意味ではテレビはNGですが、日本には面白いバラエティー番組が沢山あります。

僕は見たいテレビは録画してみるようにしていますが、中でも好きなのは明石家さんまさん。
「さんまのまんま」、「さんま御殿」、「ほんまでっかTV」などトーク番組が好きです。(出演できたとしたら夢のよう!)
気持ちが浮かない時でも、「笑う」ことで救われた気持ちになる人も多いのでは。
そんなさんまさんに是非会ってみたいものです。

ところで、国民がどれだけテレビを見ているかという調査、某テレビ番組の国際見本市「MIPTV」で発表された当時の統計では、日本人の平均視聴時間は5時間1分で世界で一番テレビを見ているといいます。
ちょっと多すぎで、このままだと日本の将来やばいとおもいます。
これでは労働時間の他にはほとんどテレビを見ているということになるのですが、最近は若者の男性は少し減少方向にあるそうです。
というか、インターネットやネットテレビ、さらには携帯電話までスマートフォンがあるのだから、実際どうなのだろう・・・・
媒体が変わっただけ?あるいは結局増えている??
東京では電車で6割以上のひとが下を向いてスマホ。

勉強に使ってる人もいますが、ゲームが多いです。
おかげで将来人間は遺伝子に「寄り目」というのが加わって「ひらめ顔人間」になってしまうのでは!

ほどほどがいいですね=

P.S.
写真は、目の保養に。スイスのブリエンツから1時間、山頂から見るユングフラウ、アイガーです。
西江辰郎(ヴァイオリン)

仙台のお祭り 

2012.08.04| 神谷未穂

せんくらは、仙台クラシック”フェスティバル”、という音楽の”お祭り”ですよね。

せんくらはじめ、仙台ではお祭りが沢山開催されます。
青葉まつり、とっておきの音楽祭、秋保大滝不動尊春祭り、定義如来夏祭り、定禅寺ストリートジャズフェスティバル、萩まつり、みちのくYOSAKOIまつり、どんと祭、e.t.c.、、、。

昨年の東北のお祭りが集結した六魂祭は、大盛り上がりでしたね。
盛り上がり過ぎて、私は目の前の人の頭しか見れませんでした〜!!

今の時期は、仙台七夕まつりのお飾り(和紙で作られたもの)が仙台駅や商店街、市役所等を華やかに彩り、私達を楽しませてくれます。

昨年のお飾りには、東北復興を願うメッセージが沢山書かれてあったので、一つ一つじっくり見て、とても励まされたものです。
お飾りは同じ様な形に見えますが、よく見ると違いがあり、繊細な色使いや折り方に感動しますよ。
是非間近で見る事をおすすめします!!

(写真は昨年の七夕まつりに主人と商店街のお飾りの前で記念撮影したものです)。

お祭りの楽しみの一つと言えば屋台ですが、せんくらにも屋台が出るんですよ。
私は以前、この屋台で初めて”玉こんにゃく”(お隣山形の名物)の存在を知りました。味がよく染みていて、美味しかったこと。
今年のせんくらにはどんな屋台が登場するのでしょうか??
神谷未穂(ヴァイオリン)

修行時代に先生に言われた印象的な言葉【1】 

2012.08.03| 青柳晋

初めまして。
8月3日から9日までこちらのブログに初めてお邪魔する、ピアノの青柳晋です。

リレー形式での一週間ブログを認めるにあたり、何について書こうかと相当迷いましたが、この期間を使って、以下のようなテーマで書き進めることにしました。
それは、「修行時代に先生に言われた印象的な言葉」。
先生から受けるご指導の言葉は、その場で完全に理解出来るものでは到底なく、何年も経ってから、様々な体験を通して心の中に浸透してくるものだと思います。
私が今まで師事した先生方からいただいたアドヴァイスの中で、特に印象に残っているものを毎日ひとつずつ、当時のエピソードを交えながらこのブログに載せていきます。

【修行時代に先生に言われた印象的な言葉・1】
「ルービンシュタインは楽曲の為に存在しようとし、ホロヴィッツは楽曲を自己表現の手段とした」(クラウス・ヘルヴィッヒ先生)

 

ルービンシュタインが弾くショパンのマズルカに耳を傾けていると、恰も音が演奏の瞬間に新しく紡ぎだされているのかと思うほど自然に音楽が流れていくのを感じます。一切の無駄な緊張や余計な表現を省いて、曲に溶け込もうとする意思の現れではないでしょうか。
ルービンシュタインは曲を通じて大仰な自己主張を試みたのではなく、音楽といかに無理なく、自然に一体になるか、ということを突き詰めていった偉大な音楽家だと思います。
一方、ホロヴィッツの弾くスクリアビンの小品や、バッハ=ブゾーニのコラールを、それぞれの曲を創った3人の作曲家たちが聞いたらどう思うでしょうか?
残念ながらその「実験」を試みる事は不可能ですが、きっと彼らはホロヴィッツが自分たちの想像を超えた、楽曲に眠っている新しい魅力を引き出した事に感嘆するのではないかと思います。

ホロヴィッツの音色には「この世のものとは思えない」魔力があって、それは時には深いため息であったり、厭世感であったり、儚い夢であったりして、人の心をとろけさせてしまいます。
曲を取り込んで自分にしか出せない魅力を解き放つ、デモーニッシュな音楽家ですね。

ヘルヴィッヒ先生は、どちらがどうかという事ではなく、「私は前者が好きだが、あなたはどちらを志すのか?」という事を私に問いただしたかったのだと思います。
音楽と作曲家の意図に誠実な先生は、ルービンシュタインとリヒテル、ケンプを崇拝していらっしゃいました。
私は、恐れ多い事ですが、ホロヴィッツの出す音の一つに、少しでも近づけたら本望です。

(リヒテルの平均率とケンプのシューマンも大好きですよ!)
青柳晋(ピアノ)

ごあいさつ 

2012.08.03| 西江辰郎


みなさまこんにちは!
無事に過ごされていますでしょうか?

今日より一週間、せんくらブログのバトンを引き継ぎます。
どうぞお付き合いください!

今年のせんくらはソロと、セレーノ弦楽四重奏団の2公演。
ピアノの坂野さんとは共にデュオをさせていただいてから、いつの間にか十年ほど経ちます。
ほんと早いものですね

9月30日、ソロではストラヴィンスキー、そしてグリークというプログラムを組ませていただきました。
カルテットではコダーイの弦楽四重奏曲、民族的な音楽にチャレンジです。
【62】
10:45~11:30
西江 辰郎(ヴァイオリン)
坂野 伊都子(ピアノ)
《ヴァイオリニスト 西江辰郎を聴く ストラヴィンスキーとグリーグ》

【57】
14:30~15:30
セレーノ弦楽四重奏団
《躍動と感動。
仙台生まれのカルテット「セレーノ」》

是非聴きにいらしてくだされば嬉しいです!

僕は2001- 2005年まで仙台フィルのコンサートスターをさせていただいて、2005年から現在の新日本フィルでコンサートマスターをしています。
いまでも仙台での4年半という生活の中で、実に充実した時間を過ごせたなと思っています。
ちょっと思い返してみるだけでもさまざまな出来事があり、初めての国内での一人暮らしでもあり、いきなり1000曲ほどのオケ曲とも出会い、初体験だらけでした。
色々な方との出会い、つながり、共演、などを通して、今でも多くの方が連絡を取ってくださっていますし、ときには手紙や、お中元まで頂いてしまいます。
ありがたや~

2012年も8月に入りました。
皆様とお会いでき、演奏を聴いていただけるのを楽しみにしています。
Viva!せんくら
西江辰郎(ヴァイオリン)

ごあいさつ 

2012.08.03| 神谷未穂

せんくらブログをご覧の皆様、こんにちは。
仙台フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスター・神谷未穂です。
今日からの一週間、担当させて頂きますので、どうぞよろしくお願い致します!

私にとって何回目のせんくらでしょうか。
仙台フィルコンマス就任前には従姉とのヴァイオリンデュオ”デュオプリマ”で、就任後は仙台フィルのメンバーとして参加させて頂いていますが、今回は嬉しい事に、ヴァイオリン&ピアノのデュオでも演奏させて頂きます!!

共演ピアニストは望月優芽子さん。
母校・桐朋女子高等学校&桐朋学園大学の同級生で、数年前フランスで桐朋以来の何年振りかで再会する事が出来ました。
昨年、コンサートで初共演したのですが、音楽も会話も服装も「これぞフランス!」、と思う様なお洒落さ。
私は彼女の大ファンになりました。
いつかフランスに関連のある曲を、フランスのエスプリを持ったピアニストと録音したい、と長年夢見て来たのですが、彼女との録音で、その夢が叶いました!!
このCDはちょうど、せんくらシーズンに発売になる予定です。

彼女とのコンサートはせんくら最終日の9月30日(日)の16時〜16時45分、イズミティ21・小ホールです。
CDに収録した曲の中から5曲演奏させて頂きます。
サン=サーンスの「死の舞踏」は子供にも人気のある作品で、教会の鐘の音から始まり、オバケがヒューと風に舞う様子、頭蓋骨を鳴らす様子、最後の方には鶏の鳴き声まで楽器で表現しますよ!

プーランクの「バガテル」はとても珍しい作品で、あまり聴く機会のない曲だと思いますが、リズミックで迫力のある、私達のお気に入りの作品です。(他の曲については、担当期間中にまた書かせて頂きますね。)
私だけでなく、皆さんも望月さんの持つお洒落センスに魅了されると思います。

是非聴いて頂きたく。

今日の写真はフランス・ランスのサーカス場でのコンサート終演後に、望月さんの友人カメラマンに撮って頂いたもの。
とっても素敵な会場でした!!
でも舞台正面の大きなカーテンから登場するので、サーカスに出る動物の気分も味わえましたよ(笑)。

ではまた明日。
神谷未穂(ヴァイオリン)
私のブログもご覧頂けたら幸いです。http://www.yaplog.jp/miho1017/

須川展也ヨーロッパ サクソフォン旅行紀 ―日本人作曲家の曲はかなり有名!【ワルシャワ(ポーランド)】

2012.08.02| 須川展也

ワルシャワ音楽院でマスタークラスを行ってきました。
ワルシャワと言えばショパン。

ショパンと言えばピアノですが、ここワルシャワ音楽院にはサクソフォン専攻生もたくさん在籍しています。

彼らが頑張っている姿を見て、世界中にクラシック・サクソフォンが浸透していることを嬉しく思いました。

また、吉松隆さんや野田燎さんほか、多くの日本人作曲家による作品が世界中に広まっていることを目の当たりにし、世界中の皆さんが日本のサクソフォン界に注目していることを肌で感じました。

1週間お話ししてまいりましたが、僕にとって、5月と6月のヨーロッパ・ツアーは、日本人として、日本の作品が世界中で愛されていることを知る幸せな日々でした。

そのことを皆様に伝えることができ、とても幸せに思います。

須川展也(サクソフォーン)

須川展也ヨーロッパ サクソフォン旅行紀 ―日本人作曲家の曲はかなり有名!【ケルンとラーベンスブルク(ドイツ)】

2012.08.01| 須川展也

ケルン音大でマスタークラスをしたあと、ドイツ南部のラーベンスブルクに行きました。

ボーネン湖のそばの古く美しい街並みが残る街です。
ここではアマチュアのサクソフォン吹きのための講習会を行いました。

普段、海外では、音大で専門的に学ぶ方々のためのマスタークラスばかりを行っており、アマチュアの方々を対象にしたマスタークラスは今回が初めてでした。

子供から大人まで、10名の受講生でした。
レッスンを受ける機会の少ない彼らに、基礎中の基礎からレッスンを行いました。
皆さんがとても明るい表情で喜んでくれたのでうれしかったです。

須川展也(サクソフォーン)

須川展也ヨーロッパ サクソフォン旅行紀 ―日本人作曲家の曲はかなり有名!【ハンブルグ(ドイツ)】

2012.07.31| 須川展也

何と、ドイツのアマチュアの吹奏楽団と共演するという、とても珍しい機会を得ました。

「音楽大好き!」という人々の集まりでした。
本番前日の練習では、「あれれ?」というところがいくつもありましたが、そこはさすが音楽の国ドイツ!
本番ではばっちり決まり、楽しい演奏会になりました。

須川展也(サクソフォーン)

須川展也ヨーロッパ サクソフォン旅行紀 ―日本人作曲家の曲はかなり有名!【タリン(エストニア)】

2012.07.30| 須川展也

タリンは、古くからの街並みが残る美しいところです。

僕はこの街で、生まれて初めて白夜を体験しました。
夜中の1時30分になっても陽は消えず、そのまま朝を迎えました。

ちょうど合唱フェスティヴァルが行われていたらしく、公園にアマチュア合唱団が集っていました。
白夜の中で響きわたる歌声がとても美しかったです。
須川展也(サクソフォーン)

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