今年はAプロとBプロのミックスプロも1つ準備されています。
J.S.バッハ:インヴェンション ハ長調(ピアノ入門者必須曲)
主よひとの望みの喜びよ ~あすなろ白書~
モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545 より第一楽章
ピアノ・ソナタ K.311より 「トルコ行進曲」 ~のだめカンタービレ~
ショパン:幻想即興曲 ~のだめカンタービレ~
子犬のワルツ ~JA福岡博多万能ネギ~
軍隊ポロネーズ ~ロリータ~
バダジェフスカ:乙女の祈り ~ユニマットレディス~
リスト:ラ・カンパネラ ~赤い激流~
これぞ、せんくららしいといいますか、すべて「聴いた事のあるメロディー」がでてくる曲ばかりのプログラムです。
もう何十回と来日しているシェンクさんですが、好きなこと、つらいことはあるのでしょうか?
そんなことを聞いてみました。ではOp.4、どうぞ。(質問、訳:御喜美江)
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2.)Was ist für Sie besonders schön und besonders schwierig in Japan?
日本滞在中では何が一番楽しく、何が一番つらいですか?
答え:Schwierig: die Sprache; schön: das Essen
難しいこと:言葉(日本語) 楽しいこと:食事
3.)Mögen Sie japanische Küche? Wenn ja, was? Vielleicht auch warum?
日本食はお好きですか? なにが最もお好きですか? それはどうしてですか?
答え:Alles, weil es fantastisch schmeckt !!!
すべて好き、何故なら素晴らしくおいしいから!!!
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お刺身が大好きというシェンクさん。仙台のみなさま、おススメのお寿司やさん、
(いや、お寿司やさんに限らずおいしいお店♪)がありましたら是非ご一報ください!
マネージャー 竹島愛弓
のだめ、あすなろ白書特集のBプログラムは以下の通りです。
J.S.バッハ:主よひとの望みの喜びよ
ショパン:ノクターン へ短調op.55-1
幻想即興曲
モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545 より第一楽章
ピアノ・ソナタ K.311より 「トルコ行進曲」
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 D845 第1楽章
ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー
「のだめカンタービレ」は意外とポピュラーでない曲も色々とでてきます。シューベルトのイ短調ソナタなどまさにそうですし、ノクターン作品55-1 もその部類でしょう。ですが、さすがにどちらも良い曲ですから、お楽しみいただけると思います。 「ラプソディー・イン・ブルー」は、本来はオーケストラ付の曲で、ピアノソロでやる場合は、簡略版ということになります。今回は時間の関係も有り短めのバージョンで弾かせていただきます。
今日はシェンクさんがピアニストになろうと思い始めた頃の初リサイタルプログラムについて聞いてみました。では、Op.3をどうぞ。(質問、訳:御喜美江)
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1.) Wann wollten Sie Pianist werden?
ピアニストになりたいと思ったのはいつ頃ですか?
答え:Nach meinem ersten Klavierabend in Aachen mit 16 Jahren.
16歳のときアーヘンで行った初めてのリサイタルのときです。
プログラム
バッハ:パルティータ No.2
ベートーヴェン:ピアノソナタ Op.110
リスト:ピアノソナタ ロ短調
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲 Op.24
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素朴な疑問ですが、音楽家の方達は皆さんデビューリサイタルのプログラムは覚えているものなのでしょうか?この秋機会があったらせんくら出演者の方達にもインタビューしてみようかと思います!
マネージャー 竹島愛弓
Aプログラムは、バッハ以外は以下の通りです。
バダジェフスカ: 乙女の祈り ~ユニマットレディス~
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第17番“テンペスト” ~冬のソナタ~
ショパン: 子犬のワルツ ~JA福岡博多万能ネギ~
軍隊ポロネーズ ~ロリータ~
リスト: ラ・カンパネラ ~赤い激流~
「乙女の祈り」は、なかなかリサイタルプログラムでは弾かれないと思いますが、せんくらでは2度目の登場です。 「ラ・カンパネラ」は、せんくら初登場。フジコ・ヘミングさんで大ヒットしましたから、それでご存知の方も多いでしょう。
昨日のブログに引き続き、シェンクさんの”音楽との出合い”について語ってもらいました。
では、Op.2をどうぞ。(質問、訳:御喜美江)
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Meine Tante Karin, die im Nachbarhaus wohnte, hatte eine kleine
Sammlung mit Schallplatten, die ich mir schon im Alter von drei
Jahren ausleihen durfte.
Als erste Schallplatte gab sie mir eine Aufnahme von Mozarts Konzert
für 2 Klaviere und Orchester (Andor Foldes und Carl Seemann
spielten mit den Berliner Philharmonikern unter Fritz Lehmann,
eine 25cm-Platte der Deutschen Grammophon-Gesellschaft).
Diese Schallplatte habe ich viele Tage immer wieder gehört und
dazu dirigiert; es war für mich die wunderbarste Musik, die ich
mir vorstellen konnte. Ich dachte nun, dies ginge immer so
weiter… Als nächste Platte gab sie mir die 7. Symphonie von
Beethoven (Eugen Jochum dirigierte die Berliner Philharmoniker) –
das mochte ich aber überhaupt nicht, es war so rau und gewalttätig!
So ging es mir auch, als ich in dieser Zeit zum ersten Mal Kaffee
probiert habe: der schmeckte genauso scheußlich.
Die nächste Platte war dann das 5. Klavierkonzert von Beethoven
mit Wilhelm Kempff und den Berliner Philharmonikern unter
Paul van Kempen, das war nun wieder herrlich!
Immer wieder habe ich alle Leute, die in meiner Nähe waren, geholt zum Übergang vom zweiten zum dritten Satz, wenn das neue Thema nach einer
Rückung über dem Basston h zu b (von E-dur nach Es-dur)
langsam, leise und geheimnissvoll im Klavier aus der Ferne auftaucht
um dann prachtvoll über dem (von Kempff) in die Tiefe oktavierten
Grundton Es zum Thema des Finales zu werden.
隣の家に住んでいたカリン叔母は、小さなレコード・コレクションを持っていて、当時まだ3歳だった自分にも自由に貸してくれました。その第一枚目のレコードはモーツァルトの2台のピアノのためのコンチェルトでした。(Andor Foldes & Carl Seemann, Berliner Philharmonikern, Fritz Lehmann, 25cm-Record、Deutschen Grammophon-Gesellschaft)。
このレコードを私は連日何度も何度も聴き入り、指揮し、自分にとってはこれこそ最も素晴らしい音楽であり、それは次へも続くものと信じていました。
ところが2枚目のレコードとして叔母が貸してくれたのは、ベートーヴェンの第7番交響曲で、(Eugen Jochum & Berliner Philharmoniker)そのデコボコした暴力的な演奏を、自分は全く好きになれませんでした。それとほとんど時期を同じくして初めて口にしたコーヒーも、同じように醜悪な味でしたが。
3枚目のレコードはベートーヴェンの第5番ピアノ協奏曲で、(Wilhelm Kempff , Berliner Philharmonikern, Paul van Kempen)これは再び素晴らしいものでした!とくに第2楽章から第3楽章に移るとき、近くに誰かがいると必ず呼んできて、ピアノが遠くからゆっくりと、静かに、神秘的に現れ、そのバスがhからbに動き(ホ長調から変ホ長調)、やがてバスの豪華なEsオクターブ(ケンプによる)でフィナーレのテーマに入るシーンを披露するのでした。
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3歳の男の子がコーヒー片手にベートーヴェンのピアノ協奏曲について語っている姿を想像すると、かわいらしくて思わずくすっと笑ってしまいます。
マネージャー 竹島愛弓
さて、今年弾かせていただく羽目になった曲目で何がそんなに大変か。
予防線もかねてちょっと愚痴らせていただきます。
まずフェスティヴァル冒頭の第1枠目のそのまた頭がバッハ。
インヴェンション ハ長調
平均律第1巻 ハ長調
ゴールドベルク変奏曲より アリア、第1変奏、第30変奏、アリア
最初のインヴェンションと平均律は、ピアノをお弾きになる方は必ずやらされる曲で、熟知された方がたくさんいらっしゃるでしょう。こういう曲は本当に緊張です。少しでも目先を変えて監視の目(耳)を緩めていただくために、インヴェンションは、バッハ自身が作っている3連音符のほうのバージョンでやります。
なんかちょっと変?と思っていただいている間に、あっという間に終わってしまう、という戦略です。
ゴールドベルクは鍵盤楽器奏者にとっては、ある種究極のような作品。
その最初と最後のアリア、30ある変奏曲の最初と最後をシンメトリックに、というのはいいアイディアだと思いますが、ここは「ポピュラーな小品をやる<せんくら>」ではありませんでしたっけ?
ともかく、どうせなら、バッハ晩年の究極的な大作を聴きとおした場合の感動の半分くらいをお届けできないか、と工夫しながら準備しているところです。
昨日のOverture(序曲)に続き、今日からは御喜美江氏のインタビューによる質問形式で、
皆さまにお送りいたします。
まずはOp.1をどうぞ。(質問、訳:御喜美江)
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1.) Gibt es in Ihrer frühen Kindheit ein starkes, unvergessliches Erlebnis mit Musik? Wenn ja, könnten Sie dies bitte kurz beschreiben ?
あなたの幼年時代に、音楽との出合いで、忘れ難いほど強烈な体験、または想い出がありますか?
もしあったらおしえてください。
答え:An drei Erlebnisse denke ich heute noch oft:
今でもよく思う3つの体験があります。
Ich muß etwa zweieinhalb Jahre gewesen sein –
Wir hatten in unserem Haus in Aachen ein „Musikzimmer“
mit einem großen Schrank. Wenn man die Schranktür öffnete,
hing dort ein ISOPHON-Lautsprecher, und ich erinnere mich
an das erste Mal, als ich Musik aus diesem Lautsprecher hörte.
Mein Vater und meine Brüder standen um mich herum,
und mein Vater sagte „Hör mal, das ist HÄNDEL!“
Es war ein Concerto grosso von Georg Friedrich Händel,
gespielt in einer großen Orchesterbesetzung –
dieses bildhafte Gefühl von „weihevoller“ Raumfüllender Musik
kann ich heute noch zurückrufen, wenn ich Aufnahmen von
Wilhelm Furtwängler höre.
自分は、確か2歳半くらいだったと思います。
アーヘンの実家には「音楽室」という部屋があり、そこには大きなタンスがありました。そのタンスの扉を開けると、そこにはISOPHON-スピーカーがぶらさがっており、そこで音楽を聴いた最初の記憶があります。父と兄達が自分のまわりにいて、父が「聴いてごらん、これはヘンデルだよ!」と言いました。それは大きな管弦楽団編成によるゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルのコンチェルト・グロッソでした。その空間を満たす“厳粛なる”音楽がもたらした描写的な感情を、今でもヴィルヘルム・フルトヴェングラーを聴くと思い出します。
Die folgende Erinnerung könnte in dieser Zeit ihren Ursprung haben:
Ich war ein „Kopfwackelkind“, das heißt ich konnte nicht einschlafen
ohne in meinem Bettchen mit dem Kopf hin und herzuschaukeln.
Ich stellte mir dabei einen unendlich großen Raum vor, den ich mit
Musik füllte… Nach einiger Zeit wurde mir vom Kopfwackeln natürlich
schlecht – dann habe ich mit beiden Armen die Musik weggewischt
und gesagt: “noch einmal neu !“. Und es fing noch einmal an.
次の思い出も、多分同じ時期でありましょう:
私はいわゆる“頭揺らし子供”で、ベッドに入ってから頭を右へ左と揺らしていないと寝入ることができませんでした。そして頭を揺らしながら、無限に大きな空間が音楽で満たされていくことを想像し、しかしその振動で次第に気持ちが悪くなると両手を空間に伸ばして音楽をいったん消し、「もう一度あたまから!」と言って再び揺らし始めるのでした。
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頭を揺らしながら無限なる空間に音楽を感じた男の子の3つ目の体験とはなんだったのでしょうか?
明日をお楽しみに。
マネージャー 竹島愛弓
皆様こんにちは。まさか今年もこういう形でお会いできるとは思いませんでした。
平井プロデューサーのなさることですから、3年目はこれまで2年と、がらっとメンバーを入れ替えて新鮮さを狙ってくるのではないか、と予想していたわけです。ですから昨年終了時に「残念だけど私の出番は今年で終わりだろう。ひょっとして万一また出していただける場合は、すべて日本人作曲家の作品とか・・・」なんぞと内心は考えておりました。
ところが、ふたをあけたら、今年も出させていただくことになり、いままで毎年あった日本人作曲家作品は無し。すべての予想がはずれたわけです。まあ確かに一演奏家の頭で予想できるようなことをやっているようでは、プロデューサーはつとまらないでしょう。
内容はこれまで通り、テレビや映画やCMでお馴染みの小品が中心なのですが、よく見るとなかなかに高度な作品がちりばめられていました。「これは大変。長い時間かけて準備しなきゃ」とまずは思いました。ですが・・・2年続けてきてくださったりして、個人的にお知り合いにならせていただいた方も随分増えました。そして、丹野さんや壇さんら素晴らしいスタッフの方たちの顔も思い出し、「やはり人との出会いが一番楽しい」ことを痛感して、「あの皆さんに又会えるんだ」と、感謝して準備をさせていただいている今日この頃です。
残暑お見舞い申し上げます。
暑い毎日が続きますが、みなさまいかがお過ごしですか?
今日から一週間、ドイツの名ピアニスト、ゲオルク・フリードリヒ・シェンク氏のブログをお届けします。
まず第一弾は、私(御喜美江マネージャー:竹島愛弓)からのご紹介。
せんくらでは、おなじみのアコーディオニスト、御喜美江さんのご主人のシェンクさん。
ご自身の演奏活動のほか、ドイツ・デュッセルドルフのロベルト・シューマン音楽大学のピアノ科教授および室内楽主任教授(リーダー)として後進の指導に、忙しい毎日を過ごされています。
つい先日は、愛弟子が、カサ・グランデ国際ピアノコンクールで優勝(ほかシューベルト賞、批評家賞、放送局賞全ての賞を受賞)、続いてリヒテル・コンクールにて一位なしの二位を受賞しました。
(参考:http://mie-miki.asablo.jp/blog/2008/06/10/3572154)
また、発足人およびリーダーとして、「室内楽の日々」と「ピアノ音楽の日々」(いずれも正味約25演奏時間)を年2回行っているとのこと・・・
正味25時間の演奏会とは一体どんなものなのか、大変気になるところです。
私にとって御喜さんとシェンクさんは理想の夫婦像です。
結婚して何十年経った今でも、一緒にピクニックに行ったり(http://mie-miki.asablo.jp/blog/2008/03/23/2837239、http://mie-miki.asablo.jp/blog/2008/03/27/2867594)、夫婦で共演したり、なんて素敵なんだろうと思います。 御喜さんのせんくらブログでも少し述べていますが、(http://sencla2008.asablo.jp/blog/2008/06/16/3580226)10月13日のデュオは、そんな二人の空気がきっと伝わることでしょう。
御喜美江マネージャー 竹島愛弓