新国際版「マダマ バタフライ」世界プレミア、2009年日伊両国公演。
プッチーニフェステイヴァル財団とNPOみんなのオペラの共同公演だが、我々NPOの負担は1億5000万円。イタリア側とは、指揮者と、ピンカートン/テナー、シャープレス/バリトン、ケート/ソプラノの3役の全6回のギャラ、東京とトーレ・デル・ラーゴ(プッチーニフェステイヴァルの公演会場)での約1ヶ月ずつの稽古と公演のための滞在費、それに日伊間の国際航空費用、東京に於ける5日間のオーデイションのイタリア側4名の審査員の全費用、トーレ・デル・ラーゴの会場、稽古場、オーケストラ、合唱団、舞台などの裏方の全費用の負担、というのが我々の合意内容だった。米人3役のダブルキャスト6名はイタリア側が向こうで選考して来日し、あとの全日本人役は全て国際公募オーデイションで、東京で日伊合計8名の審査員で選出。東京オーチャードホールでの公開総練習2回と本公演2回でイタリア公演の為のシングルキャストを選び、イタリアで4回の公演をおこなうのである。1億5000万円には総勢46名のギャラ、渡航費、滞在費、大小道具を入れた衣裳の4トンコンテナー2台のカーゴ代である。イタリア側の負担が少ないじゃないか、という話題はここではよそう。向こうはオペラ宗主国で、プッチーニオペラの世界の中心。そこで上演するだけで大変な名誉なのだ。
オペラの資金集めは初めての体験である。これまではお金をもらって歌うだけだった。それも10万、100万ではない。1億5000万という見たこともない大金。それは大企業のトップにお願いするしかない。お願いの武器は、世界初の日本誤認訂正をしての上演。こういう日本にとって又とはないチャンスだから、誰かが必ず意気に感じで出してくれるだろう。これが我々チームの計算だった。チームとは、愛知和男・衆議院議員、元・防衛庁/環境庁長官。愛知先生は国会コーラスでお知り合いになった。僕はこの合唱団の指揮者だ。先生にはNPOの特別顧問になっていただいた。そして鷲尾悦也・NPOみんなのオペラ理事長。それに博報堂の泊・常務、白川・宣伝部長、大野・宣伝部員。
彼ら影響力の或る方々が味方についてくれねば、一歌うたいには不可能な仕事だ。そしてすぐに企業訪問が始まった。オペラ歌手は夜遅くまで歌いそれから食事をして寝るわけだから朝に弱い。僕が起きるのは朝9時である。企業のトップとのアポは朝9時頃が多い。眠い目をこすって愛知先生たちのお供をして、僕は「マダム バタフライ」の原作の間違いを説明し、この上演が、オペラだけでなく文化を輸入ばかりしてきて、経済大国のイメージばかりが強い日本の文化度を世界に示す絶好のチャンスであることを力説し、援助をお願いする。大阪にも2度行った。どなたも親切に耳を傾けてくれた。しかし金はなかなか出ない。意義は認めても、金を出すにはその見返りがいるのであろう。どなたも自分のポケットマネーではない、会社の金なのだ。目に見える見返りがなければ、出す理由の説明が部下につかないのではないのだろう。
東京公演は来年5月。オーチャードホールは好意で4日間をあけて待っていてくれる。どうしても3月末までには公演をやるかやらないかを決定せねばならない。チームの方々の顔色は、日が進むにしたがい曇っていった。幾つかの申し出はあったが、1.5億には遠く及ばない。慣れない金集めにくたくたに僕はなった。体力が続かないのではない。金集めには特殊の能力がいるようで、それが僕には生まれつき備わっていない、ということが解るにつれ、精神的に参ってきたのである。食事もろくろく喉に通らなくなった。そして4月1日のチームの会議で、皆は涙を飲んで、来年のプロジェクトの延期を決めざるを得なくなったのである!
大きな空と白い雲、そして広い地平線がわたしは大好きです。
この風景は自宅近くの散歩道なのですが、ここに2本の木があります。右のそれは幹から大枝、小枝まで緻密かつ左右均等に育ち、まっすぐ空に向かって元気に伸びています。しかし左側の木は(きっと同年齢&同種と思うのですが)、右の木に寄りかかりながら枝も少なく不揃いで、なんとなく「一人では生きていけない」といった印象を与えます。しかしこの体力・体質・キャラクターの違いが、なぜかバランスのとれたひとつのハーモニーをつくっているように私には思えるのです。もしここで左の木も右同様に枝ぶりよく、まっすぐ垂直に伸びていたら2本の木はそれぞれに孤立してしまい、白い雲にも、広い草原にも、大きな青空にも馴
染まず、地平線ですら単なる一本の背景線としてのみうつるのではないでしょうか。
「デュオ」とは「2つ」という意味ですが、この2本の木に実に似たデュオが身近に存在します。もし次のコンサート→:(88番:10/13(月)13:00-13:45仙台市青年文化センター/D.交流ホール)にいらしていただけたら、そんなデュオを聴いていただけると思い、今日はこの写真を記載させていただきました。
昔見た、頭に焼き付いて離れない光景がある。どこかで既に書いたたが、もう一度書かしていただく。
あれはNHKの収録スタジオ前の廊下だった。タレントらしき若者が仕事の合間に一服していた。近くの階段をご老人の一団がえっちらおっちら歩いていた。見学団らしい。若者は、汚らしいものを見た、とさも言いたげに仲間たちににうそぶいた。「ピッ○エレキバンの匂いがすらー!」
後期高齢者保険なるものが今月発足した。75歳以上の人の為の保険だという。何故74でも76でもなく75なのかは解らないが、老人は医療費がかかるから特別にしようというのが趣旨らしい。
年を取れば取るほど末広がりに医療費がかかるのは人間として当然である。病の種類も医者にかかる頻度も増え、若いときより遥かにかねがかかることを見越して保険制度を構築するのが為政者として当然の義務である。社会もこぞって、社会の功労者である老人を、弱者となってしまった老齢者を、生産年齢に達したらサポートせねばならない。いずれは誰もがこぞって間違いなく老人となる運命を背負っているのだ。負担など一銭もさせず、痴呆になろうと末期医療の対象となろうと、寄ってたかって、最善を尽くして人生の最後を最も楽に過ごさせるのが、成熟した社会のやるべきことである。
今回、後期高齢者となった人たちは、物心ついたときには敗戦の重荷を背負って、焼け野が原にすきっ腹をかかえて放り出された。そして、営々と働いてこの国を経済大国にした功労者である。若者に感謝されて当然。馬鹿にされるいわれは毛頭ない!天に向け唾を吐き我が顔で受ける、NHKで見かけたような愚かな若者を育てた国だからこそ、老人の医療費負担を増やす計画を立てられるのだ!!
みなさまこんにちは!
アコーディオン奏者の御喜美江です。
今日から一週間「せんくらブログ」でお喋りさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
*
今日は日本の東北地方で大きな地震があったそうですね。
いま私はドイツのデュッセルドルフにおりますが
テレビニュースで知り、とても、とてもびっくりしました。
そして「仙台は大丈夫だろうか・・・」と大変心配しています。
地震は突然やってくるので本当に恐ろしいです。
まずは皆様のご無事と、これ以上の地震がこないことを
心からお祈り申し上げます。
尚、第一回目から「怖いこと」について書くつもりはなかったのですが
2日前の大雨でオランダの自宅が水浸しになったり
2ヶ月前の台所におけるケーブルショートで火事寸前を経験したり
( http://mie-miki.asablo.jp/blog/2008/04/27/ )
そして今日の東北地震のニュースを耳にしてしまうと
大自然を前に人間など本当に小さな存在と思ってしまいます。
6月と言えば一年中で一番明るい時期。
西ヨーロッパはすでに初夏とも言えますが
この写真からは「まあ、なんという服装?」と思われるでしょう。
でもこれはつい最近のものなのです。
ドイツもオランダも四季はちゃんとあるのですが
気温の変化は年々異常になるような錯覚を覚えます。
地球もそろそろ・・・なんて思ってしまうとき
次の言葉が思い浮かびました。
Und wenn ich wüsste,dass morgen die Welt unterginge,
würde ich heute noch mein Apfelbäumchen pflanzen. (Martin Luther)
たとえ明日、地球が滅ぶとしても私は今日りんごの木を植えるだろう(マルチン ・ルッター)
このブログを度々ごらんになっている方は勿論ご存じでしょう。さて初めてご覧になった方、「せんくら」って何?と言われるだろうがクラッシック業界では全国的に定着した名前だ。仙台の秋・10月、今年3年目で恒例となったコンサート。略して「せんくら」。1コンサートの入場料は僅か1000円で休憩なしの45分間。今年は11日(土)から13日(月・祭)のフィナーレ、ベートーヴェン「第九」までで101回。朝から晩まで連続3日間、仙台は、邦人・外人の国内外で活躍するアーテイストで溢れる。――仙台フィルによるオーケストラ演奏から室内楽、弦楽器、管楽器、ピアノ、声楽、谷川俊太郎・父子の朗読と演奏、――などなどとクラシック音楽漬けとなる。会場がみな地下鉄南北線各駅の近くにあり、開催期間の土日祝は一日乗車券が600円。楽都・仙台と自称するに相応しいアイデイアである。
さて、ここからは、当サイト常連の方々へも。僕の受け持ちはシューベルトの歌曲集「冬の旅」とフィナーレの「第九」で、「冬の旅」のピアノは積年の楽友、高橋悠治さん。前半「お休み」から「孤独」迄の12曲が第一回、第13曲「郵便馬車」から「辻音楽師」迄の後半12曲が第二回で共に10月11日、仙台市泉文化センター・イズミテイ21。間に1時間半の休憩中にお客様は別のコンサートを同じホールでも聴ける。
また、興味のある方は、僕と悠治さんによるプレトークにも是非足を運んでいただきたい。第一回が始まる前に同じ会場で16:00から30分間、30年以上、毎年歌い続けてきた僕が「冬の旅」の聴きどころを皆様に分かり易くお話しします。
さて、「冬の旅」開演は16:45だからその日の午後に東京を出て間に合うし、「第九」は第4楽章だけで17:45終演だから、その日のうちに帰京できる。出演者の便も考えている。
仙台は上手いクラシック文化向上計画を考えたものである!
あっという間に最終日になってしまいましたね。
普段ブログなんてやっていない僕の読みづらい文章に一週間お付き合いくださり、ありがとうございました。
まだ6月、何て思っているとあっという間に10月になってしまうのでしょうね。日記の最初の方にも書きましたが、何事も事前の準備が大切!計画ばっかりして実行せずにコンサート直前にジタバタしないようにしなくては(笑)
せんくらでは、ソロのほかに本業(?)である仙台フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに出演します。あとは講師をしている仙台ジュニアオーケストラ。僕はもちろん演奏者ではないのですが、本番に向けて子供たちが精一杯演奏できるように指導していきたいと思います。
他にも気になる演奏会が盛りだくさんの「せんくら」ですから、僕も空いている時間で何を聴きに行こうか、今から楽しみです。
では、また10月にせんくらでお会いしましょう!!!
今回のコンサートでは珍しい無伴奏ヴィオラの曲も聴いて頂きます。
ヴュータン作曲の「カプリッチョ」です。もの悲しい曲想の中にも激しい情熱を秘め、しかもヴィオラの高度なテクニック満載の曲です。
演奏される機会は少ないですが、聴いていただいたらきっと気に入っていただけると思います。
ヴィオラのレパートリーは他にもまだまだ沢山あるので、少しずつ紹介していきたいです。その意味でもこのせんくらのコンサートはとても有難い機会だと思っております。
最後まで読んでくださって有難うございました。
せんくら2008、会場でご一緒に楽しみましょう!
昨日から静岡へ仕事に来ています。
生シラス、サクラエビ、黒ハンペン等…いろいろと食べたのですが食べることに集中しすぎて写真を撮ることを完全に忘れていました。残念。
今回、仙台フィルの前コンマスの西江さんと仕事で一緒になったので、一枚パチリ。
久しぶりにこの組み合わせでオケのチューニングをしたいと思います。
では、もうすぐ本番なのでこの辺で!
去る6月1日、大和町吉岡にある、仙台ピアノ工房にて、ヴィオラとピアノのコンサートに出演しました。
仙台ピアノ工房は、木造ドーム型のサロン風のホールで、とても柔らかい響きを持った素敵なホールです。
オーナーの伊藤御夫妻の人柄がこれまたとても温かく、楽しい雰囲気のコンサートになりました。
ピアノを中心とした様々なコンサートを開いていらっしゃいますので、機会がありましたら是非行かれてみてください。
そこでは、せんくらで演奏するドッビュシーの「亜麻色の髪の乙女」と「月の光」も演奏しました。
ドッビュシーの洗練された、香り高い、独特な音使いは本当に素晴らしいと思います。
せんくらではこの2曲をヴィオラとハープのアンサンブルで聴いていただきます。
他ではまず聴けない典雅な世界を醸し出せたらいいなと思っております。
みなさんいかがお過しでしょうか?
結婚式のあと僕は名古屋へやってきました。妻は名古屋出身で、先週から娘と一足先に里帰りしていました。
今日は、「ノリタケの森」というところがあるのですが、そこに遊びに行って、娘と一緒に絵付け体験をして来ました。
僕はマグカップ、娘はお皿に…思い思いの絵を描いて楽しみました。
一週間から10日くらいで仕上げて自宅に送ってくれるそうで、今から到着が待ち遠しいです。
家族でのんびり過ごして、よい気分転換になりました。明日は真面目に楽器に向き合いましょうか…
では、今日はこの辺で!