早川りさこ(6)

2007.06.29| 早川りさこ

皆さんは気分転換、どうしていますか?

私は、ここ最近、水泳と筋肉トレーニングにはまっています。

舞台で演奏するという仕事はとにかく緊張の連続です。
もちろん、当日舞台に出てしまえば、楽しんで演奏するだけなのですが、
そこに至るまでには結構ストレスがあります。
体はそれほどでもないのに、頭だけが疲れてしまうんですね。
そこで、バランス良く体も使ってみよう、という事で始めました。

泳いでいる時は日頃の自分を全て忘れ、水に浮くただのほ乳動物でいられる、その時間がたまらなくいいのです!気分転換がうまくいかないと、さっきまで練習していた曲がいつまでも頭の中で鳴り続けてしまうのですが、
そんな状態から解放されます。

もともと泳げなかったのですが、ようやくクロールが出来る様になり、今、バタフライに挑戦中です。ただ、力があまりないので、鍛えなければ!という事で筋トレにも取り組む事になりました。

パーソナルトレーナーの先生に付いて、正しい鍛え方(自己流だと却って体を傷める可能性があるので)を教わりながらやっています。枝光聖人先生はボディビルダー。それこそ筋肉のプロ。

「明日は朝からリハーサルですか? では腕に筋肉痛が残らない様にやりましょう」など、ハープを弾くのに支障がないようにプログラムを考えて下さいます。

体に無関心だった私にとって先生の専門的な説明はまさに「目から鱗」。仕上げには使った筋肉をストレッチして貰います。

あっという間に時間が過ぎます。そして帰宅後ゆっくりお風呂に入り、心地よい疲労感の中で眠りにつきます。

 

つのだたかし(6)「ブラボー考 その1」

2007.06.29| つのだたかし

ピアニッシモの声があえやかに消えていき、やがて完全な静寂がおとずれるまでの数秒間。
このかけがえのない最も美しいモメントを打ち破る 悪夢のようなブラボーの雄叫び!

嗚呼。

「おいそこのブラボーおやじ! いったいなんで他の善良な聴衆のみなさんと、この深い静寂を聴き届けようとしないんだ」

「他のすべての人たちがお前の無頼で見苦しい行為を憎んでいるというのに」

「おめえだけが金払ってるわけじゃネエだろうが!」

などとくやしまぎれのあられもない言葉をぐっと飲み込んでしまうのだ。

しかしなぜか、ブラボーをする人たちは、なぜかおやじなのだ。
しかも蝶ネクタイなんかしちゃって、いい加減もう分別もありそうなおやじなのだ。
いったいどういう美意識がそうさせてしまうのか、深く考えざるを得ない。

音楽はまだ終わっていないんだぞ!

早川りさこ(5)

2007.06.28| 早川りさこ

今、母校の芸大と芸大附属高校で教えています。
ハープの生徒同士は本当に仲が良く、試験の前などには、自主的に肝試しならぬ「弾き合い会」をやっています。
「緊張する」練習です。

ライバルでありながら、お互い助け合い、励まし合う。彼等はお互いに
理想的な関係を築いています。

たまたまこの日は弾き合い会があり、
残念ながらハープ科の生徒全員ではないものの、たくさん集まっていたので、彼女たちの笑顔で明るく華やいだ雰囲気のハープ部屋でパチリ。
(一人、学生でない人間が混じってますが。。後方右端は私。。)

舞台で緊張するのは当たり前。それをうまくコントロール出来る様になる為には、「場数」を踏む事が大事。
みんな試験頑張って~!

ところで、よく訊かれる質問が「男性ハープ奏者はいるのですか?」
もちろん、いらっしゃいます。

そういえば以前、男性ハーピストがぼやいていましたっけ。
「オーケストラにエキストラで行くと、『なんだ、今回は男か、、』
と言われるんだよね」と。(笑)

つのだたかし(5)

2007.06.28| つのだたかし

 

雑誌のインタビューなどで いつも必ず訊かれることがある。
リュートの魅力とは?

登山家に山の魅力は、とか なぜ山に登るのかなどという質問に似ているのかもしれない。
そして、空気が澄んでいるから、とか、達成感があるから、とかの答えになるのだろうか。
一言では言えない。
難しい質問だ。

でも最近はリュートの魅力は音が静かなことと答えるようにしている。
たしかに私は静かな音や音楽が好きだ。
リュートはちょうど人が静かに話し合うぐらいの音量で、
熱弁を振るう、がなり立てる、というようなイメージではない。

音楽の世界では、声量がある、楽器がより大きく鳴る、というところが
価値観の基準のひとつになっているふしがあるが、
そこから見ると私の価値基準は少しちがっているようだ。

 

早川りさこ(4)

2007.06.27| 早川りさこ

お昼ごはん!

練習の合間の1時間のお昼休みは、近くのレストランに行ったり、お弁当を買ってきたり、出前をとったり。。私は、休憩の後半20~30分は午後の練習の為のチューニングをしなければならないので、外でゆっくり食べる事が出来ません。

そこで、お弁当になる訳ですが、、、

近くにとっても美味しいお店があるんですよ~!
「オレンジスプーン」お店の名前です。レストランなのですが、お弁当にして貰います。とにかく美味しい!
素材にこだわりがあり、栄養のバランス、丁寧な味付けが最高。
見た目も美しく、作り手の「美味しいものを味わって欲しい」という気持ちが伝わって来ます。
うふふ。。

この味が楽しみで、午前中の練習、頑張っちゃおう!って気持ちになります。

ちなみに今日のメニュー
*彩穀米(群馬県浦部農園の無農薬有機栽培米)のツナと昆布の混ぜご飯
*トローリとしたカニクリームコロッケ!
*豆腐のオクラととろろ昆布がけ
*ほうれん草とシメジの和え物
*ゴボウのお漬けもの
*メークインのモツァレラチーズとトマト和え
*グリーンサラダ
850円

今日も美味しかった!ごちそうさまでした~!

つのだたかし(4)

2007.06.27| つのだたかし

先日、新聞広告で「新振り付けで踊る正調ナントカ節DVDセット」というのを発見! 新しい振り付けで踊るんじゃ正調じゃなくなっちゃうんじゃないかと考え込んでしまった。しかも親しみやすく宴会でも受けるように艶っぽい歌詞が新たにつけられているという。

音楽の世界でも歴史的とか正統的とかよく使われる。

私もリュートなんかを弾いている端くれとしては、別にこの言葉、それほど遠い世界の言葉ではありませんが、ときどき考え込んでしまいますな。

元祖ナントカラーメン、正調ナントカ節、本家ナントカまんじゅう、さらには総本家ナントカ餅とか。ここまでいろいろ出てくるとあまりありがたみがなくなってくる。それどころか、ちと胡散くさくもなりますな。

もちろんその中には本物の元祖をまじめに追求している方々もいらっしゃるわけだから迷惑な話だろうとお察しいたします。

コンサートのちらしに「リュートの総本家、正調、歴史的リュートの第一人者つのだたかしの真髄」などと書いてあったら、気をつけろ!(ないとは思うけど)

 

早川りさこ(3)

2007.06.26| 早川りさこ

今日はオーケストラの定期公演のリハーサル日でした。
10時から練習が始まり、休憩、お昼休みを含んで15:15までです。
練習所の雰囲気はこんな感じ。1回目の休憩に入った所です。ハープの席から撮りました。

N響の建物はちょっと古く、エアコンも古いタイプで自動の温度調節がついていないので、練習に熱が入ってくると「暑い~」という声があがり、ステージマネージャーが温度を下げに行きます。

そうすると。。。吹き出し口がハープの真上にあるので、私の所は寒くなるのです。。。その為、夏でも長袖のセーター、フード付きのもの、スカーフなどが手放せません。

さて、今日の曲はチャイコフスキーのマンフレッド交響曲。あまり演奏される機会が多くはないようですが、面白い曲です。ハープは2台です。2人の息が合うととても効果的になる様に書かれています。

頑張ります!

 

つのだたかし(3)

2007.06.26| つのだたかし

昨日の続き。

さてこのヨーロッパのリュートがもっとも流行した時代が今からざっと400年前。レオナルド・ダ・ヴィンチやシェイクスピアの時代。ガリレオ・ガリレイの父も弟も高名なリュート奏者であったのです。

当時イギリスでは、ジェントルマンたるもの、何はなくともまずはリュートをつま弾くことができるようでなくては貴婦人たちの心を動かすことはできなかったそうです。

時代が変われば状況も変わる。

今どきリュートをつま弾くぐらいでは貴婦人の心は動かない。

それどころか、だいたいまず貴婦人を見つけることすらむずかしい。

それにたとえば、私が誰か美しいご婦人宅の庭先から2階のバルコニーに向かってリュートを奏でてご覧なさい。警察に通報されるのが落ちです。

ま、私の場合、問題は容姿にあるかもしれませんが...。

早川りさこ(2)

2007.06.25| 早川りさこ

今日は、せんくらで共演する2人の演奏家をご紹介します。
2人ともN響の仲間です。

まずオーボエの池田昭子さん。
出身/宮崎市
血液型/A
誕生日/10月4日
趣味/読書
*のだめカンタービレで、オーボエの黒木君の実際の演奏は彼女がしているんですよ!
いつも穏やかで、オーケストラの曲で、大変なソロのある曲でも顔色一つ変えずにバッチリ決める。。。。すごい人です。
彼女と演奏するメインの曲はサンサーンス作曲のオーボエソナタ。
この曲はサンサーンスが亡くなる直前、86歳のときに作曲されました。
一、二楽章ともフランスの田舎の風景をを思い起こさせる牧歌的なフレーズがどこまでも美しく続きます。
特に二楽章のアルペジオのに続くAd libtum(任意に)と書かれたオーボエの自由な旋律が印象的です。
オリジナルはピアノとオーボエですが、ハープと共に演奏される機会も多い曲です。

ヴァイオリンの大宮臨太郎さん。
出身/横浜
血液型/A
誕生日/1981年7月5日
趣味/フットサル
*第1回仙台国際音楽コンクールで5位入賞。覚えてらっしゃる方も多いのでは?

N響では次席奏者として活躍。落ち着いていて頼もしい存在です。
サッカーボールを蹴っている時は普通のスポーツ青年なのに、ヴァイオリンを構えた途端にアーティストに変身。
力強くて説得力のある音楽を奏でてくれます。
彼とのメインの曲は偶然にもサンサーンス作曲の「ファンタジー」
まるで物語を読んでいるような気分になる曲です。
最後のくだりでは幸せな音と空気が訪れて、ハープのグリッサンドで
ファンタジーを締めくくります。
大切にしたいオリジナル作品です。

#それぞれの舞台では、1曲は3人で演奏します。
ちょっと珍しいこの組み合わせのアンサンブル、おいで頂けましたら嬉しいです!!!

つのだたかし(2)

2007.06.25| つのだたかし

今度せんくらで聴いていただくリュートは、撥弦楽器、つまり指などで弦をはじいて鳴らす楽器に属します。身近なところではギターやマンドリン、ウクレレなど、みなこの仲間に入るわけです。

楽器学的に言うと、撥弦楽器の仲間でも、瓜を真ん中から縦割りにしたような形の丸い胴体に表面板(響板)がつき、それに左手で弦を押さえるための棹(ネック)をつけた楽器をリュート属といいます。

これに対して胴がくびれて8の字型なのがギター属です。

ルネサンスやバロックの時代に演奏されたリュートはもちろんのこと、リュート属は今も民族楽器としてヨーロッパ、北アフリカ、アジアの各地で愛奏されています。エジプト、イラクなどアラブ諸国のアル・ウード、トルコのサズ、ギリシャのブズーキ、マンドリンなどもリュート属に含まれますね。

そして、そう、日本や中国の琵琶も忘れてはいけないのであります。

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