クラリネットとは

2017.08.13| 吉田誠

皆様こんにちは!

 

昨日に引き続き、ブログを担当させて頂きます、クラリネット奏者の吉田誠です。

 

今日は楽器について少しご紹介したいと思います。
現在、僕が演奏している楽器は、Schwenk & Seggelkeというメーカーのクラリネットです。

現代のクラリネットは世界的に大きくドイツ管とフランス管の2種類のクラリネットに分類され、キーのシステム、内径のサイズ等の違いがありますが、僕の楽器は、運指はフランス式で、音孔や内径はドイツ式という両方のいい所を取り入れた楽器です。

 

またこのメーカーは古楽器も制作しており、当時の楽器のエッセンスもこの楽器には取り入れられています。

 


© RamAir.LLC

 

当時のクラリネットは柘植の木で作られていましたが、耐久性や利便性の問題で現在は黒檀で作られたものが主流となっています。

 

また音を出す上で、とても大事なパーツがあるのですが、それがマウスピースです。弦楽器で言う弓の様な役割になるのではないでしょうか。

 

現在、この3種類のマウスピースをメインに、曲によって使い分けています。

 

3種類共に素材はエボナイトというものですが、それぞれ0.01ミリ単位でカットが違うため、吹き心地、音色、発音の速さが異なります。

 

例えば、モーツァルトやウェーバーの時代の作品では速い発音と瞬発力が求められるので、右のマウスピースを使います。

 

ガラ・コンサートで演奏させて頂くメシアンの様に、幅広いダイナミクスと多彩な音色が必要な作品では、真ん中のマウスピースを使います。

 

因みにこのマウスピースは、サクソフォンのマウスピースから着想を得て、職人さんに手作りして貰いました。

 

その他にも、楽器の穴を塞ぐ部品の素材を何にするか等、楽器のこだわりは話せばキリがないのですが、ほんの少しのことで楽器の音色や倍音の響きなどが変化するので、日々、研究が必要となります。

 

ヴァイオリンやピアノは長い年月を経て、ある意味で既に進化を遂げ、完成された楽器ですが、クラリネットはキーが1つ増えたり、新しい素材が楽器に使われる等、世界中で新しい実験が行われ、日々進化しています。

 

モーツァルトのクラリネット協奏曲やブラームスの晩年の2つのソナタ等、名作曲家が残した名曲が実は沢山ありますが、その誕生の背景には、当時の優れたクラリネット奏者と楽器職人と、そして、偉大な作曲家との出会いがありました。

 

明日は、これらの素晴らしい出会いについて書きたいと思います。

 

吉田 誠

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