「デスティニー」

2014.08.30| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

前回のブログで、仙台フィルスタッフが、「こぴっと」の話をしていましたね。
私も、イナカの話から始めます。

私のイナカは、新潟県南部です。
地元には当然、プロ・オーケストラはありませんでした(今もないですが)。
大学に入るまで、オーケストラをちゃんと聴いたことも、楽器を間近に見たことも、ありませんでした。
(ちょっとだけ、地元の市民楽団の演奏を聴いたことはありましたが)

「裏日本」がいやで、テレビの天気予報で新潟県ばかりが雪マークになるのが恨めしく、高校卒業後は、冬も晴天がつづくに違いない(実際そうでしたが)太平洋側に出てきました。
仙台を選んだのは、なんとなくの「イメージ」。なにひとつ知らない街でした。
でも、仙台を選んでよかったと思っています(一人暮らしを謳歌した喜び、というのもありましたけれども)。
過ごしやすい、大きすぎず小さすぎず、歴史と食と自然に恵まれた街ですから。
そして、意識せずに出会ったのが、仙台フィルでした。

私がはじめて聴いたプロ・オーケストラは、仙台フィルです。
サークルの先輩が伝統的に仙台フィルの「楽器運び」のバイトをしていたので、「来週、空いてるか?」みたいな感じで、大学1年のときに誘われたのです。
結局、卒業まで(不定期ながらも、ぽつぽつと)バイトくんをするわけですが、「使えない」バイトくんでしたねえ。
振り返っても、申し訳なく思います。
でも、個人的には、楽器運び・設営の点ではダメダメでしたが、オーケストラの「リハーサル」を現場で(こっそり)聴くのが好きだったのです。舞台袖だったり、客席のはじっこだったり、オーケストラへの興味がどんどん湧きました。
バイトをしたときの演奏曲目は、タイトルを一生懸命おぼえながら(原付で家まで)帰りました。
日払いのバイト代は、ほとんど数日をまたずして、(当時仙台に出来たばかりの新星堂で)その演奏曲目のCDに消えていったのでした。

いま、そのような学生時代を経て、都内のオケ事務局を経て、ふたたび仙台にて仙台フィル事務局に勤務させていただいているのですから、なんといいますか、不思議なものです。

さて、前置きが長くなりました。
私が皆さんに、ここでPRしたいのは、「運命」です。
私のつたない人生の「運命」話ではないです、ベートーヴェンの交響曲「運命」です。

第1楽章が有名ですが、いいえ、皆さんには「最後まで通して」聴いていただきたい楽曲のひとつです。
そうでないと、「運命」のストーリーを体験できないから。

くわしくは、いろんなところに書いてありますから省きますが(私も、バイト代で買った愛聴するG.セルの「運命」のCDを壊れるほど聴きましたが)、感動への道筋といいますか、ベートーヴェンという人は本当にすごかったんだなと、いつもいつも思います。

そして、「案外」、「運命」全曲を実際にナマのオーケストラで聴くことの機会は、それほど多くもないのでは?
学生時代にナケナシのお金で、ブロムシュテット指揮の外来オケの「運命」を聴きに県民会館に行ったのを思い出しますが(もちろん楽屋口から入り込んでサインをもらいましたが)、その後、オケ事務局に勤務してからも、機会はなくはないけれども、そんなに全曲生演奏というのは、決して多くはないかも?と思います。

初めての方は興味を持って、再びの方は期待(新しい出会いの大きな予感)を持って、今回お聴きになってください。

指揮は、山田和樹です。

その凄さを、なかなか、お伝えしきれずにいるのですが、山田さんがタクトをとると、オーケストラからは、「力」で導くような無理のある音楽は聞こえてこず、とても柔らかな、音(おと)それ自体が喜んでいるような、ここちよい響きが聞こえてくるのです。

「運命」全曲を山田さんの指揮で聴くのは、私も初めて。
ブザンソン国際指揮者コンクール優勝後、まさに欧州各地を席巻している話題のマエストロですが、実はそんなに「運命」を多く指揮されていないと思いますよ。
そういう意味でも、聴き逃せない、コンサートなんです。

山田さんの「運命」では、柔らかな、ふくらみのある響きのなかで、
ときに美しく、ときに力は漲り、かけがえのない「運命の体験」が待っていることでしょう。

おススメします。

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公演番号 51
10月4日(土)17:15~18:15 イズミティ21 大ホール
山崎 伸子(チェロ)、山田 和樹(指揮)
仙台フィルハーモニー管弦楽団

シューマン:チェロ協奏曲
ベートーヴェン:交響曲 第5番「運命」
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仙台フィル事務局 関野 寛
(写真は 緑あふれる仙台市野草園にて)

こぴっと!

2014.08.29| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

みなさん、こんにちは。仙台フィルハーモニー管弦楽団事務局の伊東です。

私は4月から仙台フィルに入りました。生まれも育ちも関東で、初めて東北に来たので、慣れるまで大変なことがいくつもありました。

中でも、一番困ったことは「方言」です。仙台は「~だっちゃ」が代表的なのでしょうか?

仕事をしていても「めんこい」や「いずい」といった単語もわからず・・話についていけないことがしばしばありました。

東北ならではの濁点の多さに慣れるまでに非常に時間がかかりました・・(いまも完璧ではないので、たまに聞き返してしまいますが)。それでも、なんとなく最近はわかるようになってきましたが、それでも・・英語の授業のリスニングの時のような真剣さで聞き取るときもありますね。

 

ちなみに一番最初に覚えた言葉は、「わーげわがんね」(=訳わかんない!)でした。笑

でも、最初は「わーげわがんね」の意味が分からず、意味がわかりませんでしたが、「わげわがんね」が意味わからないという意味だということを認識したときに、頭の中が大混乱でした。(ああややこしい)

 

私の出身は、「花子とアン」で有名な山梨県ですが、甲州弁を仙台で喋っても通じません(当たり前ですね)。

↑先日帰省した時に、甲府駅の改札前にはこんな看板が!

ドラマの影響が大きいようで、仙台フィルの楽団員のみなさんからよく「こぴっと仕事してる?」とか「てっ!」というのは、言われます。なんだか、地元のことばを使われると・・うれしい気分になりますね。

「“こぴっと”なんて本当に使うの~!?」と言われますが・・・使います!

(コピーするってこと?と言われたことがあります)

本来、“こぴっと”は、「しっかり」とか「きちんと」といったニュアンスなので、学校の全校集会のときは、司会の先生が「気を付け、はい“こぴっと!”、礼っ」ってのが当たり前でしたね。

ドラマの中で使われていない甲州弁も山ほどあるので、興味のある方は調べてみてください。(わにわにする、とか、ちょびちょびする、とか「だっちもねーこんいっちょし!」なーんてのもあります。甲州弁ラップというラップも存在するらしいです。。。)

深夜帯に放送された某番組では「日本一ブサイクな方言」とも言われましたが・・それでもやはり方言というのは、誇りを持ってよいものだと思います。

仙台フィルハーモニー管弦楽団 事務局  伊東広大

支倉常長とスペイン

2014.08.28| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

みなさまこんにちは。仙台フィル事務局の後藤です。

私事ですが、8月23日(土)・24日(日)と東京の新国立劇場で行われた仙台市主催オペラ「遠い帆」を鑑賞してまいりました。
三善晃先生の唯一のオペラ作品である「遠い帆」は仙台市が2000年に初演したもので、時代に翻弄される常長の苦難に満ちた運命を題材にした作品です。
今年は、仙台藩主伊達政宗公が、支倉常長を大使として派遣した慶長遣欧使節団スペイン到着400周年にあたります。

恥ずかしながら「遠い帆」の鑑賞は初めてでして、冒頭の児童合唱からあっという間に三善先生の音楽に引き込まれてしまいました。
児童合唱もですが一般市民の公募による合唱が素晴らしかったのも印象的で、ソリストもオーケストラも、出演者が一丸となり、まさに熱演の舞台でした!

さて、せんくらのパンフレットに「むすび丸」のかわいいロゴが入っているのをご存知でしょうか?慶長遣欧使節団スペイン到着400周年にちなんで、そのスペインにまつわる名曲を集めた公演に「むすび丸」のロゴがついているのですね。

スペインの音楽といえば、独特のリズムに、魅惑的なメロディ。
常長が400年前に聴いたスペインの音楽はどのようなもので、どのように感じたのでしょうか。
そんなふうに思いを馳せて聴いてみるのも良いかもしれません。

仙台フィル事務局 後藤美幸

仙台フィルハーモニー管弦楽団(7)

2008.06.07| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

ようやく最終日に辿り着きました。
もういちどグルメの話に戻りましょう。
前にもちょっと触れましたが、私は以前、オーケストラでヴィオラを弾いていました。私が所属していた日本フィルは旅行が非常に多く、2月は九州、9月は北海道、10月は関西、11月は東北とだいたい訪れる先が決まっていました。

列車での移動と演奏が続く毎日でしたが、その中での秘かな楽しみは、行く先々で安くておいしい食べ物を探すことでした。特にお目当ての店がある町では、演奏会の終り近くになると、食べ物やお酒を思い浮かべていました。しかし、時には当てにしていた店が休みということもあり、その時は本当にがっかりしました。看板も出ていないような農家の片隅でしたが、猪苗代で馬肉と一緒に食べた、きゅうりのうまかったこと。40年近く前のことですが、今でも夏になると思い出します。また、時には、主催者の計らいで、民宿ということもありました。四国の今治で鯛飯が夕飯に出されました。これが飛び上るほどおいしく、無理を言って翌朝にも用意していただきました。仙台では、国分町の牛たん屋にゲネ・プロと本番の間に駆け込んでいました。

1週間のお付き合いありがとうございました。私は仙台フィルの公演のときには、ロビーで皆さんをお迎えいたしております。
是非、このブログを読んでいただいた皆さんと、演奏会場でお目にかかりたいと思います。お待ち申しあげております。

仙台フィルハーモニー管弦楽団 松本伸二

仙台フィルハーモニー管弦楽団(6)

2008.06.06| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

これまで、チャイコフスキーのことを中心に書いてきましたが、ここで、共演者について触れましょう。
指揮者はもちろん仙台フィル指揮者山下一史です。気心知れた山下とのコンビで、素晴らしい演奏を、今年も皆様にお届けします。
第1回ではラフマニノフの2番、そして昨年はチャイコフスキーで、その熱い演奏により会場を沸かせた及川浩治さん、それに昨年、山響とともに登場し、エネルギッシュな演奏で会場よりスタンディングオベイションを受けた山下洋輔さんとの共演も楽しみです。特に山下さんの自作の協奏曲には、いまから期待で胸がわくわくしています。
さて、昨日、音楽のことに少しふれました。ここで仙台フィルの宣伝をさせてください。
6月20日(金)午後7時より、翌21日(土)午後3時よりいずれも旭ヶ丘の青年文化センターコンサートホールで、指揮者に下野竜也氏をお迎えして第229回定期演奏会を行います。この日、チェコに関わる4曲演奏しますが、そのうちの3曲はチェコ民族の歴史的事件を題材としています。
指揮者の下野さんは、祖国を愛するが故に苦しんだ作曲家たちの思いを、音楽を通して分かち合いたいと、皆さんに呼びかけています。
演奏会の詳しい情報は、仙台フィルのホームページ(URL: http://www.sendaiphil.jp )でご覧ください。
皆さんのお越しをお待ち申しあげております。

仙台フィルハーモニー管弦楽団(5)

2008.06.05| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

ロメオとジュリエットには「幻想序曲」、1812年には「祝典序曲」というタイトルが付いていますが、いずれも曲の後にオペラが始まるわけではありません。なんだか変ですね。交響曲のように4つの楽章で構成されているものでない、オーケストラのための単独の作品を、いつの時代からか「序曲」と呼ばれるようになったのです。どうやらそう名付けるようにしたのは、メンデルスゾーンではないかといわれています。二つの曲のように、物語や出来事からインスピレーションを受けて作曲されたものや、名付け親のメンデルスゾーンには「フィンガルの洞窟」という風景をもとに作った序曲があります。いずれも親しみやすい曲です。

仙台フィルハーモニー管弦楽団(4)

2008.06.04| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

管弦楽曲では、非常にまれなことですが、ひとりあるいは少人数で、ステージ以外で演奏することがあります。この本体のオーケストラではない別動隊の人を「バンダ」といいます。非常にまれなことといいましたが、仙台フィルでは昨年2回バンダが登場しました。「せんくら」をはさんだ9月定期での「幻想」の第3楽章の牧童の笛をまねたオーボエ、それから10月定期の「英雄の生涯」の舞台裏で吹くトランペット、これらが例として挙げられます。

「1812年」ではモスクワの人々の勝利の喜びを最大限に表現するために、バンダが使われています。

イズミティ21大ホールのいたるところにバンダの人を配置し、バンダの編成は、当日まで秘密ですが、その華やかな響きをたっぷりと皆さんにお届けしたいと思っております。

なお、10月13日の最後の演奏会[101]の「アイーダの大行進曲」でもバンダがトランペットを吹きならします。

(写真:舞台の両袖に立って演奏しているのがバンダです)

仙台フィルハーモニー管弦楽団(3)

2008.06.03| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

昨日、忘れましたが、チャイコフスキーの魅力、それは何と言っても一度聴いたら忘れることのできないメロディの美しさにあります。ただ単に美しいだけでなく、どこか悲しげな色合いを含んでいるメロディ。私たち日本人はチャイコフスキーを非常に好きですが、彼のメロディに演歌と相通ずるところがあるからかもしれません。
さて、今日は祝典序曲「1812年」のお話です。この曲は、実際にあった出来事を音楽で表したものです。ナポレオンは1812年に60万の大軍を率いてモスクワを攻めますが、ロシア軍の奮闘に加え寒さと飢えのために敗れます。この戦いが音楽で描かれているのです。
ロシアとフランス、どちらが優勢かは、ロシア民謡とのちにフランス国歌となったマルセイエーズそのいずれかが大きいかを聴けばわかります。また、戦いの場面では大砲が鳴り響きます。この曲の初演はモスクワの教会の前の広場で行われ、実際に大砲を撃ったそうです。仙台でも2年前に霞目駐屯地での陸上自衛隊東北方面音楽隊の演奏の時に105ミリ榴弾砲を使ったということです。それならばと10月11日の演奏でも、是非大砲を使いたいとはりきっていますが、楽器や大砲をどこに置くか、当日までに解決しなければならない大きな問題です。
この曲ではもうひとつしかけがありますが、そのお話は明日にしましょう。
(写真提供=陸上自衛隊東北方面音楽隊)

仙台フィルハーモニー管弦楽団(2)

2008.06.02| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

2日目の話題は、チャイコフスキーの魅力についてです。
チャイコフスキーの音楽の大きな特徴として、同じメロディを繰り返しながら感情を盛り上げ、大きな音のうねりをつくりだし、人々の心を感動の世界に引きずり込むことが挙げられます。この傾向は、交響曲をお聴きになるとよくわかるのですが、今回演奏します「ロミオとジュリエット」でもその片鱗がわかります。
ついでながら申し上げますと、このロミオとジュリエット、冒頭の不安なムード、劇的な戦いの場面、甘美で情熱的な甘い恋の場面、最後の劇的な場面と、あの悲劇を見事に音楽で表現しています。この恋の場面、何ともあやしげなメロディを私がかつて弾いていましたヴィオラとオーボエの仲間であるコールアングレ=写真(イングリッシュホルンともいいます)が奏でます。ご期待ください。

仙台フィルハーモニー管弦楽団 松本伸二

仙台フィルハーモニー管弦楽団(1)

2008.06.01| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

皆さん、こんにちは。
仙台フィルの松本といいます。仙台フィルの一員ですが、音は出しません。事務局で、黙々と演奏会を企画しております。
仙台フィルは、例年と同じように101回のコンサートのうち4回登場します。そのほか、仙台フィルのメンバーが、いろいろな音楽を奏でます。どうぞお楽しみに。

今年の「せんくら」は、聴覚だけでなく、味覚の方も刺激するというユニークな試みとなっております。
仙台フィルの最初の出番は、11日の午前11時、イズミティ21大ホールです。このときのプログラムは、すべてチャイコフスキーが作曲したものです。そこで、チャイコフスキーにちなんだ食べ物はなにかないかと、調べてみました。なんと、なんと、それがあるのですね。
神戸そごうの地下1階にある「ピロシキ屋」、そこのチャイコフスキーというピロシキは、発酵中にチャイコフスキーの“花のワルツ”を聴かされているのです。実にまろやかな味がすると、評判で店の前には行列ができるとか……。

ところで、どなたか仙台フィルの生演奏の“花のワルツ”を聴かせて、ピロシキを作ってみようという方はおられませんか?
ただし、発酵中の生地をホールに持ち込めるかどうかは、保証の限りではありません。

仙台フィルハーモニー管弦楽団 松本伸二

写真は“花のワルツ”を聴かせて発酵させ作ったピロシキ(1個150円・大阪屋のホームページより http://www.fs-osakaya.co.jp/piroshki/ )

仙台フィルハーモニー管弦楽団(7)

2007.07.14| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

フルートの山元康生です。仙台フィルに入団して25年になります。気候もよく、食べ物もおいしく仙台が好きです。

「せんくら」は、お客さんのことを配慮したいい企画だと思います。45分だと、ちょうど集中して聴いていただける時間でしょう。ただ、フルコースではないので、もし、物足りないと感じられたら、フルコースが堪能できる、定期演奏会に足を運んでいただけたらと思います。

今回、吉松隆さんの曲が取り上げられますね。吉松さんは、50台半ばの、今最も活躍している作曲家です。時代からいえば現代音楽の人です。しかし、作風は難解な、現代音楽ではありません。メロディが重視され、聴いて美しい作品が多く、幅広い人に好まれています。作曲家によるお話もあります。名曲がちりばめられている「コンガラガリアン狂詩曲」という題名の曲もありますよ。演奏する私も、どのような曲なのか、いまからワクワクしています。きっと楽しい音楽入門コンサートになると思いますよ。是非お出かけ下さい。

仙台フィルハーモニー管弦楽団(6)

2007.07.13| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

仙台フィルコントラバス奏者の市原聡です。早いもので、仙台フィルに入団してから20年となりました。

皆さん、コントラバスの弓の持ち方に、ドイツ式とフランス式の二通りあるのをご存知ですか。私は、日本ではまだ、あまり普及していない、フランス式の持ち方をしています。この持ち方をしているのは、仙台フィルでは私だけです。体の小さい日本人には、楽な姿勢で演奏できるフランス式の持ち方が向いていると、私は思っています。

私は、小・中学校のときに音楽に囲まれて育ちました。教室の机が足踏オルガンだったのです。教壇の近くにはピアノもあり、自由に弾くことができました。レコード鑑賞の曲を選んで、その作曲家について調べ発表する授業もありました。

将来は音楽評論家あるいは音楽学の道に進みたいと高校生のときに思ったのですが、音楽大学を目指してピアノを習っていた先生が、何か楽器が弾けると楽しいよといわれ、いいコントラバスの先生がいるからとりあえず会ってみたらと紹介されました。私は正直に一度だけとおもって会いに行ったら、有無も言わさず次のレッスン日が決められました。そうこうしているうちにコントラバスが好きになりました。

さて、「せんくら」ですが、音楽の好きな人を増やすという面では、いい企画だと思います。しかし、私は全てが45分のコンサートだけでなく、中には、きちんとしたコンサートがあってもいいのではと思います。45分のコンサートだと演奏できる曲が限られますよね。それから、演奏会になれた人には、曲が終わった後、ホールを包む一瞬の静寂、それも音楽の一部だと思って聴いていただきたいとおもいます。

私は、ベートーヴェンやブラームスなど頭文字が「B」の作曲家の音楽が大好きです。今年の「せんくら」の最後の演奏会では、ベートーヴェンの交響曲第九番の第4楽章が演奏されます。始まるとすぐにコントラバスが活躍しますので、ご期待下さい。

 

仙台フィルハーモニー管弦楽団(5)

2007.07.12| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

今日は、ティンパニの竹内将也が担当します。私は舞台の一番後ろにいます。ちょっと客席から遠いのですが、立って演奏していますのでわかりやすいかもしれません。

仙台に移って5年になろうとしています。仙台は町の大きさが生活するのにちょうどいいし、他の地域から移ってきた人に親切で、とても住みやすく仙台が気に入っています。妻も同じく仙台フィルでヴァイオリンを弾いていますが、生まれは静岡です。仙台には私より長く住んでいます。

「せんくら」は、気軽に音楽が聴けてとてもいい企画だと思います。今回、仙台フィルが演奏する曲目では、ベートーヴェンの「第九」で、ティンパニはとても重要な役割を担っています。それから同じくベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」の第3楽章の終わり近くで、独奏ピアノとティンパニとのデュエットの部分があります。この部分は、私は指揮者とではなく、ピアニストと直接アンサンブルすることに心がけています。第3楽章のすべてを貫く基本のリズム(ノリ)があり、それを受け継ぐかたちで最後にティンパニが残って独奏者と音楽を織りなすのです。

実は協奏曲で独奏者とティンパニのデュエットのある曲が、結構あります。作曲家はしばしばティンパニをオーケストラにおけるその象徴的な存在として、独奏と対峙させるようです。また、グリーグのピアノ協奏曲、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、ティンパニの独奏で始まります。是非聴いてみてください。

子どものころ、父がレコードが好きで、家では音楽がよく流れていました。その父の勤めていた会社が楽器を作るようになり、音楽教室を開設しました。そこに兄とともに通わされたのですが、次第に面白くなり音楽が好きになりました。その兄も現在テレビ局で音響の仕事をしています。

中学生になって、部活で吹奏楽部を選びました。トロンボーンあたりをやろうかなと思っていたのですが、先輩がドラムセットを演奏していたのを見て「かっこいい!」と、瞬時に打楽器に心変わりしました。私が入った年に新しくティンパニが来たのですが、ほどなくしてドラムセットよりティンパニを好むようになってしまいました。高校にはオーケストラがありました。オーケストラの打楽器といえば、もうティンパニ中心ですし、音楽大学へ進むときも、ティンパニで受験する制度が出来た第1号生として入学しました。なんだか、自分の人生はティンパニに導かれているような気がしてなりませんし、それほどティンパニが大好きです。

作曲家が自身の新しい響きを求めるとき、打楽器にその可能性を託しているところが非常に大きい気がします。打楽器を効果的に、ノリ良く使わせる作曲家は優れた作曲家といえるでしょう。ですから打楽器奏者にも豊かなイメージと自由な発想、そして何より自然体であることが求められていると思っています。

仙台フィルハーモニー管弦楽団(4)

2007.07.11| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

ファゴットの水野一英です。実は「せんくら」に出るのは今年が初めてです。といっても新人ではありません。仙台フィルの本拠地である青年文化センターが出来た年、つまり1990年に入団しましたので、今年で18年目です。

「せんくら」は、1回の演奏会の長さが45分ですので、小さい人でも集中できるのではと思います。それにチケット料金が、1000円というのもいいですね。

私の父は、中学校の音楽の先生でした。ですから、小さいときから自然に音楽に親しんでいました。新潟県の三条という町で大きくなったのですが、確か、小学校の4年か5年生のとき、新潟までNHK交響楽団の演奏会を聴きに行ったことを覚えています。

音楽をずっとやって生きたいというのが私の第一の目標であって、それを実現させるためのファゴットを選んだというのが、正直なところです。音楽大学を目指して、三条から東京まで月に2回レッスンに通いました。当時はまだ新幹線がありませんでしたので、特急を利用しても片道3時間40分かかりました。それでもくじけることなく、音楽の勉強に励みました。それほど音楽がすきなのです。

さて、今年の「せんくら」ですが、以前よく共演していたピアニストの仲道郁代さんと久しぶりに、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」をいっしょに演奏できるのが楽しみです。この曲の第2楽章の最後に、フルートとクラリネットそれにファゴットが、ピアノの伴奏でメロディを奏でます。是非、聴いてください。そのほか、ベートーヴェンの第九の歓喜のメロディの対旋律をファゴットが吹いています。

仙台フィルハーモニー管弦楽団(3)

2007.07.10| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

今日は、ヴァイオリンの松山古流が担当します。

「せんくら」はクラシック音楽に広く浅く親しめ、いい企画だと思います。
この機会に、クラシック音楽ファンが増えて、仙台フィルの聴衆が多くなればなあと願っています。私は、指揮者やオーケストラの楽員と聴衆の方々とが、触れ合える機会があればなと思っており、自分では積極的に演奏会のあとで、聴衆に語りかえるように心がけています。

私とヴァイオリンの出会いは、小学校1年生のときでした。母がヴァイオリンを弾いていて、子供にも習わせたかったようです。私は、福島県喜多方で育ったのですが、そこの音楽教室でヴァイオリンを教えており、そこに通うようになりました。初めのころの私の興味は、ヴァイオリンよりも教室にたくさんあった漫画本だったのですが、そのうちヴァイオリンにも熱中するようになりました。音楽大学を出て、2年ほど郷里でヴァイオリンの先生をしていましたが、オーケストラで演奏したくて、仙台フィルに入りすでに24年過ぎました。

今回の「せんくら」には、山形交響楽団も参加し、仙台ジュニアオーケストラも含めると7回、オーケストラの演奏会が組まれています。

私は、7日の夕方山響が演奏する、モーツァルトが好きです。モーツァルトは聴いても弾いても心地よい曲をたくさん作曲しています。モーツァルトの曲は、何度聴いてもあるいは何度弾いても飽きることがありません。どこまでも奥の深い曲で、年を重ねることに、感じ方が変わる不思議な曲です。是非皆さんもこの機会に、モーツァルトに親しくなっていただければなと思います。

私はたくさんの趣味を持っていますが、そのひとつにヴァイオリンとヴィオラの蒐集があります。おもに古い時代の楽器を集めています。メンテナンスは大変ですが、実にいい音色を響かせます。楽器と弓を取り替えると、全く違う世界の音がします。ですから、蒐集した楽器のうち、10本くらい常時演奏できるように調整しておき、演奏する曲によって、楽器を取り替えることもあります。

皆さん、ジャズやポピュラー音楽を鑑賞するときに、ノリがいいとか、体に感じるとか、そういう表現をされますよね。クラシック音楽もそうなのです。是非、コンサートホールで生の演奏を体全体で受け止めてください。

皆さんのおいでを、こころよりお待ち申し上げております。

仙台フィルハーモニー管弦楽団(2)

2007.07.09| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

仙台フィルのトランペットの森岡正典です。

「せんくら」の3日間、仙台の町のどこかで、生の音楽が流れているというのはいいですね。聴きたいものがたくさんあって、迷っていらっしゃるのではありませんか。私もオーケストラのほか金管五重奏でも出演します。

仙台は外からの交流が多いですし、いつも何かしら新しさを感じる町です。その町にぴったりの企画ですね。

私と音楽との出会いは中学生になって、吹奏楽部に入ってからです。兄がホルンをやっていましたので私もホルンをと思っていたのですが、トランペットを吹くことになりました。

「せんくら」でのトランペットの聴きどころといったら、シベリウスの「フィンランディア」でしょうかね。

トランペットが活躍するオーケストラ曲はたくさんありますが、私は、マーラーの交響曲第1番や第5番や、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」が好きです。マーラーの曲は最近あまり演奏する機会がありませんが、「英雄の生涯」は、「せんくら」のすぐ後の仙台フィルの定期演奏会で山下一史さんの指揮で演奏しますので、楽しみにしております。この演奏会にも多くの人にお出で頂きたいと思っております。

「せんくら」の話題からはそれますが、私の最も好きなトランペット奏者は、ニューヨークフィルのフィリップ・スミスさんです。その人が加わっているアンサンブルがこの7月に名取にきます。ついでにちょっと宣伝させていただきました。

仙台フィルハーモニー管弦楽団(1)

2007.07.08| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

仙台の皆さん初めまして。この4月より仙台フィルの演奏事業部長を務めています松本伸二と申します。よろしくお願いいたします。

誰もが、人生の転機というものを持っていらっしゃると思います。私にとって昨年の「せんくら」が、それでした。

昨年の今頃は、私はある出版社で舞台芸術の入門書を作っていました。その関係で、ふらりと「せんくら」の取材にきたのです。3日間で101回のコンサートがどのように行なわれるのか、また、仙台市民の方々が音楽を楽しんでいる様子を、この目と耳で確かめたかったのです。地下鉄車内でプログラムを抱えた多くの人を見かけたとき、あるいは地下鉄駅構内に流れる生演奏の音楽を聴いたとき、ふと以前、耳にした「楽都・仙台」という言葉を思い出しました。最後の演奏会の終了後、旧知の仙台フィルの楽員の人たちと旧交を温めました。その席で、来年(つまり2007年)の3月で演奏事業部長が辞めることになっており、後任を探しているという話が出ました。「では、私も候補者の中にいれておいて」と、それとなくいいました。その私が、いまは、「せんくら」の主催者の一員でもある仙台フィルに席を置いているのです。人生の転機は、いつ訪れるかわかりませんね。

さて、個人的なことはこの辺にして、本題の「せんくら」に移りましょう。

チラシをご覧になると、3日間に101回の演奏会がぎっしりと詰まっています。今年は、仲間の山形交響楽団が参加するのも、うれしいことです。みなさん、どれを聴こうか迷われるかもしれません。しかし、ご安心下さい。どのコンサートも気軽に楽しめる内容ばかりです。同じ会場にどっしりと腰をすえて、あるいは、弦楽器だけ、ピアノだけを求めて、会場を移り歩くなど、楽しみ方はいろいろあります。あなたなりの楽しみ方が、きっと見つかるはずです。チラシにも「楽しみ方あれこれ」が載っています。この機会に、いろいろな音楽にふれてみてはいかがでしょう。主催者の一員として、「せんくら」が、クラシック音楽をより身近に楽しむきっかけになればと願っています。

仙台フィルが演奏するプログラムについては、明日から登場する楽員が、鑑賞の参考になるコメントを書きますので、そちらのほうをお楽しみ下さい。

それでは「せんくら」で皆さんにお目にかかりますことを楽しみにしております。今年は、最後の演奏会で、会場の皆さんと一緒に「威風堂々」で共演する楽しい企画もあります。なお、仙台フィルの演奏は、すべてイズミティです。ご注意下さい。

また、仙台フィルでは、「せんくら」のプレ企画として8月1日に仙台市青年文化センター・コンサートホールで「気軽にクラッシック」というタイトルの演奏会を、午前11時からと午後2時からの2回行ないます。様々な国の音楽を集めたプログラムとなっており、演奏を聴きながら世界旅行が出来ます。このプレ企画で、「せんくら」の雰囲気をいち早くお楽しみになられてはいかがですか。詳しくは、仙台フィルのホームページをご覧下さい。(http://www.sendaiphil.jp/

松本伸二(仙台フィル管弦楽団演奏事業部長)

2006年06月17日 

2006.06.17| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

今日は、101回の演奏会の第2回目の「モーツァルトのオーケストラ名曲」についてです。

テレビのワイドショーなどでも紹介されたので、今年は彼の生誕250年記念の年であることはクラシック音楽に興味のある人だけではなく、一般の人々にも少しは知られているでしょう。また、映画「アマデウス」(1985年公開)で彼の天才ぶりをご覧になった方もいらっしゃると思います。

1.歌劇「フィガロの結婚」序曲

歌劇(オペラ)「フィガロの結婚」は、休憩を入れると4時間を超える長い作品ですが、序曲は4分ぐらいで終わってしまいます。序曲と言うのは、歌劇の一番初めにオーケストラだけで演奏されるプロローグのようなもので、これから始まる歌劇の内容を暗示する音楽です。オーケストラの演奏会でも、いきなり重くて長い音楽ですと、お客様が音楽に入りにくい場合があるので、こういった軽い序曲を1曲目に演奏することがよくあります。「序曲」「協奏曲」「交響曲」というプログラムで行なう演奏会のことをギョーカイでは「定食メニュー」と呼んでいます。レストランのフルコースをイメージしているのでしょう。

2.セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」より 第1楽章

この曲は、「モーツァルト名曲ベスト10」の中でも必ず上位に入る曲で、CMでも何度も使われています。この仙台クラシックフェスティバルが「せんくら」と短縮形を使うように、この曲もギョーカイでは、「アイネク」と言われています。ドイツ語を考えると「アイネ・ク」となり、少々おかしいのですが、語呂がよいのかそう呼ばれています。ウェブ・ログを「ブログ」と言うのも変だな〜。

3.ディヴェルティメント K.136より 第2楽章

たまにアンコールで演奏されることがありますのでご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、この演奏会で一番知られていない曲です。つまり「どこかで聴いたことがある」と言う「せんくら」のコンセプトから外れた作品ですが、モーツァルトの無名の作品もとても素晴らしい作品ばかりです。演奏会の楽しみのひとつに、一度も聴 いたことの無い素敵な曲との出会いもありますので、これを機会に「どこかで聴いた」曲になって欲しいと思いましたので・・・。

4.クラリネット協奏曲 第1楽章 (独奏:日比野裕幸)

クラリネットは、現在でもブラスバンドのメロディ楽器として大活躍ですが、モーツァルトの時代に発達して素晴らしい音色とメカニックを持つことが出来るようになった楽器です。彼はこの楽器をとても気に入り、一度書いた楽譜に後からクラリネットを書き足したそうです。独奏は、当団楽員の日比野裕幸です。

5.交響曲第40番より 第1楽章

交響曲41曲中、短調で書かれた曲は第25番と第40番の2曲しかありません。どちらも映画「アマデウス」で使われています。昔、小学校で長調は明るくて楽しい、短調は暗くて悲しいと教わりましたが、いろいろな曲を聴いていますと、一概にそうとは言えません。たとえば、「せんくら」第1回目演奏会のドヴォルザーク「新世界より」第2楽章の「家路」のメロディは長調ですが、明るくて楽しい音楽でしょうか?この第40番は「悲しみのシンフォニー」と呼ばれたりしますが、最初のメロディ「ため息」(タララン、タララン)はどちらかと言うと「癒し系」と感じるのは私だけ?

6.交響曲第41番「ジュピター」より 第4楽章

彼の最後の交響曲「ジュピター」は、ギリシャ神話の最高神「ゼウス」のことだそうです。(ローマ神話の「ユピテル」と同じ神)。ザロモンという人が、この曲の出来の素晴らしさをイメージして付けた表題です。最近ポップスでヒットしたJupiterやホルスト作曲:組曲「惑星」の木星と原意は同じですが、曲自体は全く関係ありません。この楽章の「ドーレーファーミー」というメロディは、第1番、第33番、ミサ曲などにも使われています。最初と最後の交響曲に同じメロディがあり、モーツァルトがこの曲を書き上げた3年後に亡くなるのはミステリー作家の喜びそうな題材ですね。

仙台フィルハーモニー管弦楽団演奏事業部長 野崎明宏(のざき・あきひろ)
http://www.sendaiphil.jp/

2006年06月16日 

2006.06.16| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

□101回の最初の演奏会(後半)

4.マーラー:「交響曲第5番」より アダージェット

トーマス・マン原作・ヴィスコンティ監督の名作映画「ベニスに死す」(1971年公開)で一躍有名になった曲と聞いていますが、恥ずかしながら、私はこの映画を見ていません。ですから、少し観点を変えて(逃げて?)書くことにします。オーケストラがこのように交響曲のひとつの楽章だけを抜き出して行うことは、余りありません。例外的には、子供たち向けの音楽鑑賞教室で演奏するベートーヴェン:交響曲第5番「運命」第1楽章でしょうか。意外に思われるかもしれませんが、この次の「新世界より」第2楽章だけを演奏することはめったにありません。(これを機会に映画を見ます)

5.ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」第2楽章

この曲は、最初のメロディが「家路」と言うタイトルで有名なので誰でもご存知でしょう、「学校の下校音楽」「夕方の時刻を知らせる音楽」にも多く使われています。私はこの曲を聴くと「ほぼ暮れかかった秋の夕暮れ」が頭に浮かびますが、みなさんはいかがですか?作曲家ドヴォルザークは、晩年アメリカに渡って音楽院の校長先生になったのですが、母国ボヘミヤへのホームシックはかなりひどかったようです。メロディは黒人霊歌にインスピレーションを得たと言われていますが、「家路」につく事が出来なかった彼の切ない想いがこのメロディに詰まっていると思います。

6.チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」より 花のワルツ

CM音楽でクラシック音楽が一躍脚光を浴びたのは、某人材派遣会社のチャイコフスキー作曲「弦楽セレナーデ」でしょうか。それまでにも多くのクラシック音楽がCMに使われていましたが、このCMほど強烈なインパクトはありませんでした。不思議なもので、何度か見ているとチャイコフスキーがこのCMに音楽をつけたのではと思えるほどです。(そんなことはありません!)演奏会でこの曲を行うと、最初の部分で客席から必ず「失笑」が聞かれるほど有名になったことにチャイコフスキーは喜んでいることでしょう。

「花のワルツ」のほうは、最近はどうも「焼肉のたれ」CMに使われているようです。以前にも他のメーカーでも「第九」とか「カルメン」とかが使われていた記憶があります。クラシック音楽の「高級感」が「焼肉のたれ」に好まれているのでしょうか?

【オマケ】アンコールもご用意しております。曲目はCMでも何度も使われましたが、(少し古いのですが)私が一番印象に残っているのは「さけるチーズ」でした。どの曲かお分かりでしょうか?

仙台フィルハーモニー管弦楽団演奏事業部長 野崎明宏(のざき・あきひろ)
http://www.sendaiphil.jp/

2006年06月15日

2006.06.15| 仙台フィルハーモニー管弦楽団

□101回の最初の演奏会(前半)

この第1回目の「どこかで聴いたオーケストラ名曲」は、このコピーのとおり「せんくら」のコンセプトを代表する内容です。パンフレットには4曲の題名が書かれていて「他」となっておりますが、この「他」を世界初公開して「どこで聴いたのか?」思い出してみましょう!とは言え、私の場合は毎日オーケストラの曲を聴いていますので、私自身は「どこで聴いたか?」といわれると困ってしまいます。おそらく、みなさんは「映画」「CM」「ドラマ劇中音楽」「学校の授業」などでしょうか。

1.ビゼー:歌劇「カルメン」組曲より トレアドール
少し前のTV番組中「何を作ってるんでしょうか?」と言う画像がだんだんハッキリしてくる時の音楽に使われていました。これが私の「どこかで聴いた〜」です。番組の名前は何だったでしょうか?他にも、テンポの良さとおそらく最初の1フレーズの長さがちょうど良いせいか、バラエティやCMでも多く使われていると思うのですが、いざ商品や番組を考えるとどれだったのか思い出せません。

2.バッハ:G線上のアリア

この曲の原題は「管弦組曲第3番ニ長調BWV.1068第2曲アリア」ですが、バッハが亡くなって随分経ってからヴァイオリンの一番太い弦(G線)だけで演奏するようになって有名になったようです。インターネットで検索したところ、CD65枚を収集したサイトがありました。こんなにCDが出ているとなると「どこかで聴いた」どころの騒ぎではありません。もちろんほとんどが編曲されたもので、歌あり、楽器あり、オルゴールあり、何と水音と言うCDもあるようです。それだけ、みなさんがこの曲に共感していると言うことですね。最近では、吉永小百合さんの登場する某電機メーカーのテレビのCMで耳にします。

3.メンデルスゾーン:付随音楽「真夏の夜の夢」より 結婚行進曲

人生最大のイヴェント(?)の時に必ず耳にする曲です。私は以前にトランペット吹いていたのでこの曲は何度も演奏しました。縁もゆかりもない人の結婚式で吹いた事も何度かあります。もう1曲の有名な「結婚行進曲」(ワーグナー作曲)は、荘厳でゆったりしているので、結婚式場では、場面に応じて2曲を使い分けているようです。

最近、結婚披露宴をホテルや式場ではなく、パーティ形式でレストランなど色々な場所で行うことが増えてきていますので、この曲を余り聴かなくなりました。そのうちに「昔聴いた〜」となってしまうかも。

続きはまた明日…。

仙台フィルハーモニー管弦楽団演奏事業部長 野崎明宏(のざき・あきひろ)
http://www.sendaiphil.jp/

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