こんにちは、ピアノの吉田彩です。
今回は私が大切に温めている企画『フォトピアノ』を、大好きなせんくらで公演できますこと、うれしく、光栄に思います。
『フォトピアノ』は、フランス在住の写真家である兄、吉田タイスケが撮った写真を大きなスクリーンに映し出し、お客様に観ていただきながら私のピアノを聴いていただくというスタイルのコンサートです。
初めての公演は2013年でした。
その時のチラシと公演風景です。
実際に公演してみて、面白いことに気が付きました。
音楽を聴きながら写真を観ていると、自分の中から『何か』が生まれ出るのです。
それは過ぎた思い出かもしれないし、誰かに伝えたかった言葉かもしれない、明日への望みかもしれない。
今ここ、ではない『何か』…兄と私はそれを『物語』と呼んでいます。
その『物語』は人によって違うでしょうし、その時によっても違うでしょう。
写真と音楽の間にある『物語』は、私にとって心地よいものです。少しの時間、心が旅に出るような、そんな感覚をせんくらの『フォトピアノ』でお客様にも感じていただけたらと思っています。
兄の写真家・吉田タイスケがフランスに渡って21年。
しばらくパリに住んでいましたが、2018年よりノルマンディー地方のVERNON(ヴェルノン)という美しい街で季節の移ろいを味わいながらの暮らしを楽しんでいるようです。
『フォトピアノ』に映し出すのはフランスの美しい自然の写真や、何気ない日常の暮らしの一コマです。歌が聴こえてくるようなパリの街並みも見られます。兄は「目に見えないものを撮りたい」と言っていました。
私は写真からイメージを膨らませるお手伝いができるよう、その土地の香りを感じるようなフランス近代音楽や耳覚えのあるシャンソンをピアノの音色で重ねます。
コロナ禍でなかなか旅に出かけられない今日この頃。写真と音楽に乗せて、その日その時だけの『物語』にご案内します。ぜひ、いらしてください。