出演アーティスト 松坂優希さんからのメッセージ

2021.09.08| 松坂優希

こんにちは。松坂優希です。この度は2年越しのせんくら開催が叶い、とても嬉しく楽しみに思っています。再び感染者が増えてきて心配ですが、なんとかこの苦境を乗り切り、10月には状況が良くなっていることを心より祈っています。

 

今回は「こどものおんがくカレンダー」というプログラムを企画させていただきました。1月から12月までの1年間の季節の移り変わりや行事の数々を、カレンダーをめくるように、子供たちの目線で辿っていこう!というコンセプトになっていて、小さなお子さまから大人の方までが幅広く楽しんでいただけるように、童謡とクラシックとをリンクさせた内容となっています。例えば「童謡:雨ふりくまのこ」から「ショパン:雨だれ」、「童謡:つき」から「ドビュッシー:月の光」といった風に、耳馴染みのある童謡を導入として、自然にクラシックの世界観に入っていけるような構成を考えました。また、トイピアノを使った演出や、可愛いイラストのスライド上映なども予定しており、小さなお子様にも飽きずに楽しんでいただけるよう工夫を凝らしています。

 

上映予定のイラストの一部をちょっぴりご紹介!同級生でもある木暮千賀子さんに、今回のために特別に描いていただいた季節のイラストは、どれも温かくて可愛くて、ほっこり笑顔になれる作品ばかりです。

 

 

 

 

ちなみに私は今、6才の男の子と1歳の女の子を育てています。子供が産まれてからというもの、今まで素通りしてしまっていた小さな季節の変化にはっと気づかされることが多くなりました。幼稚園からの見慣れた帰り道も、春はたんぽぽの綿毛を飛ばしながら歩き、雨の日には傘に跳ねる雨音にスキップし、夏には朝夕の蝉の鳴き声の違いに耳を澄ませ、秋には赤や黄色の葉っぱやどんぐりを拾い集め……と、毎日が小さな冒険の連続です。雨音も蝉の声も葉っぱのこすれる音も、子供たちにとっては極上の音楽。そう言えば、自分が子供の頃に見えていたのもこんなキラキラした景色だったなぁと、ぼんやりと蘇る懐かしい感覚の中、傍らで無邪気に笑う子供の姿に胸の奥がきゅっとなります。

そんな日々の中で、誰かに認められるためでも、仕事としての義務感でもなくて、ただシンプルにピアノが弾きたい、この気持ちを表現したいと思えるようになったのは、私にとって大きな変化でした。

 

このコンサートを通じて皆様に、音楽の存在が特別で難しいものではなく、そこら中に沢山散らばっている、誰しもに手が届くものなんだと感じてもらえたら嬉しいです。

それでは、会場でお会いしましょう!

 

松坂優希

出演アーティスト 松坂優希さんからのメッセージ

2020.09.25| 松坂優希

 

皆様こんにちは。ピアノの松坂優希です。
この度は、クラシックエール仙台に参加させていただけることになり、とても嬉しく思っております。

 

私は10月4日(日)午前の公演、「はじめまして!ベートーヴェン」に出演いたします。一度は耳にしたことがあるであろう「エリーゼのために」や「メヌエット」、「スプリングソナタ」や「悲愴」の2楽章をはじめ、ベートーヴェンが12歳の時に初めて作曲した変奏曲や、ルービンシュタイン編曲の華やかな「トルコ行進曲」、可愛らしい「ソナチネ」や「エコセーズ」などなど、美しくフレッシュな作品が盛りだくさんのプログラムです。

 

実を言うと、私は学生時代、ベートーヴェンがあまり得意ではありませんでした。バッハやモーツァルトの清廉潔白な美しさと比べると、ベートーヴェンの感情むき出しの作風はどうにも重苦しく感じてしまい、(今思うと食わず嫌いに他ならないのですが)どこか苦手意識がありました。当時は試験やコンクールの課題で出る度に毎回涙目で練習したものでしたが、留学先で師事したアキレス・デッレヴィーネ教授がクラウディオ・アラウの直弟子でベートーヴェンのスペシャリストであったことをきっかけに、また年齢を重ねいくつかの挫折を経験したことで、怒りや苦悩といった負の感情があるからこそ、その中に差し込む一筋の希望の美しさが際立つのだと徐々に開眼し、今では大好きな作曲家のひとりとなりました。

 

今回は、そんな人間味溢れるベートーヴェンの青年期の作品も取り上げ、“荒々しく重厚な”だけではない、彼の根っこに息づく本質的な朗らかさも垣間見られる構成となっていますので、是非そのあたりにもご注目いただけたらと思います。

 

“はじめて”がテーマの今回の公演。
私事ですが、私は今、5歳と0歳の子供を育てています。子供たちの目線で日々を過ごしていると、毎日の何気ない瞬間が、たくさんの“はじめて”の連続であることに気づかされます。
「今日、自分でブランコ漕げたよ」
「知ってた?かぶとむしって角を持つと怖くないんだよ」
幼稚園にお迎えに行くと、恥ずかしそうにそっと教えてくれる長男。
娘は娘で、はじめてのすりおろし人参を神妙な顔つきで口にし、はじめて頬をかすめた秋風に目を細め、ちいさな世界のちいさなはじめてを積み重ねています。
子供たちにとってのはじめてのベートーヴェンが、願わくばぴかぴかの種となって、将来心を明るく照らす小さな記憶のひとつとなりますように。

 

会場でお会いできるのを楽しみにしています!

 

松坂優希

 

公演番号:10
はじめまして!ベートーヴェン
公演日:10月4日(日)10:45~11:30
会場:日立システムズホール仙台|パフォーマンス広場

 

カテゴリー