こんにちは!作曲の吉川和夫です。
「せんくら・うた劇場」は、毎年大変ご好評をいただいて、嬉しいことに今年もまた開催できることになりました!本当にありがとうございます。
「せんくら・うた劇場」は、音楽と物語をお聴きいただく45分間です。
小さなお子さんに物語の「読み聞かせ」ということをしますよね。「せんくら・うた劇場」は、お子さんだけでなく大人にも向けて、音楽と物語を「歌い聴かせる作品」と考えていただけるとわかりやすいかなと思います。ひとりの歌い手がヒーローやヒロインを歌い演じ、合唱が群衆となってドラマを盛り立てるオペラなどとは違って、「せんくら・うた劇場」では、歌い手が登場人物の役を担うとともに、劇の背景や心情を歌い、語ります。演技や、舞台装置や照明、衣装といった要素は省かれて、あくまでも音楽とことばの力で、物語をお客さまに伝えていきます。
ラジオドラマをお聴きになったこと、ありますか。
「いや、聴くつもりはなかったんだけど、ラジオをつけたらたまたまラジオドラマをやっていてね、つい引き込まれて聴いちゃったよ…」という方、結構いらっしゃいますよね。映画やテレビドラマと違って、何も見えない。目の前には何もないのです。でも見える!何もないのに聴いていると見えてくる!ラジオドラマや朗読CDなどの魅力は、まさに「ないのに見える」楽しさです。「せんくら・うた劇場」は、ライブで演奏される音楽ドラマ。きっとお客様の目の前に、冬の森を覆うキラキラ光る雪と、まぶしそうに見上げている可愛らしい子狐が現れることでしょう!
合唱劇「手ぶくろを買いに」は、うつのみやレディーシンガーズ晶の委嘱作品として2017年に作曲。栃木市で初演されました。今回は、少し編集した「せんくら・うた劇場」版。出演は中村優子さん(ソプラノ)、髙山圭子さん(アルト)、原田博之さん(テノール)、そしてバリトンは草刈伸明さん、ピアノは、いつも鉄壁なサポートで私たちを支えてくれる倉戸テルさんです。
さらに今年も、アトリエ・コパンの美術作品とコラボします。
アトリエ・コパンは、新妻健悦さん、新妻悦子さんご夫妻が主宰していらっしゃる民間の造形教育研究所。たくさんの子どもたちが、新妻先生から出されるテーマに添って、上手とか下手というモノサシとは関係のない、抽象的で自由な発想の溢れた美術作品を創っています。新妻先生が、膨大な記録画像から内容に合いそうなものを選んでくださり、スライドで投影します。ご来場の皆様には、お話、音楽とともに、アトリエ・コパンの美術作品を楽しんでいただけたらと思います。

2018年の「せんくら・うた劇場」
せんくら・うた劇場(吉川 和夫)