原点

2018.09.27| 水野一英

ファゴットの水野です。

 

西沢さんも書かれたかと思いますが、公演番号82の管楽器部隊の仕込みを、東京芸大で行いました。

 

 

僕は1983年4月から1987年3月まで通ってました。

卒業してから30年以上経つわけです…

 

受験直前に新幹線(新潟県三条市出身なので上越新幹線)が出来たけれども、まだ大宮まで、大宮~上野は「新幹線リレー号」、そんな時代でした。

なので「新幹線地下ホーム~芸大」という感覚は薄く、今回、とてつもなく遠く感じました。

上野公園は今のようにキレイではなく、奏楽堂は廃墟、お化け屋敷のようにまだ芸大の中にありました(立ち入り禁止)。

先生方も当然変わってます(僕の師は2017年3月に退官)し、部屋も様変わりしてますが、そんな中、ファゴット部屋を覗いたらこれが変わってなかったのです。

 

 

金庫です。

ファゴット部屋の主!

楽器を保管するためのモノですが、僕が入学した時にありました。

凄い!

入学して早々に言われたのは

「1年生は早く来て鍵開けるんだよ」

と。

 

でもなかなか開けられず、金庫の前に立ち尽くし、困っていると、先輩がいらっしゃって

「やっぱりだめかあ。そうだと思ったんだけどね。」

笑われ、開けて頂く1年生の4月…

懐かしいです

 

「これ、どうしたんですか?」

と先輩に訊いたら

「なんかね、違う棟で廃棄処分になったのを持ってきたらしいんだよ、よく分からないんだけど」

 

…いったい、いつからあったんでしょうか?

今でも1年生は鍵開けに苦戦するそうです。

そこも変わってません。

あ、さすがに番号覚えてませんよ、僕。

 

今回、演奏する2曲はどちらも芸大に通ってた時に音を出したものです。

その頃とは考え方、アプローチ共に違いますが、室内楽に対する僕の原点は芸大にある気がします。

ファゴット金庫に会えて良かったです。

 

書いていて思い出しました、僕は4年間、朝は上野駅を使わず「博物館動物園」駅を使ってました。

その頃でも夕方18時で営業終了、という珍しい駅でしたが、芸大まで徒歩2分、重宝してました。

 

 

だいぶ前に廃止。

建物はいつまであるのでしょうか…

 

水野 一英(ファゴット)

カテゴリー