今年は仙台にお伺いして、ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲とピアノ協奏曲第2番の、1度の演奏会でピアノと管弦楽のための作品を2曲演奏させて頂きますが、11月には東京渋谷のBunkamuraオーチャードホールで、ロシアゆかりの作曲家たちによる4曲のピアノ協奏曲を1度の演奏会で演奏する、「華麗なるロシア4大ピアノ協奏曲の響宴」という演奏会を行ないます。「ロシア」をテーマに、個性の異なる多彩なピアノ協奏曲の世界をたっぷりと堪能していただきたいと思います。
前半に演奏しますチャイコフスキーの第1番とラフマニノフの第2番の協奏曲は、言わずと知れた最も人気のある作品で説明は不要でしょう。
後半のプロコフィエフの協奏曲第3番は、卓越したピアニストでもありかつて日本にも滞在したことがあるプロコフィエフの研ぎ澄まされた感性、リズム感、色彩豊かなオーケストラの響きが楽しめるロマンティシズムとモダニズムが絶妙に融合した傑作です。
そしてラストは第2番の協奏曲によって大成功をおさめたラフマニノフがさらに自身の作曲家、そしてピアニストとしての技量の全てを注ぎ込み、初めてのアメリカ演奏旅行のために満を持して書き上げた第3番の協奏曲。全ての作曲家のピアノ協奏曲の中で最も豪華で壮大、演奏至難でロマンティックの頂点とも言える作品です。
1回の演奏会で通常協奏曲は1曲ですが、今回の仙台と東京の演奏会では「協奏曲づくし」、しかもそのどれもがロシアの作曲家による豪華絢爛な作品。
お客さまにとっても、また僕にとってもまたとない貴重な機会です。
11月の演奏会のチラシ
2018年6月19日から23日の間に、ショパンの祖国ポーランド国内で4回、演奏会を行いました。
最初の演奏会は19日にワルシャワの日本大使公邸で演奏し、つづいて21日のトルン、22日のヴウォツワヴェク 、そして23日にビドゴシュチという街で演奏会を行いました。
ビドゴシュチの街は、かつて僕もショパンコンクールの際に訪れた街なのですが、当時に比べれば道路も、街も、行き交う車も(!)とても整備されていました。
来年2019年は日本とポーランドの国交樹立100年に当たる年で、ポーランドと日本の両国でそれにちなんだ「芸術祭」が行われる予定です。ポーランドという国とその発展にとって、初代首相で偉大な作曲家でもあったパデレフスキの存在をなくして語ることは出来ないと思いますが、ポーランドと日本の両国に「パデレフスキ協会」があり、僕が今「日本パデレフスキ協会」の会長を務めさせていただいていることから、ポーランドのパデレフスキ協会の招きにより、今回このような機会に演奏させていただく運びとなりました。
また、ワルシャワのヤマハさんの協力で各会場にピアノをご準備いただけたので、とても気持ちよく演奏させていただきました。
関係の皆様に御礼申しあげるとともに、この出会いやご縁を来年日本で開催される「ポーランド芸術祭」につなげられればと思っています。
ポーランド/ビドゴシュチの演奏会にて
2018年6月17日(日)、ドイツのライプツィヒにありますゲヴァントハウスのメンデルゾーンホールで、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団と共に演奏会を行いました。
昨年ゲヴァントハウス弦楽四重奏団の来日公演で共演したご縁で、今回は僕がドイツで演奏をご一緒させていただく運びとなりました。
今回のプログラムは、シューマン:ピアノ四重奏曲、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団のために、ジェームス・マクミランが作曲した委嘱作品の弦楽四重奏曲、シュポア:ピアノ五重奏曲。全てゲヴァントハウスで初演された作品ばかりを集めたプログラムでした。
シュポアの作品は、カルテットにとっても馴染みのない作品らしく、カルテット自身が事前にリハーサルをしていても訳がわからず、ピアノ・パートが入ってようやく合点がいった場所もあったようで、第1ヴァイオリンのエルベンさんはじめみなさん、喜んでくださっていたようでした。
シュポアの作品は技術的にはかなり難しいものの、大変美しく、ロマンティックでお聴きいただいた皆さんには心地よく楽しんでいただけた様子です。(演奏を聴かれた方の感想)が、僕は作曲者の楽譜と向き合っているので、正直なところ「なんでこんなに難しく書くんだろう」と思うところもしばしばあったのではありますが、、、
ヴァイオリンのエルベンさんは、自分たちのこのゲヴァントハウスでの定期シリーズの公演は、会場もメンデルスゾーンホールというよいサイズのホールでお客様も素晴らしい…と誇らしげにお話されておられましたが、J.S.バッハゆかりの、音楽が色濃く息づく街で、その伝統を受け継ぐ音楽家たち、そしてかの地の聴衆の皆様とともに演奏会の時間をご一緒できたことは、僕にとっても素晴らしいことでした。
ゲヴァントハウス弦楽四重奏団とのリハーサル風景