せんくらブログをご覧の皆さまこんにちは!
今日から3日間担当させていただきます、チェロの原田哲男です。

今年で12回目のせんくらにはこれまで多く出演させていただいていますが、思い返せばフェスティバル期間中は毎回素晴らしい秋晴れに恵まれていたような気がします。
今年も仙台の変わらぬ清々しい空気に迎えられ、その空気の中で皆様と共に音楽を共有できることを今からとても楽しみにしています。
さて、今年は3つの公演で演奏させていただきます。グリーク(公演番号25番)、ドヴォルザーク(公演番号19番)はいずれも「国民楽派」と呼ばれる作曲家たちで、どちらもドイツ、オーストリアの音楽を学びながらも祖国の歴史、言葉、自然、民謡を大切にして自分の国の特色ある音楽を作り上げた、いわば祖国の心の柱のような存在と言えるかと思います。
訪れたことのないその国、その地方らしさと言ったものに思いを巡らせながら音を造り上げていく作業は大変充実した時間です。
ストゥチェフスキー(公演番号59)という作曲家の名前は初めて知りました。ウクライナ生まれ、ドイツやスイス、オーストリアでチェロ奏者として活躍したそうですが、ユダヤの血を引くことから二度の戦争の影響を多く受けます。悲哀に満ちたメロディ、一転して素朴で明るい踊りの音楽は両極端で多少大げさな感じもしますが、初めて知る作曲家の気持ちの中に入り込んでどのような音楽が生まれてくるか、彼はチェロのために多くの曲を残しているようなのでいずれはそれらの曲にも挑戦してみたいと思います。

今年も様々な作曲家、そしてせんくらならではの素晴らしい演奏家に囲まれて過ごす3日間が楽しみです。せんくら2017へ是非お出かけください。
原田哲男