コンチェルトはまさしく「大冒険」ですが、ソロリサイタルの時とも全く違う感覚になります。
舞台袖でコンサートマスターのチューニングのAの音が聴こえると、毎回必ず「ぶるっ」となるのですが、舞台に立つとソロリサイタルの時のような孤独ではなく、素晴らしい仲間との共演の喜びの方が勝ります。
いざ始まるとその緊張も吹っ飛び、そしてまた
ピアノ協奏曲は名曲の宝庫なので、オーケストラが音楽を奏で始めると感動さえしてしまいます。
今年のせんくらでは協奏曲は演奏しませんが、一昨年、仙台フィルとシューマンのピアノ協奏曲を演奏させていただき、今年もまた9月に巨匠小泉和裕氏との共演でブラームスのピアノ協奏曲の2番を演奏させていただくことになっており、大変名誉で光栄なことと思い、大変楽しみにしています。
コンチェルトといえば、実はチャイコフスキーのライブCDも今年発売になります!
こんな感じでピアノの事ばかり書きましたブログでしたが、
不慣れなもので、どうかお許しください。
皆様と会場でお会いできることを楽しみに、日々練習を続けます!
ぜひご来場下さい!
ソロリサイタルの時と違い室内楽を演奏する時、特にデュオの場合、それは全く感覚が変わります。
「大冒険」=特別編とでも言いましょうか。
室内楽の時は、デュオ、トリオ、四重奏、五重奏、とアンサンブルが増えて人が増えていけばいくほど、ピアノが包み込んでいけるような包容力のあるような音楽を理想としたいと思っています。
それぞれの楽器が生きるように、そしてピアノは全てを包み込み、まるでオーケストラを奏でるように、そんな形が私の究極の理想です。
妻の鈴木理恵子とは長年デュオを組んでいますが、ソロリサイタルの時同様、いつも緻密にしつこく、時間をかけて作り上げていきます。
ただ本番になると、ソロの時よりも相手がいることによって、自我に対する意識から客観的に音楽をする、という意識が更に強くなるようで、勝手に自分の中のチャンネルが切り替わるような気がしています。
実はそれをいつもソロの時にも取り入れたいと、願っている次第であります。
写真は今年7月末のレコーディング風景。モーツアルトのヴァイオリンソナタ第2集が9月に発売になりますので、ぜひ聴いて下さい!
この度、6年振りに「せんくら」に出演させていただきます、若林顕です。
この素晴らしいフェスティヴァルに再び出演させていただくことができ、大変嬉しく光栄に思っています。
今日はブログ初日という事で、何を書こうかと考えましたが、自分はピアノ馬鹿なので、「ピアノ」のことを書こうと思います。
「大冒険」というと、皆様は「なんだろう?」と思われることと思いますが、「大冒険」とは、私の演奏活動全般のこと。リサイタル、コンチェルト、室内楽、全てコンサートの時は、いつもまるで大冒険に出かけていくような気持ちで舞台に上がりますので、コンサートは全て、私にとってはすなわち「大冒険」なのです。
その1~リサイタル
今年1月に、サントリーホール大ホールで再びリサイタルをしましたが、リサイタルで舞台に出ていく直前は、いつもとにかく「孤独」です。舞台裏は、オーケストラとの共演とは対照的に「シーン」として静寂そのもの。背筋が「ぶるっ」と寒気さえ走ります。
そんな極限緊張状態の中でいかに自分の意識を保ち、いかにベストを尽くせるか、が勝負です。そのために朝から晩まで研究し準備をしますが、舞台に出ていく瞬間は、まさに「大冒険」への船出の瞬間なのです。舞台に上がってからは、様々な瞬間が訪れます。一瞬の恐怖を始め、どんな障害物が来ようとも、日々の努力によって乗り越えていくしかありません・・。
「リサイタル」で私が一番理想とすることは、ピアノを一人で演奏しているのではなく、まるでピアノではない楽器、または何人かの人が演奏しているように聴こえるような音楽を奏でることですが、楽譜を隅から隅までくまなく、絶えず読み込み、探究する、それのみが大冒険を乗り越えられる唯一の武器、そして自分の理想に少しでも近づくことができる唯一の道。
それを信じて地味な努力、細かいことの積み重ねを続けるのみの毎日です。
この度、せんくら ではベートーヴェンとショパンを担当させていただきます。
ベートーヴェンのピアノソナタ第22番と第23番「熱情」。そしてガラコンサートではショパンの即興曲1番と4番「幻想即興曲」を、演奏させていただきます。全力投球あるのみ。
ぜひ皆様にご来場いただけましたら嬉しいです。
そして今日も、準備のために悩みながら練習を続けています・・。