まわりの人たちに「最近、ヨーデルのグループに参加しています」というと「長谷川さんは、歌もやってるんですか?」と驚かれます!
それほど、ヨーデルにバイオリンが入っているイメージは薄い…いや、もしかしたら僕は『世界で唯一のヨーデルバイオリニスト』かもしれません(笑)
さて、そのような状況ですから…オーケストラみたいに最初から『バイオリンのパート譜があって、指揮者の意向に沿って演奏』することは出来ません。
基本、ヨーデルの楽譜は単旋律とコードのみの手書きのものに、ヨーデルメンバーとアイディアを出し合って音符を書き込んでいきます。
もはや僕にしか理解できない『暗号?』みたいな楽譜なので、他のバイオリン奏者には解読できないものになっています(笑)
さて、ヨーデルチロリアンに僕が正式入団してから約5年になります。入りたての頃に比べ、いろいろな部分で進歩してきました。アドリブも利くようになってますます面白くなりましたし、ヨーデル音楽を通じて日本全国に仲間も増えました。
『せんくら』での公演、是非お楽しみに!!
スイスでは毎年各地域で小さなヨーデルフェスティバルが行われています。
そして3年に一度のスイス連邦ヨーデルフェストは、スイス全国から集まった演奏者だけで1万人、聴きに来る人はなんと30万人とも言われる大きなお祭りです。
そこでは、ヨーデルはもちろん、アルプホルン、旗振り等数々の部門があり、演奏を競います。
私が初めて参加したのは2011年の夏、場所はインターラーケン。その年は東日本大震災があった年で、悩み迷いましたが参加することを決意しました。
私どもの参加にはスイスのマスコミも興味を持ったようで、ヨーロッパでは有名な「スイスファミリエ」という雑誌の取材クルーがわざわざ仙台までやって来て取材をして行きました。
連邦ヨーデルフェストでは私たちの友人ノルディ・フォン・デシュバンデンが、パートナーとしてアコーディオンを弾いてくれました。
彼はスイス中央部、ザルネンという町の高校の教師をしています。津波というスイスでは絶対体験できないであろう悲惨な経験をした仙台に住む私たちに、彼の高校で講義をして欲しいと言われました。
スイスの高校生にとっては聞きづらいであろう私たちのしゃべりでしたが、彼らは私たちの話を信じられないというような表情で一生懸命、必死で聞いてくれました。
そんなことから始まった2011年ヨーデルフェストでしたが、いざ会場のあるインターラーケンに行くと、そのお祭りの盛大さに驚きの連続でした
参加者はフェスティバル期間中、皆それぞれの地域の衣装を着ています。
それを見るだけでも面白い
大人だけでなく、子どもたちも
本当に様々です。
佐藤憲男さんは、なんとスイス国営放送の取材も受けました。
会場になった町中は期間中、ホール、教会はもちろん、
ありとあらゆる場所がすべて演奏会場になります。本番の会場は超満員、熱気がムンムン!!!
会場以外でも、道であろうと、レストランであろうと、人が集まっても集まらなくても、上手くても上手くなくても、夜も朝も、ところかまわず演奏をしたり踊ったりしています。
インターラーケンでは夜明けの4時まで、そしてもう朝の5時からはどこかで演奏が始まっていました。
さすがパワーが違います。
2014年、私の参加2回目のダヴォス大会には、ヨーデルチロリアンが指導をしている講座の生徒さんたちが自由参加の部で出演を果たしました!
ヨーデルというのは“焼肉食べ放だ~い♪”のようなイメージがあるかもしれませんが、とんでもありません。
クラシックの合唱と同じように大変美しい曲がたくさんあります。
スイスの教会ではヨーデルミサというのもあり、その歌声には本当に感動します。
一度皆さんも訪れてはいかがでしょうか?
そして、スイスまではなあ~という方もそうでない方も、どうぞ10月のせんくらにいらしてください!
ヨーデルチロリアン佐藤憲男です。
今年もみなさまにアルプス音楽をご紹介できますこと、とても嬉しく思います。
去年は3日分のブログ、私が代表して書きましたが、今年はメンバーの素顔に触れていただきたく、3人が1本ずつを担当します。
で、最初は私から。手帳のメモから近々の出来事を引っ張り出してみましょうか。
6月25日(土)
今をときめくピアノとヴァイオリンのデュオ「スギテツ」さんとのジョイントコンサート。
今年1、2月オンエアのNHKEテレ「おんがくブラボー」で共演させていただいたのがきっかけです。
スギテツさんの遊び心溢れる音楽にヨーデルやアルプホルンを加えてもらったのですが、特に喜んでいただいたのがターラーベッケン。これはスイスのアッペンツェル地方に伝わる民族楽器で、山芋を擦る「すり鉢」のような磁器の中で5フラン硬貨を回転させて音を出します。
アルプス地方に行きますと、牛やヤギ、ヒツジたちの首には金属のベルが吊り下げられ、そのカランコロンという音が風景に独特の彩りを添えています。牧童たちはこの鳴り響くカウベルの音をバックに草原でヨーデルを歌っていたのですが、やがて、建物の中で聴衆のために歌うようになると、牛を何頭も建物の中に連れて来ることはできず、もともと食器だったこの楽器を使うようになったとのこと。
私は典型的な伝統楽器だと思っておったんですが、(何故か突然まんが日本昔話風に)スギテツさん曰く、「これはシュールだ」と。奇抜と言えばそうかもしれませんが、超現実的と訳すと、アルプス音楽は実にシュールな音楽なのかもしれません。
よおし、スギテツさんのコンサートにターラー引っ下げてまた“殴り込み”かな。
ところで「おんがくブラボー」は今年秋にも再放送されるそうです。
この頃のテレビ画面は大きいし、4K画面とかで映像も鮮やか。しかもバックは白ときたもんだから、歯の色が実に目立つ。また流れるのかと思うと超恥ずかしくて。
「〇〇人は歯が命」なんて宣伝あったけど、あの歯磨き粉、効くのかなあ。髪の毛は帽子被れば済むけどさ。
6月28日(火)
日本テレビからバラエティ番組でアルプホルンを吹く私の写真を使いたいと神戸・六甲山牧場を通じて連絡がありました。何でも牧場のホームページで使用していた私の写真を担当者が気に入ってくれたとのこと。こちらがその写真。
で、肝心のその中身ですが、クイズ番組で、「ホラを吹くのホラはホルンのこと」という質問の際にバック風景にこの写真が使われるのだそう。答えはもちろん×で、正解はほら貝の方なのかな?収録の際直接行って吹きたかったんだけど、テレビに出られるのは写真だけで、本人の収録は×。
司会進行は有吉弘行さんで、私は彼のファンだから彼にいじって欲しかったなあ。でも収録はもう終わっちゃったしなあ。
写真、何秒ぐらい使われるんだろ!番組名は「超門!真実か?ウソか?」、オンエアは8月12日(金)午後7時からの2時間。
お盆だし、テレビの前にクギ付けになって見てやる!!ついでに歯もしっかり見るぞ。
7月2日(土)
ヨーデルチロリアンのヴァイオリン奏者・長谷川康は仙台フィルのメンバーですが、実は宮城県第2の都市、石巻市の市民オケ、石巻市民オーケストラのコンサートマスターも務めています。
で、その石巻市民オケが定期演奏会でウィーンの森の物語と第3の男をやることになり、この日、日本のチター界第一人者、内藤敏子先生との共演を聞きに行きました。チターはアルプス音楽にはアルプホルン同様、無くてはならないものであり、私どもも8年前の秋に内藤先生とご一緒に高松、埼玉越谷、長野池田町など全国公演をさせていただきました。久しぶりの再会に胸躍ったのですが、同時に当時先生からお聞きした言葉をまざまざと思い出しました。いえいえ、音楽的な話とかではないのです。
何かの話題で新宿御苑の話になりました。「新宿御苑?私どもの庭でしたよ!!」私は卒倒しかけました。
「何てシュールな!!(奇抜な)」この先生は一体何者なのか??
あとで調べたところ、新宿御苑は江戸時代まで信濃高遠藩内藤家の下屋敷があったところで、明治になって新宿植物御苑となり宮内省管轄に移行したのです。
ですから先生がおっしゃるとおり、もともと新宿御苑は内藤先生の先祖のものだったのですね。そのせいというわけでもないのでしょうが、当日も遠くは和歌山県などからもお客様が石巻までお越しになっていましたよ。そんなことを考えながら、チターの音色に聞きほれた一日でした。
先生、ネタにしちゃってごめんなさい。
別れ際、10月2日、長野県で一緒に演奏して、と嬉しい言葉をいただいたけど、ざんね~ん、その日はせんくらの日。せんくらに行かなきゃ。