こんにちは。再び仙台在住のソプラノ、高橋絵里です。
突然ですが、自慢話です(笑)!
昨年「平成25年度宮城県芸術選奨新人賞」なるものを受賞しました。
これまで賞歴に縁がなく、受賞の電話が来た時、イタズラ電話と思い込み、
ものすごく感じ悪く対応した私。
いろいろ質問したあと「あれ?でもどうしてウチの電話番号知っているんですか?」と私。
「こちらは県庁ですので…」
「あ〜、そうですよね。え?県庁がどうしてウチの番号知ってるんですか?」さらに疑う私。
「あの…こちらは振り込めサギなどではございませんので…」とまで言われた私。
しかし「受賞するのはほんとうに私なんですかああ〜〜」と最後の最後まで信じられなかった私。
「仙台では演奏される機会がまだ少ない、様々な古楽器を使用して、バロック音楽やルネサンス時代の音楽に取り組み、良いコンサートをしていることが受賞理由の一つです」
そう言われて「ああ〜それ、私だわあ〜(*´∀`)♪」って、ようやくホッとしたのを覚えています。
歌は伴奏が必要なので、一人だけではコンサートをしたり、音楽を作り上げることはできません。
これまで共演してくださったチェンバロ、オルガン、バロックチェロや、ヴィオラ・ダ・ガンバ、そしてリュートの各奏者の皆さんに、心から「ありがとう!」です。
さて自慢話はほどほどにして。
あっこちゃんは、いろんな楽器を演奏します。ギターの前身のビウエラという楽器。リュートのおばけみたいな巨大なテオルボ(キタローネ)と呼ばれる楽器など。用途はそれぞれに異なり、一緒に演奏していると、時代に伴って音楽の様式の移り変わりを感じます。そして今回は、バロックギターです!
昨秋、上野駅でのコンサートにて、あっこちゃんのバロックギターでホセ・マリンという作曲家の歌を歌わせていただきました。
ハードロックカフェHard Rock Cafeの前だから、マイクを使ってのハードバロックHard Baroque!
….とダジャレているわけではなくて、上野駅改札前の雑踏の中なので、マイク&スピーカーを通しての演奏でした。今年は仙台でこのプログラムを(もちろんマイク無しで)ご披露します。
皆さまと、会場でお会いできますように!
私たちの担当は今日でおしまいですが、引き続き「せんくら出演者ブログ」をどうぞよろしく。
せんくらファンの皆様、こんにちは、
私は千葉県在住のリュート奏者の佐藤亜紀子です。
今回は、リュートだけでなくバロックギターも演奏します。
バロックギターは一般のギターよりも小ぶりで、真ん中の装飾が可愛いです。
弦はリュートと同様に同じ音の2弦が対になっています。
普通のギターは6弦ですが、バロックギターは5弦です。(楽器写真参照)
リュートと特に違う点は「ラスゲアド」という右手で和音をかき鳴らす奏法です。
この奏法は演奏者によってそれぞれいろんなパターンを持っているといっていいでしょう。
それまでリュートしか弾いたことのなかった私にとって、バロックギターは未知の領域で、憧れの楽器でした。
留学を終える年にようやく楽器を手にいれて、周りの同僚の学生や国内外の講習会やレッスンなどで、ラスゲアドについていろいろ聞きまくりました。
しかし、助言をもらったらからといってすぐに素敵なかき鳴らしができるわけでもなく
こうでもない、ああでもないといろいろと一人で試しつつ弾いていました。
そんなときに、ふとスペイン人のリュート奏者 Xavier de la torre 氏に出会い、
3ヶ月だけバルセロナでギターを教えてもらえるチャンスにめぐまれました。
それは2011年のことで、スペインに行くことが決まった日にあの震災が起きました。
人生何が起こるか分からないと実感した瞬間でした。
やれることはやっておかなければ後悔すると思い立ったのを覚えています。
3ヶ月で教わったことは、本当に基礎の基礎、かき鳴らしのパターンも限られたものでした。
肝に命じなければならなかったのは、ラスゲアドというのは、精緻な繊細な指の動きから
生まれるということで、よく「ジャカジャカやってよ」なんて言われますが、このジャカジャカは計算された訓練された手指の運動とリズム感、テンポ感を察知する耳が必要なのだということがよく分かりました。
これらを消化しつつ、でも技術習得のみならず、いろんな人とアンサンブルして、経験を積んでいくことで感覚も磨かれていくということを信じ、未だにいろいろな試行錯誤を苦しみ、楽しみつつやっているのが現状です。
昨年に絵里さんと一緒の演奏会でバロックギターを使う機会があり、絵里さんもスペインものの歌曲を気に入ってくれたようなので、今回また取り上げることになりました。
リュートの繊細な音楽とバロックギターの情熱的な音楽、2つの対照的な世界をどうぞお楽しみください。
みなさん、こんにちは。仙台在住のソプラノ、高橋絵里です。
いよいよ「せんくら2015」のチケットが発売になりましたね!
嬉しいことに「せんくら」出演二回目の私は、今年もリュート奏者の佐藤亜紀子さん(通称あっこちゃん)と一緒に、日立システムズホールのパフォーマンス広場で演奏します。
今年は美しいリュートソングの世界だけでなく、あっこちゃんのバロックギターで、情熱的なスペインの歌もご披露しますのでぜひ来てください!ブログは今日から3日間。どうぞ宜しくお願いします。
さて私がリュートという楽器とじっくりおつきあいするようになったのは、オランダでの留学時代。
アムステルダム音楽院には「古楽科」というのがあって、18世紀くらいまでの歴史的な楽器や歌のジャンルを、多くの留学生が勉強しています。リュートを専門に学ぶ学生はそれほど多くはありませんでしたが、その素敵な音に私はすぐ虜になりました。
現在は移転してしまいましたが、私が学んだアムステルダム音楽院の旧校舎は、19世紀末に銀行として設計された古い建物。廊下や階段のあちこちにステンドグラスやタイル画など装飾がちりばめられ、窓からはどうやって行くのかわからない塔も見えます。そんな趣のある建物の中で、夢見がちに音楽に身を委ねていた私。秘密のドアや、らせん階段があちこちにあって、その先の小部屋でよくリュートの学生とリハーサルしました。
初めて、その当時出版の楽譜や、リュートの楽譜を見た時は「????」。
でも、その踊っているように書かれた生き生きとした音符は、その曲をどんな風に演奏したらよいか、インスピレーションを与えてくれるものです。
音符と歌詞だけのシンプルな楽譜を、リュート奏者と一緒に形にしていく作業は時間がかかるけれど、どんなものが出来上がるのかワクワクする時間です。
リュートは私の声の一番いいところを引き出してくれる、素晴らしい楽器。
私がこれまで体験したヨーロッパでの素敵な時間を、私たちの演奏を通して、みなさんに感じていただけたらいいなあと思っています。
次回はあっこちゃんが、バロックギターについて紹介してくれます。