せんくらブログ、【助川ブラザーズ】3日目。
兄で、ギタリストの助川太郎です。
昨日は【助川ブラザーズ】の歴史についてお話しました。今回は突っ走り始めた2人のその後の制作舞台裏です。
クラシック曲を、ジャズのコードで色付けしたり、サンバのリズムに乗せたり。
当初は溢れ出るアイデアで我々のレパートリーは拡大の一途を辿りました。
何より嬉しいのは、意志疎通がとにかく早い事です。ツーと言えばカー、山と言えば河。
何も言わなくても殆どのイメージが共有出来ます。普段はここに苦労する事が多いので、これはとにかく楽しい事でした。
そして大切なのが笑いの要素。
弟のショーマンシップはご存知の方も多いと思いますが、私もステージで笑いを取るのは好きです(弟と方向性は少々違いますが)。
イメージが共有された演奏と、楽しいトーク。
「イケる!」
札幌、仙台と公演を重ね、暖かいお客様の反応に、我々はノッていました。
さて、この6月某日、【助川ブラザーズ】は2泊3日の集中リハーサルを行いました。
我々にとって「せんくら2015」は初めての大舞台です。当然、モチベーションは最高潮なのですが、レパートリーの拡大が大きなハードルとなって立ちはだかっておりました。
曲数が増えるに連れ、アレンジのハードルはどんどん高くなっていきます。売っている楽譜をそのまま弾くのではなく、助川ブラザーズらしい音楽とは一体何なのか。真剣に考えました。
理想は、自分達が楽しく、お客さんも楽しく、しかも無理なく出来るアレンジ。
原曲の良さを理解し、エッセンスを抽出し、なおかつ即興性の余地が残されているアレンジ。
全てをゼロから立ち上げるだけに、徐々にリハーサルは思考停止、煮詰まる瞬間が多くなっていました。
しかし悶々とした時間帯を、私が提案したある1曲が打開しました。
その1曲とはブラジルの作曲家ヴィラ・ロボスの「田舎への電車」。
ボサノバの人も良く演奏しますが、元々は「ブラジル風バッハ 第2番 第4楽章」です。
広大な風景の中を走る汽車、コントラバスが朗朗と歌うサウダーヂなメロディー、ギターで刻まれるブラジル土着のリズム、慣性の法則でいつまでも続くエンディング、やがて2人は脱線、、、、列車は止まる。
プシュ~~~、、、、、、。
「イケる!」
皆さんに聞いて頂くのが楽しみです(笑)。
せんくらの会場でお会いしましょう!
最後にお知らせです。
【助川ブラザーズ】はせんくら2015に先駆けまして、来る7月13日(月)に初めての東京公演を行います。
ご興味ある方はこちらも是非、よろしくお願い致します。
せんくらブログをご覧になっている皆さん、こんにちは。【助川ブラザーズ】の兄で、ギタリストの助川太郎です。
今回は【助川ブラザーズ】の歴史と、そこから培われたコンビネーションについてお話したいと思います。
我々【助川ブラザーズ】は幼少期から専門的な音楽教育を受けたわけではありません。
私が高校1年生、弟が中学1年生の夏にほぼ同時にギターとベースを始めました。
そのころ好きだったのはもちろんロック。学校が終わるとまっずぐに家に帰って、毎日のように2人でジャムセッションに没頭したものです。
振り返って驚きますが、この段階では2人とも楽譜が読めず、音楽理論も知りません。ただCDのマネをしたり、市販のバンドスコアを解読したり。それだけで物凄く楽しかったのです。2人の興味はやがて、ロックからフュージョン、ジャズへと移り変わっていきました。
3年後、私は大学入学を機にジャズギターとクラシックギターのレッスン通いを開始。
一方、弟は高校2年生でコントラバスに転向、音大受験を目指して正式なレッスンを受け始めます。
2人とも音楽漬けの毎日でしたが、目指す音楽の違いから、家庭内セッションはほとんどなくなっていきました。
気が付くとそれから20年。
お互いプロの音楽家として活動しつつも、安易に交わる事は避け、遠くから見ている状態が続きました。その均衡が「共演」に大きく傾いたのが、2012年でした。
きっかけはその年に私が発表したソロギターアルバム、”This is guitarist”でした。これはジャズ、クラシック、ブラジル音楽、歌謡曲など様々なジャンルをギター1本の独奏で取り上げた意欲作なのですが、それを聴いた弟から珍しく賞賛の電話。その時、彼が呟いた一言を忘れる事は出来ません。
「やっとお兄ちゃんも、オレとやれる位になったな・・・。」
そして後日、ギター1本抱えて全国ソロギターツアー中だった兄のために、弟は札幌で兄弟共演コンサートを企画してくれました。リハーサルで音を出した瞬間、20年の空白は嘘のように、学生時代のジャムセッションの感覚が蘇ってきたのです。
それはジャンルを超え、楽譜を超え、「いつものノリでやっちゃおうよ!」という我々独自の東京下町の感覚でした。明るく楽しい、ジャズでもクラシックでもないコンサート。
もちろん結果は大成功!!
「これはイケる!」
いい気になった兄弟は、更なるコンサート開催と広大なレパートリー拡大に向けて、突っ走り始めました・・・。(3日目に続く)
みなさーん!こんにちは!!そして、おまたせしましたー!!!
助川ブラザーズ、弟の龍です。
普段は仙台フィルでコントラバス弾いてます!
楽器が無いと、どっちが兄?と良く言われますが、現時点ではアタマ刈り上げている方が兄です。(写真左:りゅう、写真右:たろう)
メジャーデビューがいきなりせんくら!相手に不足なし!!はっはっはっ。
普段はオーケストラで演奏している僕と、ブラジル音楽やjazzのフィールドで活動する兄がやるわけですから、まず大変なのが曲作り。
僕はオーケストラ生活13年目ですけど、以前から気になっていた事があります。
オーケストラでたまにjazzやpops系、映画音楽等のコンサートやることがあるんです。それはとても良い企画だと思います。
しかし、どーしても、原曲の良さ、オーケストラの良さが共に減ってしまう事が多々あります。
助川ブラザーズの音楽とは?
分かりやすく言えば”クラシック×ブラジル音楽”です。
この×(かける)って所ポイント!
アレンジ物をやるときに特に気を付けている事が僕たちにはあるのですが、それは、「原曲より魅力的になっていること!」です。引き算になったらあかんわけです。
今回取り上げている曲はクラシックやブラジル音楽の大作曲家の曲ばかりなので原曲を越えるというのはおこがましいのですが、二人ならではのまた違った魅力がなければやる意味なし!と今まさに泣きながらアレンジしている所です!
あー、難しい‥‥
クラシックの名曲をギターでボサノバ風の伴奏に乗せて。なーんて、安易なこたーしません!
知ってる曲も、そして知らない曲もたくさんあるかも知れません。
でも僕たちはコンサートに来てくださったお客様が、終演後”もっともっと音楽が好きになっている”事をお約束致します。
じゃ明日は兄にバトンタッチ!
はい!たろーさん!