さて、今年の3回目は、その建長遣欧使節のスペイン到着から400年を記念した「せんくら・スペシャル・ガラ/スペイン名曲コンサート」、私はヴァイオリンの西江辰郎さんとのデュオで参加します。
西江さんとは、これまでにオーケストラ共演ではお世話になっていますが、ソリスト同士としては初顔合わせです。
ファリャのスペイン民謡組曲からの情熱的な3曲、今から共演が楽しみです。
このコンサートは10月4日(土)14時45分からイズミティ21大ホールで行われます。
毎年の「せんくら」での楽しみと言えば、数々の出演者との交流です。
年に一度、多忙を極める演奏家が仙台に集ってきて百回近い公演を一気に行うのですから、本番前の舞台裏はまるで同窓会です。
その名手たちとの共演も楽しいのですが、やはり演奏後の打ち上げパーティーは大いに盛り上がります。
そのパーティーを更に盛り上げてくれるのが仙台の豊富な海山の幸と銘酒の数々でしょう。
今年は誰が来るのかなあ、誰と吞むのかなあ、何を食べようかなあ、というワクワク感が「せんくら」が始まる前の楽しみでもあります。
是非の御来場をお待ちしております!
福田進一
今年のせんくら、2回目のコンサートは、チェロの名手 長谷川陽子さんとのデュオです。
その素晴らしい音楽性、歌心、そして太陽のように明るく、いつも生き生きとした陽子さんの人柄。
私は彼女のデビュー前からの大ファンでしたが、レコード会社が同じになったこともあって共演の機会が多くなりました。
12年ほど前にブラジル音楽を中心としたCDも発表し、この「せんくら」でも何度もご一緒させて頂きました。
今回はお互いのソロの後、パガニーニ、チャイコフスキー、バルトークなどクラシック音楽の名曲集を聴いて頂きましょう。
チェロとギターはお互いの音域が近いこともあって、耳に優しく解け合うアンサンブルが魅力です。
このコンサートは日立システムズホール(青年文化センター)シアターホールで10月3日(金)17時45分開演です。
さて今年は、支倉常長が送り出した建長遣欧使節のスペイン到着から400年。
この記念の年を祝って様々なイベントが行われています。
私はこの5月末にスペイン東海岸の都市アリカンテの大学からの依頼でリサイタル、続いて一週間のマスタークラスを教えました。
世界10カ国から集った14人のギタリストを教える仕事は大変でしたがとても刺激的な新しい体験でした。
そしてもう一度、「せんくら」の後10月の半ばからスペインに参ります。
南部アンダルシア地方の古都セビリアの国際ギターフェスティバルが招待してくれました。
先日聞いた話ですが、セビリアの近くには建長遣欧使節団の末裔が住みついた村があるとのこと。
なんとその住民は皆「JAPON」という姓を名乗っているそうです。
是非訪ねてみたいと思っています。
福田進一
仙台クラシック・フェスティバル、「せんくら」も、早いもので第9回目を迎えることになりました。
世界でも類を見ない、この画期的な音楽フェスティバルに、私は幸運にもその第一回から参加させていただいています。
多くのファンの皆様から、毎年10月に「せんくら」でギターが聴ける事が嬉しいという喜びの声を頂き、私は様々なジャンルの音楽が集う絶好の機会に、ギター音楽の魅力を少しでも多く知って頂こうと、毎年のプログラムには趣向を凝らしてきました。
これまで、バッハの組曲や19世紀古典派の知られざる作品、武満徹さんの現代作品やビートルズ・アレンジ、またフルートや弦との室内楽、そして昨年はロドリーゴの名曲「アランフェス協奏曲」をオーケストラと共演させて頂きました。
さて、今年は再び原点に戻った気持ちで、まずはクラシック・ギター音楽の王道であるスタンダードなスペイン音楽をソロでお届けします。
近代のギター音楽と奏法の基礎を確立したスペインの作曲家、フランシスコ・タレガの名作「アルハンブラの思い出」に始まり、ギターをイメージして作曲されたグラナドスやアルベニスのピアノ作品からの編曲の数々、そしてロドリーゴが60歳の時に作曲し、パリ国際ギターコンクール作曲部門で優勝した隠れ名曲「祈りと踊り」に至るスパニッシュ・アンソロジー「スペインの風」は10月3日(金)12時から「イズミティ21」小ホールで開演です。
福田進一