
夏に教えていたFestivalでヴァイオリンコーチは私とAちゃんと彼女の兄、R君3人です。
そのR君、楽器の調子が良くないと言って一晩、調節の為Festivalから抜けました。
真面目なR君になにかいつもより意地悪してやろうとAちゃん、Aちゃん夫J君と私で緊急会議。普段脳みそ使う事は面倒な私でもこういう事に関しては悪知恵いっぱい。生憎R君の部屋にはロックがかかっており彼の部屋の中には入れない。それとお金を使いたくないので身近な物で。
思いついたのが滞在している寄宿舎に山のようにある安いペラペラのトイレットペーパー。
3人がかりで彼のドアの上からトイレットペーパーを貼ってのれん作り。下の方はセロテープで床に固定。Aちゃんは凝って横にもトイレットペーパー使って編み編み状態に。J君はまだそれでも足りず鍵が入る所をトイレットペーパーで塞いでまたその上から破りにくいセロテープ張り。R君が怒らないようトイレットペーパー暖簾の上から’お帰りなさい!’というポスターも貼って完璧。
でも次の日R君が戻ってくる時間は私達全員教えている。R君の表情がどうしても見たいのでAちゃんに録画カメラ持ってない?と聞くとさすが彼女、持っている。カメラを見つかりにくい所に設定し期待と面白さで興奮気味の私はその夜ほとんど眠れず。
次の日授業中R君からテキストが:“素敵なプレゼントどうもありがとう。カメラも見つけました”。
授業終わり次第大急ぎでR君の所へ。私達が心配なのはバレたカメラは彼が差し込めない鍵穴に鍵を入れる前か後か。幸いアフターだったので安心して皆でビデオ鑑賞。
——————————
R君登場。
R君:…っえ…?
R君呆然。
R君再起動。ドアの前に行き上下みて放心状態。しゃがんでトイレットペーパーを触ってどうなってるのかお勉強。
R君、起立。
大きなため息。
鍵を取り出しまさに鍵を差し込む直前に鍵穴の異変状態に気付く。
R君:っちょっ…はあ?なにこれ!
——————————
私達は録画を見ている最中ずっとクックッ笑っていたのが最後の一言で大爆発。R君、呆れていたけど私達が彼の事を思ってやったって事で少々感謝。その後一週間はトイレットペーパー暖簾を外さず。でも流石一週間も経つとヨレヨレでみすぼらしくなったので強制的に彼に外させました。
松山冴花