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せんくらブログ

中川賢一
2014.08.24

せんくらブログ(3)

私は3月に結婚をしました。
今まで結婚ということは考えていなかったのですが、今年になって突然結婚したくなりました。
家内は私のことを本当によく理解してくれる素敵な方です。
家に帰ると待っていてくれる人がいるというのはやはりよいですね。
妻の名前は「歩」
今まで一人で突っ走ってきたように思えますが、これからは一つ一つ丁寧にしっかりと地に足をつけて人生を「歩んで」いきたと思います。
今までと違った、今までよりもさらにいい演奏ができたらいいな・・・と思います。

これからも皆様夫婦ともどもどうぞよろしくお願いいたします!
これで今年の「せんくらブログ」は終了です。
生まれ育った仙台で演奏できることが本当に嬉しいです。

皆様会場でお会いできることを楽しみにしております!
中川賢一

中川賢一
2014.08.23

せんくらブログ(2)

留学していたときにスペインにピアノ協奏曲のソリストとしてツアーに行ったことがあった。学生の時なのでもう20年前になると思う。
私のピアノの先生は10代の優秀な生徒を集めたユースオーケストラの指揮者でもあった。ある時にスペインに行かないか?ピアノのソリストとして一緒にいこう・・・といわれて喜んでついていった。

さて、ツアーも順調に進み、ツアーの終盤にせまって、スペインの片田舎の教会に到着した。すると・・・
ピアノがない・・・・

コンサートまではあと3時間だ。取り急ぎ私がピアノコンチェルトのソリストでピアノという楽器が必要だということを伝えようとした。
私は、スペイン語は話すことはできなかったので、英語で伝えた。

「I need Piano!」

「アイ・ニード・ピアノ!」
と叫んだ。

彼らにとっても英語は外国語なので、多少話せても、綴りをみて本当の発音が何かは非常に不安だったのだろう
「パイアノ???」
と聞き返された。

「パイアノ」
私の英語の拙い知識の中に「パイアノ」という単語はない。
相手は西洋人だ。私はやはり語彙不足で会話が成立しないのか?
私は「パイアノ」という楽器にいまだかつて巡り合ったことがない。グランドピアノの代用品なのだろうか?

そのあとも不思議な問答が。
中川「ピアノ、プリーズ!」
主催者「オーケー!アイ ブリング パイアノ」
中川「ノー!ノー! ピアノ プリーズ」
主催者「オーケー!アイ ブリング パイアノ」
~エンドレスに繰り返し~
何回も相手が「パイアノ」といって会話が成立せず焦った。

心の中で繰り返した。
「パイアノ、パイアノ、パイアノ・・・」

 

あ!「ピアノ!」

そうだ「Piano」という綴りの「i」は「イ」ともよむが、「アイ」とも読むことができる。
つまり、あいての方は、同じく英語が得意ではないので、一生懸命スペイン語でも「Piano」は「ピアノ」と読むのにも関わらず、英語っぽく読もうとして「パイアノ!」と気を利かせて読んでくれたのだった!!!

結局パイアノは無事到着し演奏会も無事終了した。
その方も必死に発音なさったのだろう。
我々もこのような間違いを普段起こしているかもしれない。

知り合いがニューヨークに行ってタオルを買おうと思ったら、タオルは和製英語の発案なので「トワォエル プリーズ」「タゥォエル プリーズ」とかいろいろ試しても通じず、店員さんをその場に連れて行ったら

「オー タオル!」
といった・・・・

ということもありました。

中川賢一

中川賢一
2014.08.22

せんくらブログ(1)

留学して帰国したての時の最初の仕事の話である。
それはピアノの弦の間にボルトやスクリューを挟んで音を変調させる「準備されたピアノ」=「プリペアードピアノ」の演奏の依頼であった。
会場は5000人位入るホールで、2人の歌手のコンサートであったが、ほかのメンバーは確か弦楽器5人、ピアニスト一人、あと「プリペアードピアノ」を演奏する私であった。

ジョン・ケージというアメリカの作曲家がいるが、彼はある時にダンスの伴奏で、打楽器アンサンブルのための曲を依頼されたが、打楽器を調達するお金がないということで困り果てていたその時に、ピアノの弦の間にボルトやスクリューを挟んでみたら、ガムランの音のような打楽器のような音がして、おまけに一つ一つ音程や音色が違うために、沢山の種類の、複数の打楽器を一度に持ったような感じになったそうです。おまけに演奏者はピアニスト一人、アンサンブルも完璧・・・ということでこれはいい!となり、それに作曲をして、ダンスの公演でも使用したというところから始まったらしいです。

さて、私も帰国後最初の仕事なので意気揚々と5000人の大会場へ向かって、楽屋口から入場しました。楽屋にはもちろん各々の楽器の名前の書かれた張り紙があって、「ヴァイオリン○○○様」、「チェロ○○○様」、などとあり、その次には「ピアノ○○○様」とあったのでとうとう私の楽屋だ・・・と思ってみると

「プリペイドピアノ 中川様」と書いてあった。
んんんんん?プリペイド?前払いピアノ?先に謝礼をいただけるのかな?・・・ともしかして先に謝礼をいただいたら帰ってもいいのかな?

こうやって帰国後最初の私の職種は「プリペイドピアニスト」=「前払いピアニスト」中川賢一となったのであった・・・

なかなか知られていない楽器の場合よくこういうことはあります。
もちろん主催者を責めることはいたしませんでした。

そういえば以前ニュースでチェロ奏者のことを「チェロリスト!」といったのをみたことがあったっけ・・・シューベルトのピアノ五重奏「鱒」もアナウンサーが 『シューベルト作曲、ピアノ五重奏、「シャケ!」』 といったのを聞いたことがありました。

クラシック音楽というのはなかなか一般に流布されていない用語が沢山あるのですね・・・
これからも普及に努めなければ・・・

プリペイドピアニスト中川賢一

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