チェロの魅力の玉手箱!名曲プロプラム

2013.09.28| 長谷川陽子

せんくら出演者ブログ、ワタクシの担当は本日最終日です。
3日間お付き合い下さり、ありがとうございました!!

私も今からパンフレットを片手に演奏家仲間も沢山出演しておりますので、どのコンサートに聴きに行こうかしら・・・と楽しみに計画をたてています。
客席で見かけたら、是非気軽にお声をかけて下さいね^^

せんくらブログ最終日の今日は公演番号61の
【小品集名曲プログラム】について、お話しますね。

これは本当にカジュアルに、おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんまで皆でそろって楽しんでいただきたい!
そんな思いで組んでみました、ある曲は賑やかに、またある曲はしっとり日本情緒に身を委ねて、ある曲は思いっきり弾けて弾きたいと思っています。

チェロの魅力は、その音色の豊かさだと考えています。
そんなチェロの魅力を、詰め込めるだけ積み込みました!!
チェロの魅力の玉手箱のようなプログラム、是非「初めてチェロ聞くんだけど・・・」なんていう方に楽しんで頂けるような時間にしたいな、と思っていますので、どうぞよろしくお願いします!!

さてさて。

あと2週間弱で始まりますね。

毎年このフェスティバルに参加できるのが本当に楽しみです。
毎年いらして下さる方と再会出来る事、ボランティアの皆さんの温かい心配り、そして演奏家同志の交流。
今年も元気いっぱいに楽しんで3日間音楽をお送りしたいと思います。仙台でお待ちしています!!
長谷川陽子(チェロ)

 

ベスト・オブ・チェロ・ソナタ!

2013.09.27| 長谷川陽子

今日はせんくら2日目公演番号29
【ベスト・オブ・チェロ・ソナタ】について、お話しましょう。

我ながらずいぶん欲張ったものだ、と思ってます!
何しろソナタという形式は全楽章で完成品、と考えるのが普通な世の中ですが、敢えて選りすぐりのソナタの、そしてその中の選りすぐりの楽章だけをご紹介するのですから。

クラシックは初めてじゃないけど、でもまだ超王道のプログラムを聞くのはちょっと心配・・・なんて思っているそこの貴方!!
そんな貴方のための、プログラムです!!

この回ではベートーヴェン、ショパン、ショスタコーヴィッチ、ラフマニノフ、ブラームスと国籍も時代もとっちらかってバラバラですが、色んな味をちょっとずつって楽しいじゃないでしょ^^

オトナのおもちゃ箱のようなコンサートにしたいと思っております。
少しずつ聴き比べることによって、
「あ、私はもしかしたらブラームスのような重厚感が好きなのかも?」とか
「ショスタコーヴィッチの斬新さが面白い!」と思う方もいらっしゃるでしょうし、
「やはりベートーヴェンの高貴な明瞭さや崇高さこそ、もっと聞き深めていきたい」と再確認する方もいらっしゃるでしょう。

ちょっとクラシックを聴きはじめたけど、【もう半歩】、今よりちょっとだけ深くクラシックの世界に踏み出してみたい、そんなあなたに絶対おすすめのコンサートです!!
長谷川陽子(チェロ)

ロココ変奏曲のお話

2013.09.26| 長谷川陽子

(写真:千葉広子)

こんにちは!長谷川陽子です。

おかげさまでご縁あって今年も【せんくら】に出演させていただきます。
なんと第一回目からせんくら皆勤賞出演、本当に心から嬉しいです。
今年も皆さまにお会いできる事、今からわくわくしています!

今年は3つのコンサートに出演します。
今日はその初日に演奏するチャイコフスキーのロココ変奏曲についてお話しますね。

この曲を演奏するときは、必ずオーケストラのライブラリアンの方から「何版で演奏しますか?」と確認があります。
原典版もしくはフィッツェンハーゲン版のどちらかの二択なのですが、これについて面白いエピソードがあるので、ご紹介しましょう。

チャイコフスキーはこの曲を当時の名チェリスト、フィッツェンハーゲンのために作曲し献呈しました。
作曲する過程でフィッツェンハーゲンのアドヴァイスも取り入れながら書いたとされていますが、フィッツェンハーゲンは初演の際、なんとチャイコフスキーに無断で第8変奏をカットし、その上変奏曲の曲順を大幅に入れ換えて演奏しました。

これがまたお客様に大好評!!
なんとフィッツェンハーゲンはチャイコフスキーの自筆譜に直接同じインクで書き入れています。
チャイコフスキーはじめ関係者の立腹とは裏腹に彼の演奏で有名となったこの曲は、結局このフィッツェンハーゲン版で出版されることとなり、チャイコフスキー本人も、複雑な心境の中、何はともあれこの曲が音楽ファンの心を掴んだことを認めざるを得なかったとか。

塗り替えられた名曲の真相、何だか当時の色々な人間模様が見えてきて、ちょっと面白いです。

それにしても科学の力とはすごいもので、20世紀に入りフィッツェンハーゲンの書き込み入りのチャイコフスキーの自筆譜をモスクワ犯罪科学調査研究所の協力によりX線で筆跡鑑定の分析をし、20年以上かけて1955年7月に原典版の復元に成功しました。
新たに発見された名曲の事実に、何人かの探究心溢れるチェリストがその原典版での録音・演奏を試みています。

名曲の陰に逸話あり。
私はいつも従来のフィッツェンハーゲン版で演奏しますが、ロココ形式の愛らしさ、品格、そしてチャイコフスキーならではの濃密で大地を感じさせる優美かつ大胆なメロディは、例えそこに第3者の手が入ったとしても、決して色あせることなく唯一無二の魅力を放つ名曲であることには違いはないでしょう。

今年の【せんくら】では、仙台フィルさん、梅田俊明さんと共演させていただきます。
仙台フィルといえば実は学生時代の仲間や先輩・後輩が何人も入団しているので、一緒に弾けるのがとても楽しみです。

是非皆さまに喜んで頂けるように頑張ります!!
長谷川陽子(チェロ)

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