僕は究極の寒がりだ。
夏でもタートルネックの長袖を着て眠る。
どんなに暑い日でも首を出して眠ることができない。
だから、夏は大好きだ。
徐々に気温が上がってきて、夏が近づくと心が踊る。
28度を超えて猛暑になると、「なんて気持ちがいい陽気だ!」と叫びたくなるほど嬉しい。
うだるような陽気で、ジョギングするのも最高だ。
最近ではその時間すら取れなくなったが、昔は、猛暑のなかテニスをやった後、テニスコートからジョギングして家に帰ったものだ。
さて、なぜそんなに寒がりなのか。
それは、僕は究極の汗っかきだからだ。
大量に発汗すると、急激に体が冷やされ、もう居ても立っても居られないほど寒くなるのだ。
テニスをやった後のTシャツは、どれもこれも絞れるほどの汗をかく。
だから猛暑が好きなのだ。
本番も、必ず下着を数枚用意をする。
体は沢山の汗をかくが、指だけはあまり汗をかかないので、鍵盤を滑ることがない。
ピアニストとしては、とても有難い指なのだ。
横山幸雄(ピアノ)
数年前から、僕は台湾茶にハマっている。
僕の弟子に台湾人がいて、実家に帰った時のお土産で台湾茶をもらったのが始まりだ。
それまでは一般的な中国茶を好んで飲んでいたが、この台湾茶にすっかり魅せられてしまった。
しかし、台湾茶もいろいろな店で味が異なる。
数々試してみたのだが、あの弟子からもらった本場台湾茶の味に、及ぶものがない。
それでは、茶器に拘ってみたらどうだろう、と専門店に勧められた専門の茶器を購入して、飲んでみた。
はっきりいって、劇的に美味しくなるわけではなかった。
淹れ方が悪かったのかもしれないがやはり、美味しい台湾の茶葉を探さなければ。
僕の食生活は前にもこのコーナーで書いたかもしれないが、一日一食だ。
もう20年ほど続いているし、健康診断でも悪いところは全くないので、僕の体と生活スタイルには一日一食があっているのだと思う。
食べると眠くなる、食べると止まらない。
これでは仕事にならないので朝と昼の食事をやめた。
だから夜は、寝るまでの間をワインと共にゆっくりと時間をかけて夕食をとる。
一方、朝は速やかに脳のスイッチを入れなければ、時間が勿体無い。そのスイッチが台湾茶なのだ。
今日も1リットルの台湾茶を飲んで、さあ練習だ!
横山幸雄(ピアノ)
最近、僕に新しい家族ができた。
今年4月に生まれた子犬で、名前をルネという。
本来、僕の生活では犬を飼う事は難しいと思う。
演奏会の楽曲に集中するため、他の音を全てシャットアウトしたいことが多いからだ。
しかし、ルネは吠えない。
とても穏やかな犬で、遊んでいる時以外には、殆ど吠えることがない。
僕が音楽を聴いているときでも、それを大音響にしたとしても、静かに寛いでいる。
実にできた犬なのだ。
ショパンもこの子犬を知っていたら、「子犬のワルツ」の曲想は大きく変わっていたかもしれない。
ルネは、僕が久しぶりに旅から帰っても、吠えずにお座りをしながら一生懸命アピールしてくる。
だから、僕は疲れて帰ってきても、それが深夜であっても、ルネとしばし遊んでから眠る。
遊んでいるうちに、ふっと睡魔が襲ってきて、その場に眠ってしまうことがあるのがたまに瑕だが、最近ではルネと戯れることが習慣になってきた。
どうしても早く寝なければならない時は、少し遊んだ後で「今日はこれでいいかい?」とルネに聞く。
ルネは吠えることなく、ただペロペロと舐めてくる。
横山幸雄(ピアノ)