
今年は、ギターの福田進一さんとの共演
「せんくら【16】 チェロとギターで聴くウィーン・シューベルトの薫り」で今年の私のせんくらはスタートします。
大先輩との共演は何度目でしょうか。
毎回福田さんの大きな懐をお借りして、自分の幅を広げることができるのは、とても幸せなことです。
今年はシューベルトをお送りする訳ですが、シューベルトは私にとって永遠の憧れで、実はなかなか振り向いてもらえない片思いの作曲家です。
恋い焦がれ過ぎて簡単には弾けない作曲家の一人。
今年は福田さんから「そろそろまたシューベルトに話しかけてごらん」と背中を押されて、アルペジオーネをプログラムに入れることにしました。
シューベルトの魅力は、皆が見過ごしてしまいそうなごく日常の小さな幸せを、ほっこりと味わう事ではないでしょうか。
誰が植えたわけでもないのに道端でけなげに咲く花の可憐なこと。
青い空に白い雲がそよそよと浮かんでいる清らかさ。
ありきたりな休日の午後に開け放した窓から秋の風が頬をなでていく瞬間のささやかな幸せ。
今日も一日が無事に終わろうとしている贅沢な静けさetc etc…
まだまだシューベルトへの憧憬は続きます。
今年デビュー25周年を迎えた私ですが次のデビュー30周年に向けた目標は「アルペジオーネを手のひらで慈しむように、美しく弾けるようになりたい」です。
もっとうまくなりたい!!
長谷川陽子(チェロ)