いよいよ、最後のブログとなりました。
最後は私たちの公演の聴きどころを紹介させていただきたいと思います。
まず、共演の佐久間さんとプログラムのメインとして、サン=サーンスのファゴットとピアノのためのソナタを決めました。
サン=サーンスは1835年生まれのフランスの代表的な作曲家で、組曲「動物の謝肉祭」や交響曲第3番「オルガン付き」など、さまざまな曲を残しています。
この曲はサン=サーンスにとって生涯最後の作品であり、古今のファゴットのために書かれた作品の中でも名曲と言われ、重要なレパートリーだそうです。
特に私は第3楽章が好きで、優しい旋律と響きを震災で亡くなった方々への鎮魂の祈りを込めながら演奏できればと思っています。
他の曲は、演奏を聴きにお越しいただくお客様がどこかで耳にされたことがある曲を選びました。
今年はリストが生誕200周年の記念の年なので、1曲だけピアノソロで、ラ・カンパネラも演奏します。
9月30日13時、青年文化センターパフォーマンス広場で皆さまにお目にかかれるのを楽しみにしております。
(写真は会場のパフォーマンス広場です。)
金曜日の午後、ぜひ穏やかな時間を過ごしにいらしてください。
また、もうひとつお知らせがあります。
私のブログの第2回目でも少し触れさせていただきましたが、震災のため延期したリサイタルを10月16日(日)14時より青年文化センターコンサートホールにて開催します。
http://www.morinohibiki.com/bbs/post_440.html
こちらではドイツ留学中に勉強した作品を中心にプログラムを組みました。
大きな会場になるので、遠くのお客様まで私の音楽を精一杯お届けできればと思っています。
チケットはヤマハミュージック東北仙台店、カワイミュージックショップ仙台、サンリツ楽器ピアノパークで直接お買い求めいただくか、
ticket_konzert@yahoo.co.jp
までご連絡ください。
人生初のブログ挑戦で、初めは何を書いてよいのか分からず、少々内容がまじめ過ぎて、つまらないところもあったかと思いますが、最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
伊東 陽(ピアノ)
震災後、新しい音楽の仲間に出会うことができました。
仙台市立八軒中学校吹奏楽・合唱部のみなさんです。
彼らはひとりひとりが吹奏楽も合唱もマーチングも演奏する、スーパー中学生です。
彼らは3月19日に鹿児島と福島でそれぞれ行われる予定だった、吹奏楽と合唱のアンサンブルコンテスト、両方の全国大会に出場するはずでした。
しかし震災により鹿児島の大会は出場を辞退し、福島の大会は中止になりました。
3月19日コンテストに出場できなかった代わりに、避難所となっていた中学校で「音楽の集い」という演奏会を開きました。
そこで演奏した曲のひとつ、「あすという日が」という合唱曲が話題となり、7月6日CDが発売されました。このCDの収益は震災の復興支援のために仙台市に寄付されます。
私は顧問の高田志穂先生に声をかけていただき、5月から合唱の伴奏をしています。
CDのピアノを担当させていただいたり、仙台市合同慰霊祭をはじめ、さまざまなところで演奏しています。
普段ピアノを演奏する時は1人が多いので、大勢で1つの音楽を作り上げること、それが1つにまとまったときのパワーは、私にとって新たな音楽の魅力です。
先日、NHK全国学校音楽コンクールの宮城県大会が行われ、金賞を受賞しました。
八軒中のみなさん、次の東北大会へ向け、一緒に頑張りましょう!!
伊東 陽(ピアノ)
早いもので震災から5カ月以上過ぎました。
私の家族は皆無事でしたが、兄の家が仙台港近くの蒲生というところにあり、津波が家の2階まで押し寄せました。
震災の3日後に初めて兄の家に行ったときは、これが現実か夢なのかわからないような光景が目の前にありました。
実は私は3月26日に長町の楽楽楽ホールで帰国リサイタルを開催する予定でした。
あの頃はまだまだ余震も続いていましたし、ホールも大きな被害を受け、中止せざる得なくなりました。
(このリサイタルは延期公演として10月16日(日)青年文化センターコンサートホールで開催します)
いろいろと準備をしてきたのでリサイタルを開催できなかったことはとても残念でしたし、6月までの他の演奏の依頼がすべて白紙になり、うちでレッスンをしている生徒さん達もあの頃はガソリンがなくて来ることもできず、自分が音楽をやっていることに必要性を感じない日々が続きました。
しかし、その後避難所となっていた近所の小学校でピアノを弾いたり、チャリティーコンサートでさまざまなところで演奏をさせていただきました。
少しずつ人々の生活に音楽が戻ってきたと感じられたとき、直接的ではないかもしれないけれども、音楽が復興の手助けのひとつになると思いました。
震災を通して、新しい音楽の力に気づかされました。
伊東 陽(ピアノ)
皆さま、はじめまして。伊東陽と申します。
東日本大震災で被災された皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。
また亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。
私は仙台出身ですが、2005年より昨年秋までドイツ・フランクフルトに留学していました。
今回のせんくらは、私にとって出演させていただくのはもちろん、さまざまな公演を聴くのも初めてなので、とても楽しみにしています。
また、今回のせんくらが震災の影響で、一時は開催も危ぶまれたと伺いました。
事務局の方、ボランティアの方、せんくらの開催にご尽力いただいている方々すべてに感謝し、復興への願いを込めながら演奏したいと思っています。
さて、私の公演は9月30日(金)13時より、パフォーマンス広場で行われます。
この公演では新日本フィルハーモニー交響楽団ファゴット奏者の佐久間大作さんとのデュオをお楽しみいただきたいと思います。
佐久間さんとの初めての出会いは、2007年の夏、フランクフルト音楽大学のロビーです。
写真はロビーの一部の様子で、階段はピアノの鍵盤、蓋のふちがベンチになっています。
佐久間さんがアフィニス文化財団海外研修生として1年間フランクフルトへ留学されて以来、兄のように慕わせていただいています。
ドイツ留学時代より「いつか仙台でも演奏できたらいいね」と話しをしていたので、それが実現できうれしく思っています。
なかなかファゴットのソロを聴く機会は少ないと思いますので、ぜひお楽しみに。
伊東陽(ピアノ)