今年の夏は暑かったですね。8月は私も少々のんびりできたのですが、ただでさえフニャフニャの頭の中がさらに溶けてしまい、何もしないうちに時間だけがあっという間に過ぎて行ってしまいました。9月に入り、朝晩はいくらか過ごしやすくなりましたが、まだまだ日中は厳しいですね。どうぞ皆様も暑さ疲れにお気をつけくださいませ。
今年の後半は「せんくら」で始まる感じですが、その後、東京と京都でリサイタルを行います。今年は、これまで長年に亘って伴奏をしていただきましたドイツ人ピアニストのライナー・ホフマン氏の最後の日本でのコンサート・ツアーになります。まだまだお元気でいらっしゃるのですが、海外での演奏は今年で区切りをつけられることになってしまいました。
今年の二夜がホフマン氏とご一緒に音楽を創ることのできます最後のステージとなります。リサイタルのプログラムは、これまで歌いました曲の中から、ぜひもう一度歌いたいもので組みました。限りあるこの二夜に、思いを込めたいと願っております。
菅英三子
このブログのコーナーも残り少なくなりました。今日は「せんくら」のラストを飾る「第九」のコンサートについてお話いたしましょう。
「第九」と言えば日本では年末の恒例演目となっていますが、その理由にはいろいろな説があります。いずれにしてもベートーヴェンの残したこの交響曲がこれほど日本で演奏されるとは、ベートーヴェンにも驚きのことかもしれません。「せんくら」では、毎年クロージングは「第九」となっています。オーケストラと合唱が一体となって創り上げる壮大な音楽が、多くのコンサートのラストを飾ります。
チケットはいつも販売開始直後に完売となってしまう大人気のコンサートです。残念ながら今年買いはぐれてしまわれた方は、ぜひ来年の「せんくら・第九」を早くからチェックなさってゲットしてくださいね。
菅英三子
出雲では、毎年「出雲の春音楽祭」として様々な催し物が企画され、多くのコンサートが行われます。また約3年という時間をかけてオペラの公演を行っています。前回はビゼーの「カルメン」で、この時にはミカエラの役で出演させていただきました。そして今年の7月4日に行われた「椿姫」では、ヴィオレッタの役を歌わせていただきました。
ヴィオレッタは全3幕のこのオペラのほとんどで舞台に出ています。2幕第1場の後半と第2場の前半は舞台から離れますが、その間も含め幕ごとに着替えましたので、結構バタバタと走り回っていました。
出雲の「椿姫」の舞台上は、溢れる熱気に包まれていました。そして客席も一体となって、このオペラに酔いしれていた感じです。あっと言う間の2時間でした。公演までの2カ月、毎週末出雲に通っていましたので、公演後の週末の何とさびしいこと!なかなか「椿姫」の興奮から日常に帰ってこられませんでした。今回はその出雲での感動も合わせて、今の私の心を込めたいと思います。
菅英三子
今回はヴェルディのオペラ「リゴレット」の思い出をお話したいと思います。
「リゴレット」のジルダの役を初めて歌いましたのは、プラハ国立歌劇場。事前に一度舞台を見せてもらい、後は歌う前日に簡単な立ち稽古があり、当日に指揮者とアリアのテンポを口頭で打ち合わせてすぐに舞台に立つというスケジュールでした。第1幕の登場の際には、思いっきりドキドキしていたことをよく覚えています。劇場の事務局の方が数人見に来られていて、舞台袖から「エミコ、しっかり!」とエールを送ってくださったことも大切な思い出です。その後、アメリカのフロリダ・パームビーチ・オペラでも歌わせていただき、もっとも好きな役の一つとなりました。
初めての恋に震えるジルダの思いを込めて、このアリアを歌いたいと思っています。
菅英三子
今日は、私の出演する二つ目のコンサートについてお話させていただきます。
10月2日の夕方、この日の午後の日本の歌のコンサートとは会場を変えて、仙台市青年文化センターのコンサートホールで行われる、4人の歌手によるガラ・コンサートです。私は、日本の歌のコンサートが終わりましたら、ダッシュで移動!~いいえ、時間は十分にありますので、ゆったり移動いたします(笑)。
このガラ・コンサートでは、私はヴェルディのオペラ・アリアを2曲歌います。「リゴレット」からジルダの<慕わしい御名>、「椿姫」からヴィオレッタの<ああ、そは彼の人か>です。それぞれのアリアへの思いは、明日以降にお話しさせていただくことにいたしましょう。
菅英三子
今日は昨日に引き続き、10月2日の日本の歌のコンサートについてお話させていただきたいと思います。
「からたちの花」「鐘が鳴ります」「赤とんぼ」といった山田耕筰の歌や、「浜辺の歌」「宵待草」「平城山」「砂山」「初恋」「落葉松」など、9曲を歌わせていただきますが、その多くは子供の頃から親しんでいた曲です。私の両親も音楽が好きでしたが、特に母はいろいろな歌をよく口ずさんでいました。そして私が小学校高学年や中学生の頃には、私の伴奏でこうした日本の歌もたくさん歌ってくれました。母から聞いた歌、母とともに親しんだ歌が、私の心の故郷になっていると言えるかもしれません。それぞれが美しい一輪の花のような歌の数々……。大切に歌わせていただきたいと思っております。
菅英三子
仙台の秋を熱く彩る「せんくら」。今年は早くも5年目となりました。仙台市内のいくつもの会場で、数多くのコンサートが企画され、たくさんの方が集うクラシックの熱い秋!
昨年は出演しませんでしたが、今年は二日に亘って登場させていただきます。そこで今日はまず、私の一つ目のコンサートについてお話させていただきたいと思います。10月2日の午後、仙台市の北部にありますイズミティ21の小ホールで、日本の歌のコンサートをいたします。主催の方からのリクエストによりまして、皆さまがよくご存じの、またはどこかでお耳にされていらっしゃる日本の歌を集めました。これらの歌は、なぜか懐かしい薫りがします。それぞれの歌に関するおしゃべりを交えながら、会場の皆さまとご一緒に、優しさに満ちた日本の歌の世界に浸りたいと願っております。
菅英三子