祝祝:映画出演

2009.07.14| 佐藤淳一

世の中には映画俳優目指して苦労なさっている人がたくさんいらっしゃるのに…。なぜだか「カラスコライダー」という映画に、歌うのではなく、ある部長の役で出演してしまいました。

話をいただいて、初めは、「はい」とか「やぁ」とかだけだろうと思っていました。ところが台本を見たら、なんと2ページ分もセリフのやり取りがあるではありませんか!しかも台本を手にしたのは、収録の2日前。次の日はカルメンの本番。明後日はまあ何とかなるだろうなんて少し軽い気持ちで撮影に臨みました。

現場はKスタ宮城の正面広場。雪の残る喫煙所付近が撮影場所でした。早速に紹介され、これが映画の撮影現場かと変に感激しながら読み合わせが開始。まあ何とかなるかなくらいの調子でしたから、当然セリフが完璧に入っているわけではなく始まってしまったので、当然のことながら緊張しまくりでかみまくり。相手役の役者さん達は、いつ台本を手にされたのかわかりませんが、もうその場面のセリフと間合いはしっかり掴んでいらっしゃる。俳優のプロ魂を目の当たりにした瞬間でした。益々こちらの緊張は高まり、益々頭の中が真っ白になるといった状態に追い込まれてしまいました。(セリフにメロディが付いていたらもっと上手く覚えたかも、なんて言い訳も考えながら…)

もう一つ自分にとって大きな発見がありました。普段我々は舞台上ではマイクを使わないので、セリフも全て客席の隅々まできちっと聞こえるよう声を張って出すのですが、映画ではあのモコモコした長く伸びてくるマイクで声を拾ってくれるので、普通の話し言葉で十分だったようです。緊張とも相まって、一人だけ声がスタジアムの壁に反響していたようでした。そんな現場を今思い出すと、なんとも恥ずかしいですね。

テイク2で監督からOKが出ました!自分としては本当に大丈夫なのか半信半疑のまま終了。僕の映画初体験はおよそ1時間で終了でした。冷や汗をかきながらあっという間に時間が過ぎました。

カラスコライダーをご覧になった方はおられますか?僕に対してどうぞ率直なご感想を!ちなみに我が娘は、素人っぽくて大笑いしたと言っていました。でも何と言われても映画館のスクリーンの中に自分の姿が映ったなんて、これは大いに喜ぼうと思います。

この半年で入退院、そしてコマーシャルに映画と、なんだか派手な日々を送りました。この勢いを借りて、せんくらの本番も弾けたいと思います。是非たくさんの方々、コンサート会場にいらして下さい。3日間お付き合い下さりありがとうございました。
佐藤淳一(テノール)

祝:コマーシャル出演

2009.07.13| 佐藤淳一

昨年12月の中旬以降に、ア・カペラで第九の1フレーズを歌っているコマーシャルをご覧になった方がいらっしゃると思います。あれ、僕でした。眼鏡市場のCMでした。

何故にこのコマーシャル出演が僕に回ってきたのか?自分でも不思議な思いですから、そりゃ皆さんもどうしてとお思いになられたことでしょう!これは、ある広告代理店からいただいた仕事でした。3~4年前にこの会社の社長さんの還暦パーティで歌わせていただいたことが今回に繋がりました。
ではなぜこの会社からお声掛けいただいたのか?
これは、楽天の交流試合(それも巨人戦)で試合開始前のセレモニーで国歌を歌ったことからの繋がりでした。
今まで断ることをほとんど知らずに、いろいろなステージを経験させてもらいました。八方美人的だとか、もっと仕事を選べとかいう声も耳に入ることもありましたが、そんな様々の人との繋がりから、人生で何度も経験しないであろうことを経験させてもらいました。実に人生っておもしろいと実感した出来事でした。

全国版コマーシャルのインパクトは凄いですね!放送開始直後から、おまえにそっくりのヤツが歌ってたぞ、いったいあれは何のコマーシャルだ?とか、なんでテノールのおまえがバリトンパートを歌っているんだ?とか。それも県内はもちろんのこと、山陰地方や九州、関西、首都圏から北海道まで、あれは本当におまえかとの問い合わせがありました。15秒という短い時間でしたが、かなりインパクトがありましたね!
ちなみにこの仕事が退院後初の歌う仕事でした。
佐藤淳一(テノール)

せんくら出演★

2009.04.28| 佐藤淳一

第1回目のせんくらで歌わせていただいてから早3年が経った。
あの時は妻と一緒のコンサートだったが、彼女はちょっとした手術を控えての本番となった。音楽を一緒に出来るありがたさを噛み締めながらの舞台で、お互いに歌いきったことへの喜びと、このようなチャンスを与えていただけた事への感謝でコンサートを終えた。

昨年10月末に、今度は私が入院することになった。暫く咳が止まらず、薬を飲んでも全く改善されず循環器系の検査を受けたところ、不整脈その他で即入院となった。薬の副作用に対応するための入院だと説明を受けた。日替わりで夜も仕事をしていて、丸々一日休みの日が、その年はそれまでに数日あったかどうかで過ごしてきた疲れが出たのかと思う。

医者からは2週間の入院と言われたが、どうしても指揮をしなければならないコンサートを一週間後に控えており、無理を言って一週間後には外出させてもらえるようお願いをした。この病院での8日間はこの上ない休息と勉強の時間となった。中学生以降は入院したことが無く、点滴を下げながらトイレに行ったり四人部屋で過ごすことも全て珍しく、不謹慎かもしれないがいろいろなことに興味津々だった。
点滴と利尿剤、そしてカロリー計算をされた食事とで、あっという間に体重が減った。ダイエットには利尿剤が一番かも…。入院3日目辺りで、食堂のイスに座るとおしりが痛くなった。初めは理由が分からなかった。わけはどうやら筋肉が落ちたことによっておしりの骨が当たっていたらしい。生まれて初めての感触だった。人間の筋力はこうも簡単に落ちてしまうのだと大きな発見だった。
退院前日にはカテーテル検査も体験。体内それも血管の中を異物が走る感覚はとてもおぞましかった。入るときよりも抜くとき(おそらく血流に逆行するときだと思う)のあの言葉では言い表せない感覚は今でも左腕の中に残っている。
主治医の先生のお蔭で予定通り一週間で退院させていただき、何とか無事に、そのどうしても指揮をしなければならないコンサートも終了できた。改めて健康の大切さを実感した時となった。

今回また演奏のチャンスをいただいた。歌う場を与えていただいた事への感謝と、再び健康を与えられたことへの感謝をもって演奏したい。
佐藤淳一(テノール)

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