こんにちは!神田将です。
いよいよ私の担当も今日が最終回です。
私は美しいものが大好きです。
最初に衝撃を受けたのは、たぶん4歳くらいの時に見た香水の瓶でした。なんてキレイなんだろうって、頭が真っ白になったのを今でも鮮明に覚えています。
それは資生堂のホワイトローズナチュラルという香水の瓶でした。
以来、人生の中で、様々な美しいものを求めては出会ってきました。
ファッションや建築など、人がデザインしたもの。
風景や花々など、自然界にあるもの。
そして、人の所作や芸術、心のありようなどなど。
もちろん、短い一生ですべてを見尽くすことは到底できません。
でも、これまでに見たもので一番美しいものは、「美しいものに出会った時の、その人の表情」でした。
例えば、水平線に沈む夕日はいつ見ても美しいものですが、それを無言で見つめる人々の瞳はもっと輝いて見えます。
今年のせんくらでも、きっとあちこちでそんなステキな表情をした人たちに出会えることでしょう。
コンサートで音楽に触れ、大切な人と一緒にその余韻を楽しむ。
そんな光景が日常になるといいですね。
仙台の街中にたくさんのハッピーとビューティーが溢れますように・・・
神田将(エレクトーン)
こんにちは!神田将です。
今日は山口県に来ています。
午前と午後、それぞれ小学校と中学校にお邪魔して演奏を聴いてもらいます。
学校への訪問コンサートは今年で3年目になりました。
2007年と2008年には宮城県にも行き、登米や白石など、いくつかの街を訪れました。こうした演奏の機会がなければ、おそらく一生行くことのなかった場所を尋ねられるのは、それだけでも感慨深いものがあります。そして、子供たちの前で演奏するのは、1回ごとが真剣勝負です。
もちろん、いつものコンサートにも全力で望んでいますが、あまりガツガツと攻めないで、少しリラックスした感じを大切にしています。
でも、子供たちは、こちらがちょっと気を抜くと、それをすぐに感じ取って集中力が途切れてしまいますので、終始「臨戦態勢」みたいな感覚です。
これを毎日続けている先生方は本当に大変でしょうね。頭が下がります。
でも、ただの臨戦態勢ではなく、深い愛情や遊び心も必要なんだなぁとか、毎回いろいろと気付かされます。
子供たちに音楽を押し売りするつもりはありません。
ただ、人が真剣に何かに打ち込む姿から、何かを感じて欲しいんです。
球を追うサッカー選手は、試合中に観客に媚びたりしません。
その横顔を見て、人は熱狂しますよね。
音楽にもそんな側面があっていいと思います。
これも、子供たちが私に教えてくれたことのひとつです。
男の子をお持ちのお母さん。ぜひお子さんを連れてせんくらに来て下さい。
神田将(エレクトーン)
こんにちは!神田将です。
皆さん、音楽家と言うと、ヤワなイメージがありませんか?
最近はそんなこともないんです。
とにかく精神的にも肉体的にもタフでなければ、プロの演奏家は続けられません。
そう言う私も体力づくりにはとても力を入れています。
私は演奏の合間に、自分で曲の解説などのトークを入れることが多いのですが、長く激しい曲を全力で弾ききった後にも、呼吸を乱さず普通に喋る必要から、心肺能力の向上を目指して走り始めたのがキッカケでした。今では運動が楽しくて、出来る日には水泳やランニングを欠かしません。
あまり筋肉モリモリになってはまずいと思うので、筋肉トレーニングは必要最低限にしていますが、それでも、かなりストイックにやっています。筋力に余裕がないとダイナミックな演奏をする際にもがいているように見えてしまいますし、体の重心が崩れていると安定感に欠けた演奏になります。
そして、意外にも一番筋力が必要なのが、ピアニッシモなど繊細な表現の時です。
指先の筋肉ばかりでなく、タキシードの下に隠された
「脱いでもスゴイんです」的なボディを想像しながら演奏を聴くというのも
悪くないかもしれませんよ。
神田将(エレクトーン)
こんにちは!神田将です。
せんくらの舞台となる街はもちろん仙台。(何をいまさら・・・)
緑が多くてオシャレな街だなぁという印象があります。
でも、これまで何度も仙台を訪れているのに、正直言ってディープな仙台のことは何も知らないんです。
プライベートではなく、いつも演奏会で訪れるために、スケジュールがタイトなのがその理由です。
今回のせんくら2009も、私の演奏がある2日に仙台に入り、3日には私自身のリサイタルのため小樽へ行って、また4日に仙台に戻って、その日のうちに東京へ・・・
ありゃ、今回もまたディープな仙台に触れるチャンスはないかも。
で、どうなんでしょう、皆さんの演奏家像って。
ちょっとくらい夜遊びして飲んだくれても、その勢いで爽快な演奏をするというイケイケ型プレイヤーか。
演奏に集中するために他のことには目もくれず、ひたすら体力を温存して緻密な演奏をするコツコツ型プレイヤーか。
実際には、両方いらっしゃいますね。
私はどっちだろう。。。
うーん、いずれは前者のようになりたいものですが、まだまだ後者の方が近いです。
そうそう、仙台でとても印象に残っているものがひとつあります。
仙台ロイヤルパークホテル。とても立派なホテルなのに、スタッフの皆さんがとてもフレンドリーで、それでいて上品な雰囲気でした。
いいホテルのある街は、街そものもがステキです。ちょっとでも時間があればお茶だけでも寄りたいなぁ。
神田将(エレクトーン)
こんにちは!神田将です。
今日は「なんで一人でオーケストラなの?」について書かせて下さい。
時折「オーケストラを模倣しているのか」と尋ねられることがあります。
とんでもない!オーケストラはオーケストラであり、多くの人のパワーが集まって奏でられるからこそ醸し出される味わいがあると思います。
更には「オーケストラへの挑戦か」と言われることも・・・
考えようによっては、そういった見方をして頂けるのは光栄なのかもしれませんが、むしろ私には「オーケストラへの憧憬」の方が強いです。
ひとりひとりが主に単音を奏で、それら別々だったものが互いに響き合うって本当にステキだと思います。
ただ、これは自分自身の性格なのでしょうが、
全体を取り仕切り、隅々まで自分の神経が行き届いた作業が好きなんです。
オーケストラでそれをするには指揮者になる以外にありませんが、それでは自分は(基本的に)音が出せない!
でも、やっぱり弾きたい。
この矛盾を解決してくれたのはエレクトーンでした。
楽器に向かう時の気分はさながら指揮者なんです。
(ゴメンナサイ、素晴らしい先生方がお出になるせんくらを前に生意気を言って・・・先に謝っておきます!)
自分で指揮をしながら同時に演奏もできるというのが大きな魅力で、「何段にも及ぶ複雑なスコアを10指に集約する」というのではなく、「自分ひとりの意識をどうやってスコア全段に広げるか」という思いでアプローチしています。
そうなると、いつも頭がパニックに近い状態に。
でも、それが快感なんです・・・
神田将(エレクトーン)
こんにちは!神田将です。
今日は、エレクトーンのヒミツについて触れたいと思います。
私のレパートリーの中には、大編成オーケストラの作品が数多くあります。たとえば、チャイコフスキーのシンフォニーや、ラヴェルのバレエ音楽などです。
これらの作品を実際にひとりで演奏しているところを目の前でご覧頂いても、「どこまでを実際に弾いているのですか」と尋ねられることが少なくありません。「もちろんすべてです」と言いたいところですが、それではウソになってしまいます。
ほとんどの場合は100パーセント実奏(こんな表現ってあるんかいな)していますが、打楽器が複雑な曲では、その一部をあらかじめプログラムさせることがあります。
その他にも、エレクトーンにはいろいろな演奏補助機能が付いていて、単純な演奏を華やかに彩ることが可能ですが、私がそれらを使うことはありません。
ピアニストが幅わずか1センチに満たないタッチに全神経を注ぐように、私も鍵盤で出来るコントロールに集中することにしています。
エレクトーンの鍵盤って結構賢くて、打鍵のスピードや圧力を変化させることで、かなり深い表現をすることが出来ます。
もうひとつ、エレクトーンは演奏中に次々と音色が変わるというのも特徴です。たとえば、冒頭はオーボエのソロとビオラのピチカート、4小節目からコントラバスとホルンが加わり、2拍目からクラリネットのオブリガードが・・・と言った時間軸で刻々と変化する楽器の編成を、まずは完全に把握しなければなりません。
その楽器の組み合わせとバランスを、状態が変化する分だけ楽器に記憶させ、プログラムされた状態を次々に呼び出しながら演奏をします。
呼び出すという作業は、指揮者が各セクションの入りの指示を出すことに似ています。
このように、説明してもまったくチンプンカンプンな楽器ですが、もし機会があれば、ぜひ実際にエレクトーンに触ってみて下さいね。
表情を持って触れば、表情のある音を出してくれる楽器です。
私にとっては大切なパートナーでもあります。
神田将(エレクトーン)
初めまして!神田将(かんだゆき)です。
せんくら2009出演者ブログの先頭打者を務めさせて頂くことになりました。どうぞよろしくお願いします。
せんくらに参加させて頂くのも今回が初めてなのですが、実は、音楽祭そのものが初めての経験となります。
これまで憧れていた素晴らしい演奏家も続々と登場しますし、スタッフの皆さん、ボランティアの皆さん、そしてすべてのお客様と一緒になってこの音楽祭を満喫することを、今からとてもワクワクしながら待ち望んでいます。音楽祭デビューのステージとして、話題沸騰中のせんくらに出させて頂けるなんて、本当にラッキーでありがたいことです。
すでにお祭り気分になっている私自身について、少しだけ自己紹介させて下さい。
今回私が演奏する楽器は電子オルガンです。
エレクトーンと言った方が馴染みがあるかもしれません。
エレクトーンと言うと、ポピュラーやジャズのイメージが強いようですが、私が普段コンサートで演奏するのは90パーセント以上がクラシックです。
原曲のスコアに忠実に「ひとりオーケストラ」をやることもあれば、ピアノ曲を管弦楽風に編曲したり、時にはバロックの「バ」を取ってロックにしちゃうこともありますが、常に大切にしているのはクラシックのスピリッツです。
「クラシックの音楽祭でエレクトーン?」って、なんとなく違和感がある方も少なくないと思いますが、せんくらでは、そんな方にこそ聞いて欲しいプログラムをご用意しました。
こうした新しいものを温かく迎え入れて下さることも、せんくらの素晴らしいところですね。
明日は、エレクトーンのヒミツをお伝えしたいと思います。
神田将(エレクトーン)