音楽=料理

2009.08.01| 漆原啓子

早いもので、せんくらブログの担当も今日で最後になりました。

今日は何について書こうかと考えましたが、普段自分が演奏する時のことを書いてみようと思います。

音楽とお料理は少し似ているなぁ、と思うんです。なぜかというと、お料理は何料理になろうと、使う材料がほとんど同じ。もちろん、日本のお米とタイ米が違うように産地によって少し違いはありますが、「肉」「魚」「野菜」の使い方によって、それが日本料理になったり中華料理になったり、フランス料理になったりイタリア料理になったり…。
それと同じことで、「音符」(「ドレミファソラシド」にシャープやフラットがついても、全部で20個くらいしかない「音符」)が、使い方により、ドイツの音楽やフランスの音楽、ロシアの音楽になる…というのが、本当にすごいことだと思うんです。

だから、いつも楽譜と向かい合う時には、この「音符」をどのようにお料理しようかなぁ、と考えて取り組んでいます。
今回、せんくらで演奏する作曲家は、ベートーヴェン、クライスラー、ワックスマン、サラサーテです。

ベートーヴェンは「ドイツ料理」、クライスラーは「オーストリア料理」、ワックスマンはアメリカ人ですが、原曲がビゼーのカルメンなので「フランス料理」。そして、サラサーテは「スペイン料理」となるように、それぞれをお料理して、皆様にお届け出来ればいいなと思っています。

それでは、一週間お読みいただいてありがとうございました。「せんくら」でお会いしましょう!
漆原啓子(ヴァイオリン)

 

異文化コミュニケーション

2009.07.31| 漆原啓子

今日は10日間のセミナーの最終日でした。始めは「10日もあるから長い」と思っていましたが、今日になってみると、あっという間に終わってしまった、という感じでした。

講師の先生達は、世界各国から20人ほど来ています。講師によるコンサートが毎日行なわれ、ほとんど毎回聴かせて頂きました。皆さんそれぞれ素晴らしく、楽しく聴かせて頂きました。

それぞれの個性が様々あるのは当たり前なのですが、やはり、各国の方の演奏を聴いていると、お国柄が出るなぁと痛感します。

日本人が一番シャイかな…?
同じアジア人でも韓国も中国も(特に中国は)、ヨーロッパと同じ「大陸」の中にあるということで、我々とはちょっと違ったものを感じます。(例えば中国では、昔からベッドで寝ていた、とか…挨拶の時にハグする、とか…。)

今年、私はドイツ人ピアニストのヤコブ・ロイシュナーさんと、中国人(上海の方。しかし、アメリカに20年くらい住んでいる)チェリストのヘクン・ウさんと、ベートーヴェンの大公を一緒に弾かせて頂きました。リハーサルを含め、とても楽しく弾くことが出来ました。

コンサートの後には必ず食事会があるので、たくさんの先生方と仲良しになれました。意外に思われるかもしれませんが、実は私、留学をしたことがないのです。だから、お食事会の時に先生達から色々なお話を聞くのは、文化の違い、考え方の違い、又は、逆に共通のもの、など、たくさんの発見があって本当に楽しかったです。

というわけで、また来年までみんなに会えないのが寂しいなぁ、としみじみ感じた一日なのでありました(^_^;)
漆原啓子(ヴァイオリン)

トーマス教会

2009.07.30| 漆原啓子

今日は、ライプツィヒに戻って、バッハがオルガンを弾いていたトーマス教会について書きたいと思います。

トーマス教会は、ライプツィヒの一番にぎやかな中心地にあり、すぐ近くにはたくさんのレストランやブティックが並んでいます。しかし、教会に一歩足を踏み入れると全く違う空気が流れているような気がするのです。それはもしかしたら、生徒が先生の前に出ると緊張するように、偉大なバッハ先生に会うような感じで、自分の気が引き締まるからかもしれません…。

教会でミサに参加させて頂きました。神父様のお話までなんとなく音楽に聞こえます。讃美歌をたくさん歌い、オルガン独奏の時間もありました。「バッハも、このようにオルガンを弾いていたのかな?」と思いを馳せてみたり…。なんだかコンサートに行ったような気持ちになりました。

教会の祭壇の所にはバッハが眠っているお墓もあり、バッハに会えたような気がしました。これで少しはバッハの演奏が変わるといいんだけど…(^_^;)

今日は、このへんで失礼します!それでは、また明日。
漆原啓子(ヴァイオリン)

ワイマール観光記続き・・・

2009.07.29| 漆原啓子

今日は、昨日のワイマール観光記の続きを書きたいと思います。

ゲーテの住んでいた家を見学したあと、今度はリストが住んでいた家へ行きました。が、なんとコンサートの最中ということで入れてもらえませんでした…残念…。外から見た限りではこじんまりしているけれど(ゲーテの家を見たあとは、なんでも小さく見えてしまいます…)、素敵なおうちなんだろうな、と思いました。

気を取り直して、ワイマール城に行くことにして歩いていたら、ガイドブックにも載っている「ヘルダー教会」の近くを通りかかりました。ちょっと覗いてみようと思ったら、今度は、明日のコンサートのリハーサル中ということで、またもや中に入れませんでした…。中からは、メサイヤが聴こえてきていました。

ワイマール城は「お城」というよりも、美術館に来たような感じでした。あまりにたくさんの展示物で、閉館時間ギリギリまで見ていたら、中庭でコンサートのリハーサルが始まってしまいました。今夜のプログラムはカルミナ・ブラーナで、オーケストラはチェコからバスで来ていました。

いろいろ感じたことはありますが、特に思ったことを少し…。

こちらには素晴らしいホールがたくさんありますが、ホールではない場所からも、音楽が町中で日常的に溢れていました。せんくらの時には、仙台の街に音楽が溢れると思いますが、日本ももっと身近なところでクラシック音楽にいつでも触れられる環境になればいいのになぁ、と思いました。

それでは、また明日!

※写真は、
1.リストの家
2.シラーの家
3.典型的なドイツの建物だそうです。400年前の建物だそうです。
4.「ワイマール城。コンサートの準備が出来ていて、パイプ椅子がたくさん並んでいます。」
漆原啓子(ヴァイオリン)

ワイマール観光

2009.07.28| 漆原啓子

今日は、ワイマール観光について書きたいと思います。小さい町なのでそんなに時間がかからないかなぁ、と思っていましたが、全部徒歩でまわったせいか、あっという間に時間がたってしまいました。

まず、駅からブラブラと町の中心地に歩いて行くと、とても小さな教会を発見。なんとなく中へ入ってみると、なんとオルガンの演奏の最中でした。小さなオルガンではありましたが、低い低い低音から天に抜けるような高音まで、体に浴びたような感覚でした。

演奏のあと教会の説明書を読むと、なんとゲーテが結婚式を挙げたり、シラーが埋葬されたり(今は、別の場所に移されゲーテと仲良く並んでいるそうですが…。)している由緒ある教会ということがわかり、びっくりしました。

教会から、さらに中心地に向かって歩いて行くと、今度は劇場を発見。なんと、リストが指揮をしていた所で、ワーグナーのローエングリンの初演が行われた劇場だそうです。

昼食を食べたあと、今度はゲーテの住んでいた家へ。ゲーテは、物凄く裕福だったそうで、まるで迷路のようなお屋敷でした。収集が趣味であっただろうたくさんのお皿を飾ってある部屋、石ばかり飾ってある部屋、絵を鑑賞するための部屋…など一つ一つ、違う目的の部屋がたくさんありました。このような環境で暮らしていたからこそ、あれらの作品が生まれたんだなぁ、と感じました。仕事部屋(他の部屋に比べると、とっても広い!)と、小さな寝室が隣接していて、そこに展示してあるベッドで亡くなったそうです。家の裏には立派な馬車も展示されていま
した。今の感覚で言えば「超高級な車と車庫」という感じでしょうか?

ちょっと長くなってしまったので、続きは、また明日(^_^;)
引き続き、お楽しみに!!

【添付写真】
1.ゲーテが結婚式を挙げたヤコブ教会
2.ローエングリンの初演が行われた劇場。前にたっている銅像は、ゲーテとシラー。
3.ゲーテの家の前に待機していた、観光用馬車。乗りたかったんだけど、時間が足りなくなっちゃったので、断念しました(>_<)
漆原啓子(ヴァイオリン)

ワイマール

2009.07.27| 漆原啓子

今、私はドイツのライプツィヒに講習会で来ています。今日はワイマールまで、講習会の生徒さん達と一緒に観光に行くので、二日目のブログはその「実況中継」といった感じで、お送りしたいと思います(^-^)v

ライプツィヒは、バッハがオルガンを弾いていたトーマス教会があり、また、メンデルスゾーン、シューマンなどが住んでいた場所でもあります。今日行くワイマールは、リストやゲーテ、シラーが住んでいたそうです。

今、このブログは、ワイマールへ向かう電車の中で書いています。これからリストやゲーテの住んでいた家などに行く予定です。いつもは本や楽譜からしか感じ取れないその作者の住んでいた町、そして、家などを訪ねると、また違う面を感じることが出来、楽しいです。町などは、もちろん当時とは違うのでしょうけれど、日本のように劇的な変化はなく、当時の面影は充分に残っているので(建物も、地震がないので1800年代の建物もたくさん残っています。)ゆったりとタイムスリップしたような気分になります。日本の便利さもいいけれど、必要最小限の
もので人間は幸せに暮らせるもんだなぁ、と、何だかつくづく感じます。

では、ワイマールからの実況中継は、また明日のブログでも引き続きお送りしたいと思います(^_^)お楽しみに!
漆原啓子(ヴァイオリン)

息子

2009.07.26| 漆原啓子

去年、せんくらに初めて出させて頂いてから、はや一年になろうとしています。本当に、日がたつのは早いです。

今年は息子が高校を卒業しました。日本の大学に進学すると思っていましたが(ちなみに息子はトランペットを勉強しております)、たまたま去年の夏にお会いした、ベルリン国立歌劇場で吹いていらっしゃるライナー・アウエルバッハ先生のご好意で、なんとベルリンに留学することになりました。

3月には息子と一緒にベルリンへ飛び、住む家を探しました。そして、5月から息子の留学生活が始まったわけです。

まわりの皆様からは、高校を卒業したばかりなのに一人で大丈夫?とご心配いただいていますが、「とても楽しく語学学校に通い、各国の友達が出来た」と嬉しそうに話しています。若い、っていうのは本当に順応性が高いんですね。

私も18歳の時に初めて海外に一人で行きましたが、全くホームシックにならなかったので息子は私に似ているんだろうな、と思っています(母は、私の時も私の息子の時も「ホームシックは大丈夫かしら」と心配していますが…)。

何より、ベルリンには私が昔教えていた柴田欽章君とお母様がいらっしゃり、大変お世話になっています。だから私は安心して、日本にいられるわけです。本当に感謝しています。

…というわけで、去年はせんくらに(学校も休みだったので)息子も来たのですが、今年は聴きにに来ることは出来ません。残念…。

では、このへんで…また明日w(^o^)w
漆原啓子(ヴァイオリン)

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