ホームページなどを拝見しても、今年も多くの皆様にせんくら本番においでいただけるようです。
有難いと申し上げるしかありません。
この素晴らしいフェスティヴァルに傷をつけないように、全力で準備を重ねたいと思います。
つたないブログを連日お読みくださり、ありがとうございました。
シューベルトのピアノ・ソナタ 第16番イ短調 D845 は「のだめカンタービレ」で取り上げられるまでは、ほとんど全く知られていなかった作品と言ってよいと思います。
全体にそれほど知られていないシューベルトのピアノ・ソナタのなかで、更に地味なこの曲を、なぜ「のだめ」さんがお弾きになる事になったかは知る由もありませんが、「のだめカンタービレ」で扱われる諸曲のなかでもこの曲は人気のようです。
確か、昔ポリーニが突然この曲を録音した事がありましたから、この曲は突然掘り起こされる運命にあったのかもしれません。
ずっとさらっていても、飽きることが無い種類の音楽で、何かはあるのだと思います。より後期の天上の音楽に行く直前の地上と天上の中くらいのところ の音楽で、それを面白いとおっしゃる「のだめ」ファンの皆様の感覚はさすがと思わざるをえません。
今年はAプロとBプロのミックスプロも1つ準備されています。
J.S.バッハ:インヴェンション ハ長調(ピアノ入門者必須曲)
主よひとの望みの喜びよ ~あすなろ白書~
モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545 より第一楽章
ピアノ・ソナタ K.311より 「トルコ行進曲」 ~のだめカンタービレ~
ショパン:幻想即興曲 ~のだめカンタービレ~
子犬のワルツ ~JA福岡博多万能ネギ~
軍隊ポロネーズ ~ロリータ~
バダジェフスカ:乙女の祈り ~ユニマットレディス~
リスト:ラ・カンパネラ ~赤い激流~
これぞ、せんくららしいといいますか、すべて「聴いた事のあるメロディー」がでてくる曲ばかりのプログラムです。
のだめ、あすなろ白書特集のBプログラムは以下の通りです。
J.S.バッハ:主よひとの望みの喜びよ
ショパン:ノクターン へ短調op.55-1
幻想即興曲
モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545 より第一楽章
ピアノ・ソナタ K.311より 「トルコ行進曲」
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 D845 第1楽章
ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー
「のだめカンタービレ」は意外とポピュラーでない曲も色々とでてきます。シューベルトのイ短調ソナタなどまさにそうですし、ノクターン作品55-1 もその部類でしょう。ですが、さすがにどちらも良い曲ですから、お楽しみいただけると思います。 「ラプソディー・イン・ブルー」は、本来はオーケストラ付の曲で、ピアノソロでやる場合は、簡略版ということになります。今回は時間の関係も有り短めのバージョンで弾かせていただきます。
Aプログラムは、バッハ以外は以下の通りです。
バダジェフスカ: 乙女の祈り ~ユニマットレディス~
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第17番“テンペスト” ~冬のソナタ~
ショパン: 子犬のワルツ ~JA福岡博多万能ネギ~
軍隊ポロネーズ ~ロリータ~
リスト: ラ・カンパネラ ~赤い激流~
「乙女の祈り」は、なかなかリサイタルプログラムでは弾かれないと思いますが、せんくらでは2度目の登場です。 「ラ・カンパネラ」は、せんくら初登場。フジコ・ヘミングさんで大ヒットしましたから、それでご存知の方も多いでしょう。
さて、今年弾かせていただく羽目になった曲目で何がそんなに大変か。
予防線もかねてちょっと愚痴らせていただきます。
まずフェスティヴァル冒頭の第1枠目のそのまた頭がバッハ。
インヴェンション ハ長調
平均律第1巻 ハ長調
ゴールドベルク変奏曲より アリア、第1変奏、第30変奏、アリア
最初のインヴェンションと平均律は、ピアノをお弾きになる方は必ずやらされる曲で、熟知された方がたくさんいらっしゃるでしょう。こういう曲は本当に緊張です。少しでも目先を変えて監視の目(耳)を緩めていただくために、インヴェンションは、バッハ自身が作っている3連音符のほうのバージョンでやります。
なんかちょっと変?と思っていただいている間に、あっという間に終わってしまう、という戦略です。
ゴールドベルクは鍵盤楽器奏者にとっては、ある種究極のような作品。
その最初と最後のアリア、30ある変奏曲の最初と最後をシンメトリックに、というのはいいアイディアだと思いますが、ここは「ポピュラーな小品をやる<せんくら>」ではありませんでしたっけ?
ともかく、どうせなら、バッハ晩年の究極的な大作を聴きとおした場合の感動の半分くらいをお届けできないか、と工夫しながら準備しているところです。
皆様こんにちは。まさか今年もこういう形でお会いできるとは思いませんでした。
平井プロデューサーのなさることですから、3年目はこれまで2年と、がらっとメンバーを入れ替えて新鮮さを狙ってくるのではないか、と予想していたわけです。ですから昨年終了時に「残念だけど私の出番は今年で終わりだろう。ひょっとして万一また出していただける場合は、すべて日本人作曲家の作品とか・・・」なんぞと内心は考えておりました。
ところが、ふたをあけたら、今年も出させていただくことになり、いままで毎年あった日本人作曲家作品は無し。すべての予想がはずれたわけです。まあ確かに一演奏家の頭で予想できるようなことをやっているようでは、プロデューサーはつとまらないでしょう。
内容はこれまで通り、テレビや映画やCMでお馴染みの小品が中心なのですが、よく見るとなかなかに高度な作品がちりばめられていました。「これは大変。長い時間かけて準備しなきゃ」とまずは思いました。ですが・・・2年続けてきてくださったりして、個人的にお知り合いにならせていただいた方も随分増えました。そして、丹野さんや壇さんら素晴らしいスタッフの方たちの顔も思い出し、「やはり人との出会いが一番楽しい」ことを痛感して、「あの皆さんに又会えるんだ」と、感謝して準備をさせていただいている今日この頃です。