松山冴花(7)卒業式

2007.06.09| 松山冴花

ジュリアード学院、卒業しました。

最後の最後まで17年間ジュリアードに行ってた事を冷やかされました。このままドクターコース続けるの?ってよく聞かれましたが、幸いそんな出来る脳をもってないのでここでゲームオーバー。

卒業式、なにも別に特別な事なく終了。すぐタクシーに乗って打ち上げ会場、ママの所へ。

でもママの家に着いたとたん何かがないと気づく。

...携帯!

アアア!タクシーのなかで落とした!

ちょっとボーゼン。知り合いの番号携帯にしか控えてないからこれからどうしようとちょっと悩む。

ま、でも落としたものはしょうがない。開きなおるのは約2分後。早い早い。

友達数人とご機嫌いいベビーちゃんまじえて食い会、飲み会。

そうそう、賭けには勝ちました。

でも最後の最後で負けるとこだった。その日クラス写真と卒業式の間に30分ほど時間があったのでその時に飲みに行こうというお誘いが。お金持ってないって言って渋々断る。セレモニー直前にもフラスク持ってきた子からビン渡されて危うく飲みそうに。

危なかった...

でも1ヶ月程飲んでないせいかパーティーでもあまりお酒進まない。

変なの。

打ち上げ最中相方に電話が。

“さえか、今タクシーに乗ってる人がさえかの携帯見つけたって言ってるよ”。

えっ?マジ?

それがその瞬間の証拠写真。

見つけてくれた人と話してタクシーの運ちゃんに携帯、ママの家まで持ってきてもらうようネゴ。

30分後無事携帯確保。

めでたしめでたし。

 

 

松山冴花(6)禁酒

2007.06.08| 松山冴花

ガラコンが終わった次の日の5月1日から卒業式の25日まで賭けをしています。お酒を飲まない賭け。サエカは25日間お酒を飲まない事は無理だろうと言う相方の発言から始まったイヤな賭け。

最初の3日間は一日一日が長かった。

1週間ほどは料理に使うお酒も自分を信じなかったので開けるのもダメ。

2週間目でやっと料理にお酒を使い始める。コルクを開けた時のいい匂い。

スゥゥーーー(ボトルにマジ鼻近づけて思う存分匂い吸い込む)。
ハァァーーー...(寂しいため息)。

現在5月20日。ほぼ3週間クリア。

でもこういう時に限って友達からのパーティーやら一緒に飲もうという誘いがやたらに多い。

全部NO。

悪夢で相方が豪華なホテルにある街一のバーに連れて行ってくれる。でも私がオーダーできるのはお水1杯。バーテンダーが“このバーで水をオーダーした人は今までいなかった”と。

その日1日中彼には冷たい視線。

でも彼はいい事を言ってくれる。“I’m proud of you”(がんばってるね)

オー、優しい事言ってくれるじゃん、ってすぐ言葉に振り回されるアホな私は浮かれ気味。その気分もつかの間。

“But I’ve gone without alcohol since March” (でも僕なんか3月からお酒触ってないよ)

...

賭けに勝っても得るのは私の頑固さの保証。でも奴だけには負けない。

松山冴花(5)“Goodnight Alice” — 後編 ―

2007.06.07| 松山冴花

舞台の袖で自分の出番を待つ。それにしても大物がウロウロしてる。椅子に腰掛けて恥もしらず有名人をジロジロ。私の前に座っているのがこのガラコンのMCでアメリカでもっとも知られている元ニュースアンカーのトム.ブローコー。彼が着ているスーツが高価な物とすぐ分かるぐらいその生地から暖かい光が。それに妙に惹かれて手がそのスーツに触りたい触りたいって勝手に腕がのびる。

危ない危ない。

で、私の出番。

順調に弾いている途中、客席からカランカランと音が。

アリスタリー最後のコンサートという事でホール内でのお酒の持ち運びが初めてOK。ガラコンが終わり次第ホールが取り壊されるので床は思う存分汚しても全然問題なし。

そのカランカランは誰かがグラスを落とした音。

ムカツク。

でもそれで緊張が完璧ホグれた。

お酒飲みながらコンサート聞けるなんて羨ましい。

...感情が忙しい女。

私が弾いた後はジャズの大物、ウィントン マルサリス。

彼が弾いた後の出番じゃなくってよかった。

松山冴花(4)“Goodnight Alice” — 中編 ―

2007.06.06| 松山冴花

4月30日のリンカーンセンターのAlice Tully Hallであったそのホール最後のガラコン、’Goodnight Alice’。出演依頼の電話からの1ヶ月もあっと言う間。

気がついたら本番当日。全国に中継されると言うことで気合いもちょっと違う。

ガラコンって事で1枚チケット$1500(約18万円)。おねだりして2枚ただチケットをもらってママと私の相方をコンサートに連れて行く。

で、ここが驚き。ホールに着いたらなんと、オーブンバー。

皆様ご存知の通り私はお酒が大好き。

でも、

でもでも、

弾く前だから一滴も飲めない。それなのに飲み放題のバーが3カ所も。それもトップのお酒ばっかり。

正に天国にある地獄。

アアアアアアアーーーーーーーーッッッッッ!!!!!

めっちゃ悔しい! めっちゃ悲しい!!

相方によると私の目の色が色々と変わってたと。オーブンバーを見つけた時の超嬉しい目の色。いいお酒を確認した時のすごく幸せそうな目の色。で、飲めないと確信した時に嬉しさがボロボロッて滅びた目の色。これが全部半秒以内に起こったって。

人の不幸を見ておもしろがるな。

...なんか疲れた...

腹いせにナプキンにオードブルを沢山盛ってバックステージへ。

ふん。

 

松山冴花(3)“Goodnight Alice” — 前編 ―

2007.06.05| 松山冴花

今年3月26日に和歌山であったコンサートが終わってNYに戻ってきました。約2週間の滞在でいっぱいおいしいもの食べて幸せ気分でJFK空港に着きました。で、やっぱり一番先にする事は携帯のメッセージを聞く事。地下鉄待ちながら留守電聞いてたらジュリアード学部長からのメッセージが。

ウゲゲ。

地下鉄がうるさくてあまりよく聞き取れなく何かレパートリーがどうのこうのと。

学部長からの電話は生まれて初めて。

こっから私の最悪想像がポンポン頭の中に浮かび上がる。プラス、空港から家までたっぷり1時間半地下鉄でかかるので遥かに想像豊か。一番最初に思ったのはこの2年間のアーティスト・ディプロマコースで新しく学んだレパートリーが少なすぎて卒業できないと。

やだやだ、もう17年間もジュリアードに居たんだ。もう卒業させてくれてもいいだろう。

家についても学部長にかける勇気がでてこなく1時間程時間をもてあます。やっとあきらめがついて勇気出して学校に電話。アパートの隅っこの方に行って壁に向かって体操座りして(でも緊張でお尻浮いてる)体ちっちゃくして学部長に電話がつながるのを待つ始末。

“Hello, Saeka. I was trying to get in touch with you”. (今日は、さえか。君と話したかったんだ)。

で、そのお話とはその日から約1ヶ月後の4月30日でリンカーンセンターにあるAlice Tully Hallでそのホール最後のガラコンサートに出演できるかと言う事。

妄想しすぎてこのいいニュースを聞いた時は緊張とけてお尻が床にペッタンコ。

ガラコンの曲はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番、3楽章。学部長にお礼言って電話をきった時に初めて気がついた。

そのガラコン、まじ1ヶ月後じゃん。またもモーツァルトなんて...

気がつくの、遅い?

松山冴花(2) 大晦日

2007.06.04| 松山冴花

去年の大晦日に結婚式に呼ばれ、私ら四重奏+友達2人でマイアミに行きました。四重奏のメンバーは去年のブログにも書いたヴィオラのエリック、チェロのマイク、ともう一人、大学4年間私と一緒の先生に付いてたウェイン。

結婚式当日、うちら4人でリハをチョロチョロっとして、ブラックタイに着替えて教会に行く時間まであと少し。エリックだけが割と用意がゆっくりなので、待っている間、彼なしでみんなでテレビを観てました。

そしたら、エリックが青い顔で現れたので、“どーしたの?”って聞いたら

“式が取り消しになった。”

...ヘェッ?

その時はもうセレモニーが始まる1時間前。前日のリハーサルディナーでは主役の2人、すごく楽しそうで幸せそうだったのに。話によるとお婿さんがキャンセル。信じられない話。6人でなかよくボーゼン。

でもふと気づいたら、エリック以外のうちら5人、ちゃんとドレスやタキシードに着替えている。奴だけシャツはボタンしてないし、ボクサーはいてるだけ。

ズボンぐらい着ろよって文句言ったら渋々はいてくれました。でも履くだけ。チャックをしようともしない。彼の彼女さんも呆れてました。

その後やる事ないのでボーッとみんなで3日間テレビ観て、マクド食べて1年終わりました。

つまらん。

松山冴花(1) ヒトリゴト

2007.06.03| 松山冴花

今日は。ヴァイオリンの松山冴花です。これから7日間ブログ書かしてもらいます!

一人暮らし始めてからもう1年半たちました。床の上でゴロゴロー、ゴロゴローと部屋の中を転がってるのが一番の幸せ。愛用してる物はいっぱいある中その一つは2年前に日本からわざわざNYに持って帰ってきた炊飯器。日本の物はメロディーいっぱい。炊飯のボタンを押すとピロピローッてなって炊き終わった時もお知らせのメロディー。

でもこのごろちょっとその炊飯器が不機嫌。

炊き終わったらメロディーはならないでピピピッて文句を言う。何が気に入らないんだか、説明書みても回答なし。

でも昨日ご飯炊いたら久しぶりに快適に終了のメロディーが。

すごく嬉しくなって炊飯器に、

“オーッ、スゲーッ、がんばったじゃん!エライエライ!!”って真剣に褒めてた。気がついたら炊飯器にイイコイイコってなでなで。

...なーんか寂しい風景。この事は友達に言わないでおこう。

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