
こんにちは!!!!!荒川洋デス。第6回目。前回に引き続き、パリ時代ネタ。今回は体験した記憶のいくつかを紹介。
パリに渡り、徐々にいろんなものを見たり聞いたり、パリでの音楽体験が楽しいものに切り替わっていったんですが、特に覚えているのが、シテ・ド・ラ・ムジークでのオーケストラの授業。オーケストラの授業はサボりたい人が多くて、それを利用して「僕が代わりに乗るから、やりたくない人は言ってね」なんて言ったお陰で年平均5〜8回はやってたんじゃないかな。。あれは学生でいながらにして、フランス人たちのオーケストラでの音の出し方や、音楽的志向を体験するいい経験でした。
あと、ブーレーズの現代曲「ソナチネ」をいろんなところで吹いていた時期に、師匠のアラン・マリオンが「彼は友達だから紹介してやるよ。是非会って彼のレッスンを受けてきたらどうだ?」とのこと。あれよあれよという間に、なんとあの有名なフランスの大作曲家ピエール・ブーレーズに会いに行くことになったのです。そして当日、指定された場所はイルカムの音楽要塞のような所で(ちょうどポンピドゥーセンターの真下に位置していました。。)、厳重な警備の中、何十もの門をくぐり抜けたあと、地下8F階くらいまで下がり、僕らがよく目にする体育館の3倍くらいの部屋に通されたんですが、あるのはイスとピアノ一台。しばらく待っているとブーレーズがやってきて、「ちょっと待っててくれ、今音響をかえるから」と言ったあと、両手でパンパンと残響をチェック。約3秒位の残響に首をかしげた彼が、「もうちょっとセッコ(響かなく)にしよう、C2にしてくれ」と誰かに言った瞬間、その部屋中のすべての壁のパネルが反転し、静まり返った後、再度ブーレーズが両手を叩いて確かめると、ちゃんと1.5秒程の音響に変化。ス、スゴーイ!!で、ブーレーズはイスに一人座り、その前でソナチネを暗譜で披露。いろいろ有意義な話もたくさん聞けて、本当に勉強になりました。同時に、パリの中心の地下何十メートルの世界に、核シェルターじゃなくて巨大な音楽研究スペースが存在することにも感動。さすがフランス。800億フランもの大金を文化関連の公共支出に使うだけあって、文化への取り組みの本気度を体感した一時でした。
あとフランスでは、国中でマニフェスタシオン(ストライキ)を本当によくやっていて、鉄道のスト、パイロットのストなど様々。トラック運転手のストなんか、ペリフェリックと呼ばれるパリの環状線から他の国につながる高速道路をトラックで封鎖するという荒技をし、国中の流通をストップするようなひどいことを平気でやってました。そんなひどいストもあれば、音楽家のストも存在していて、確かアビニョンのオーケストラの経済状況を巡って、国中のオーケストラプレイヤーがヴィレット公園(当時の家の目の前)に集結し、野外コンサートをやっていたのですが、あれは聞いていてよかった。ボレロなんか、始めのスネアがプレイヤー十人同時。フルートは、やはり十何人で吹き始め、最後は巨大化したフランスオケ全部で、クライマックス。みんな有志で集まっていたらしく、みんなでいざというときに集まる結束が素晴らしーと思い感動。いやー人生は素敵です。
結局全然写真と関係ない話でしたが、写真のネコはパリ時代飼っていた「らんぱる」ちゃん。最後、らんぱるは7階からダイブしてあの世にいってしまったのですが、パリ時代を一緒に過ごした大切なネコです。
少しネコアレルギーになってしまったので、今ではあまり近寄れないのですが、そんな同じ境遇の人のために、お店を開くのが夢です。名付けて「ネコカクテルバー」。店内はカウンターになっていて、目の前がガラスで覆われていて、向こう側には猫たちがたくさん遊んでいて、それを鑑賞だけできるようにしてあり、猫たちを見ながらネコフィズ、ソルティーキャット(ドック)、ネコマティーニを味わう。。どうですか?どなたか出資よろしく!
荒川HP:http://hiroshiarakawa.com