
みなさま、こんにちは。今回せんくら《シブい!深い!ヴィオラの世界》でヴァイオリンを担当します、鈴木まどかです。
さて、7月に少し早めの夏休みもかねてフランスへ行ってまいりました。パリ、リヨンにも立ち寄りましたが、この旅ではノワイエというブルゴーニュ地方の小さな村で行われた、ピアニストのクリスチャン・イヴァルディ先生の室内楽& ソロの為のコースに参加出来たことが大きな収穫でした。
イヴァルディ先生には10年程前より度々お世話になり、「室内楽の神様」とでも崇めたくなるような素晴らしい音楽家です(もちろんソロもお弾きになります!以前聴いた彼のドビュッシー「喜びの島」などは忘れることができません)。香り立つようなご自身の確固とした世界を持ちながら、「ひとりでやる音楽は音楽ではない! 」と言ったとか言わないとか・・・などと噂される程アンサンブルを極めていらっしゃる、理想のアンサンブルピアニストでもあられる方です。
学生時代以来何年ぶりだろう?・・・という海外でのコースでしたが、ノワイエはとても内輪な感じのコースで参加者は同年代が多く、年上の方もいらして大人の(?!)講習会でした。そんな中、先生のクラシック音楽だけにとどまらない文化的造詣の深さや人間的な大きさ、暖かさを本当に間近に感じることができました。
ノワイエはブルゴーニュ地方というだけあって、周りには葡萄畑あり、レッスン会場は元ワイン倉でいつもひんやり、そしてコンサート会場はワイナリーの一角で巨大なワイン樽に囲まれ、夜はいつもワイン!(ここのワインは日本に入ってきていないそうなのです。買って帰れなかったのが残念・・・)チーズ!またフランス革命記念日と重なったため日本顔負けの花火大会あり・・・と勉強しに来たことを忘れてしまいそうな環境でした(笑)。たまに「楽器持たない旅行」を敢行したりもしますが、今回はそれと同じかそれ以上にリフレッシュできたかも知れません。
が、レッスンだけはしっかり厳しく、みっちりとやって頂きました。楽譜からいかに様々なことを深く読みとり音にするかという作業にはきりがありません。
最終日のコンサート、モーツァルトのソナタと、以前から弾いてみたかった念願!!フォーレのピアノトリオを地元のお客様のくつろいだ雰囲気の中演奏。
特にフォーレをあのフランスの空気のなか弾くことができたのは幸せの一言につきました。
終演後のパーティーでは、ヴァイオリン大好きおじさまという感じの方に話しかけられ、あまり一般的には知られていない膨大なヴァイオリンコンチェルトをコンピュータでリストにしたものを下さり、私も初めて耳にしたような日本人の作曲家の方の曲をとてもいい曲だからと勧めて下さったり、世界中で色々な音楽を聴いている方々がいらっしゃるのだなあと驚いたりも・・・。
フランスにいると、音やリズムはもちろん、風や香り、味等といった眼に見えないものに感覚を研ぎ澄ますことの大切さを日本に居る時とはまた違った方向から思い出させてくれる気がします。そしてそれがくせになり、またすぐに行きたくなってしまうのでした・・・。
仙台からしばし話題が飛んでしまいましたが、せんくらの《ヴィオラの世界》でも今回フランスで弾いたモーツァルト、フォーレの作曲した曲がプログラミングされています。お聴き下さる皆様にも幸せな風が届きますように。