仙台ジュニアオーケストラの事、演奏曲目の事を書き、あと演奏会に登場する中で触れてないのは私のことだけですね。恥ずかしいですけど、最終回なので少しは自分の事を…
私は仙台に移り住んで今年で丸3年が経ちます。「住めば都」と言われているとおり、今ではすっかり東北人気取りで、最近では「イズい」なんて言葉も自然に使えるようになりましたが、実は仙台に移る前は仙台とは何の縁もゆかりもなく、他の地域の人々がもっている「仙台=牛タン」というイメージしかありませんでした。
また、音楽の面でも大学の研究所を出たばかりで、学校での勉強は積んでいましたが、実際の現場の知識は皆無に近い状態でした。そんな今の自分に成長させていただいたのも、仙台で音楽に関わるすべての人のおかげです。(あ、成長したかどうかはわかりませんが…)
まず、仙台フィルの方々には感謝の言葉もありません。特にオケのプレイヤーの皆さんは、ありきたりな言い方になってしまいますが、本当に「人柄は優しくも仕事に厳しい」方々で、その時私に出来る事、出来ない事を見極めつつ、色々なことを要所要所で教えてくださいました。というより一緒に居させていただくだけで毎日が勉強になります。
また、忘れてならないのが、仙台フィル合唱団の皆さんの存在です。合唱団の皆さんは若い私の事を、人生の先輩として色々な面で助けてくれました。私は仙台に移り住むまで仙台ジュニアを含めて、仙台に音楽に関わるこんなにも素敵な団体が多くある事を知りませんでした。ごめんなさい。
今は感謝の気持ちでいっぱいです。私はもし将来、指揮者としてこんな質問をされたら、こう答えます。
「松元さんはどちらで音楽の勉強をされたんですか??」
「仙台です!」
短い間ですがお付き合いありがとうございました!
演奏会でみなさんとお会いできる事を楽しみにしております。
仙台フィルハーモニー管弦楽団副指揮者 松元宏康(まつもと・ひろやす)
http://www.city.sendai.jp/shimin/bu-shinkou/jr-orche/index.html
オペラは上演するために舞台装置を準備したり、多くの歌手や合唱が必要な分、とてもお金や時間がかかってしまいます。ですからオーケストラだけで演奏できて演奏時間も短い「組曲」を作ったほうが、その作品を世界中のオーケストラに演奏してもらえるチャンスが増えると思います。(もちろん言うまでもなく、オペラ全曲を上演する事とは比べられないことばかりですが…)
私が想像するに、作曲家にとってうれしいことの1つに「作品を多くの人に演奏してもらい、またそれを聴いてもらう事」というのがあると思います。
さて話し変わって、もしかしたらこのブログをお読みの方で、「それにしても松元さん、演奏する曲の様子を少しくらい教えてくれないと演奏会が楽しめないんじゃないですか??」なんてお感じの方もいらっしゃるかも知れません。どうぞ、ご安心を!
私がつまらない解説を入れるまでもなく、「だったん人の踊り」も「カルメン」組曲も、みなさんがよくご存知の旋律の登場する曲ですし、なによりどちらの曲も何の説明もいらないほどの、いわゆる名曲です。演奏会で子供たちの演奏を聴けばわかっていただけると思います。
仙台フィルハーモニー管弦楽団副指揮者 松元宏康(まつもと・ひろやす)
http://www.city.sendai.jp/shimin/bu-shinkou/jr-orche/index.html
「だったん人の踊り」についてつらつら書いたのに引き続き、変化球で攻めた「私なりの演奏曲目について」です。
ここまでは「だったん人の踊り」について書かせていただきましたが、次はその後に演奏する、今回のメインの曲、フランス人作曲家ビゼーが作りました歌劇「カルメン」組曲第1番、第2番より抜粋、についてです。
「カルメン」組曲も「だったん人の踊り」同様、オペラの中の音楽を演奏するわけですが、「カルメン」は1曲だけでなくオペラから8曲を選んでお送りいたします。いわゆる「カルメン」の中の“美味しいとこ取り”ってやつです。
しかし、“この美味しいとこ取り”というアイディアですが、何も私が考えた訳ではありません。昔から作曲家や編曲家は、自分の作ったオペラやバレエが大ヒットしたり、作品が気に入ったりすると、より多くの人に聴いてもらうために、「組曲」という歌手が入らなくてもよい、オーケストラだけの編成でのダイジェスト版を作ったのです。
仙台フィルハーモニー管弦楽団副指揮者 松元宏康(まつもと・ひろやす)
http://www.city.sendai.jp/shimin/bu-shinkou/jr-orche/index.html
現在、売られているペットボトルの某そば茶にも堂々と「だったんそば茶」って書いてありました。もし、使っちゃいけないんならこのお茶も発売禁止かなぁなんて…安易な理由ですみません!!
でもね、これだけだとアリバイ不足と思い、念のために近くのスーパーの麺コーナーにもリサーチに行ったんですよ。そしたら「だったんそば」と明記されているそばがたくさん取り扱われていました。ですから、この言葉を使っても良くなったんでしょう。つまり、今風に言うと「あり」なんでしょう。(なんていいながら、このブログがボツにならないことを祈ります)
ちなみにこの「だったん」という言葉が避けられていた時期は「だったん」を「ポロヴェッツ」と言い換えこの曲を「ポロヴェッツ人の踊り」と呼んでいました。
なぜなら、「だったん地方」と呼ばれていた地域を現地では「ポロヴェッツ地方」と呼ぶからです。
またまた余談ですが、これは私の知人のロシア留学に行っていた友人から聴いた話です。ポロヴェッツ地方に生まれた方は美男美女が多いらしいのです…男性は彫りがハッキリしていて男らしい顔立ちで、女性も非常に美しい人が多いということです。
そう考えれば今回演奏する「だったん人の踊り」もこの話のとおり、男性の力強い踊りと女性の美しい踊りの音楽が登場します。
仙台フィルハーモニー管弦楽団副指揮者 松元宏康(まつもと・ひろやす)
http://www.city.sendai.jp/shimin/bu-shinkou/jr-orche/index.html
このブログを読んでいらっしゃる方の中でも、私たち仙台ジュニアオーケストラの演奏を楽しみにしていらっしゃる方も多いと思います。
そこで、10月8日の演奏をより楽しんでいただくために、この場をお借りし私なりに曲にまつわる話をしたいと思います。
ただ単に曲の解説をするようでしたら、CDに付いてくる曲目解説かオペラ解説本を読んだほうが面白いでしょうから、あまり解説書に書いてないようなことを…
まず、今回の演奏会の冒頭を飾るのは、ロシアの作曲家ボロディンが作りました、歌劇「イーゴリ公」から“だったん人の踊り”という曲です。
ちなみにこのボロディンという方、作曲家という顔以外にも、もう1つの顔がありまして、実は科学者で大学教授でもあったんです。科学者でありながら、歴史に名を刻む作曲家でもあったなんてすごいですね〜。
さて、曲名の「だったん」という言葉、一時期は使うことを避けられていました。でも、最近また目にするようになったところを見ると、また使ってもよくなったんでしょう。
そう思ってここで書かせていただいているのも訳がありまして…
仙台フィルハーモニー管弦楽団副指揮者 松元宏康(まつもと・ひろやす)
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今回は、私が初めて仙台ジュニアオーケストラに出会った時のことを書こうと思います。私がジュニアオケに初めて出会ったのは、仙台フィルハーモニー管弦楽団に入団した時のことですから2003年の7月ですね。
その時、「まだ聴いたことのない仙台ジュニアオケの音はどんな音だろう」ととても楽しみにしていたのを覚えています。さて、実際ジュニアオケに関わることになって…最初はいい意味で驚きの連続でしたね。
まずはじめに驚かされたのは、選曲でした。
仙台ジュニアオケの情報を全く知らなかったので、まずは選曲を伺おうと思い、ジュニアオケの担当の方に曲を訊いたところ、
松元「ところで、曲は何をやっているんですか?」
担当さん「幻想なんですよ(笑顔)」
松元「え!?幻想って…ベルリオーズのですか??(驚き!)」
担当さん「そうですよ(超素敵な笑顔)」
松元「は…そうですか…(しばし沈黙)」
いや〜びっくりしました。曲を知らない人の為にお教えすると、ベルリオーズの「幻想交響曲」は音大のオーケストラでもなかなか難しい選曲だと言われるような曲なんです。それをジュニアオケでやるとは…
その後、実際に練習に参加し、さらにビックリ!練習場のステージに100人近く人がいる…!そして、ほとんどの子が練習を休まずに参加している…!指揮者の緊張感のある指導に、小さい子までもが、きちんと集中してついていっている…!しかも、みんな何だか練習楽しそう…!ホント色々驚かされましたよ。
でも、こうやってブログに書いてみると、今では当たり前だと思っている多くのことに当時は驚いていたんですね。いや、違う!今でも子供たちが当然のように行なっている、驚くべき事の多さは相変わらずで、私がその環境に慣れただけなんですね。
彼らが努力して驚くべき事を当然のように維持しているのに、それを当たり前なんて思っちゃいけませんね!!
仙台フィルハーモニー管弦楽団副指揮者 松元宏康(まつもと・ひろやす)
http://www.city.sendai.jp/shimin/bu-shinkou/jr-orche/index.html
皆さん、はじめまして!
私は仙台フィルハーモニー管弦楽団で副指揮者をしております、松元宏康と申します。今回は10月8日に行われる仙台ジュニアオーケストラの演奏会の指揮者として私が皆さんの前に登場するという事で、このブログに参加することになりました。
本来、指揮者と呼ばれる人というのは人前で面白い話をするのが上手だったり、文章を書けばウィットに富んだジョークを交えながら素敵な事を書ける方が多いのですが、私はまだまだ副指揮者ということでその辺も大目に見ていただければと思います。
さて、最初に… まずは、今回の演奏会の主役である仙台ジュニアオーケストラについて少しお話しなくてはいけませんね。
仙台ジュニアオケは、全国でも珍しく公立のジュニアオーケストラで、現在、仙台市に居住または通学する小学校5年生から高校2年生までの男女(夏期合宿での練習風景)約120名が在籍しております。そして、その子供たちの楽器の指導にあたっているのは、全パート仙台フィルハーモニー管弦楽団の団員です。
実は、日本ではジュニアオケと呼ばれる団体が多くありますが、現役のオーケストラの団員が、直接全パートに指導者として参加しているのは仙台を含め数団体しかないそうです。
子供たちが将来音楽家になるかそうでないかに関わらず、人生の一番大切な時期に音楽という素敵なものに触れるチャンスがあり、またそれを教えているのが現役のプロであるという事を考えると、こんなに恵まれた環境はないのではないでしょうか?
みなさんこのようなジュニアオーケストラが仙台にあるなんてご存知でした?
それでは、これからしばらくのお付き合いですが、どうぞよろしくお願いいたします。
仙台フィルハーモニー管弦楽団副指揮者 松元宏康(まつもと・ひろやす)
http://www.city.sendai.jp/shimin/bu-shinkou/jr-orche/index.html