皆さんこんにちは。初めましてバリトンの早坂卓です。今回初めて街なかコンサートに参加させて頂くことになりました。
私は仙台で生まれ育ち、現在はオーストリア・グラーツ国立音楽大学で学んでいます。自分がまだ小学生だった頃に始まったせんくらに出演できるなんて驚きと嬉しさでいっぱいです。
今回私が出演するのは9/9(土)せんくらファミリーコンサート「ニッポン西洋音楽事始‐海を渡った異国の歌」です。
「蛍の光」や「ちょうちょ」など、私たちが当たり前に日本語で歌っていた作品が実は外国から来た歌だったと皆さんご存知だったでしょうか?
普段はドイツ語やイタリア語ばかり歌っていた私が日本の歌に興味を持つようになったのは祖父母の言葉ととあるコンサートがきっかけでした。
初めて仙台でソロリサイタルを開催した際に祖父母から「外国語の難しい歌だけじゃなくて日本語の歌も聴きたい」と言われ、その後ありがたいことに日本の歌だけでリサイタルする機会を頂きました。
そのコンサートで日本の歌の美しさや母国語だからこそ伝えることのできる情景の豊かさを知ることができました。今では日本語の歌は私にとって大切なレパートリーです。
今回初めて共演するソプラノの高橋絵里さん、以前ドイツ歌曲の伴奏して頂いたピアノの倉戸テルさん。お二方とどんな音楽を作れるか今からワクワクしています。
異国の歌も海を渡りましたが、今回僕も海を渡って仙台に帰ります。皆さまと会場でお会いできることを楽しみにしております!
こんにちは。仙台在住の声楽家、高橋絵里です。
せんくらでは過去3度、リュートの伴奏でイギリス民謡や
シェイクスピアの時代の音楽を演奏させていただきました。
今年は馴染みのあるイギリス民謡やアイルランド民謡などを
私にしては珍しく日本語で歌わせていただく予定です。
バリトンの早坂さん、ピアニストの倉戸さんとの共演も初めてで
どんなコンサートに仕上がるか、今からワクワクしています。
私は県内の大学で「讃美歌」についての授業を担当しており、
最近、讃美歌訳詞について取り上げました。
明治初期に海を渡ってきた多くの宣教師たちが
なんとか日本の子どもたちに讃美歌を歌わせたいと、
日本語訳詞に四苦八苦します。
実際、私も学生と一緒に讃美歌詞を作り出す授業を行い、
逐語訳、直訳、意訳など様々試みて「産みの苦しみ」をみんなで体験しました。
西洋から伝わった歌が、日本の人々に定着したその背景には
当時の作詞者の並々ならぬ情熱と努力があったことは想像に難くありません。
美しい日本語だからこそ、「埴生の宿」や「旅愁」など、国が違っても
懐かしい情景が思い出される歌として、多くの人に愛されたのでしょう。
「日本語歌詞の産みの苦しみ」を体験したばかりの私としては
選びとられた一つ一つの言葉を噛み締めて演奏したいと思っています。
ところで、私はガーデニングを趣味の一つとしています。
自宅の狭い庭ですが、季節の植物を植えて、その移り変わりを楽しんでいます。
どの花もそれぞれに美しいけれど、やはり薔薇が咲くと、その華やかさに
目を奪われてしまいます。
有名な「庭の千草」は原題では「夏の名残のバラ」。
英語と日本語の間に違いはありますが、どちらも人生の終わりを想い、自分自身を慈しむ歌です。
我が家の庭では、まだまだ咲くぞ!と意気込む薔薇が暑さの中で頑張っています。
この「盛夏の頑張るバラ」のように、私も元気にコンサート準備を進めて参ります。
ぜひご来場ください。
高橋絵里