こんにちは!バンドネオン奏者の三浦一馬です!
…と元気よく挨拶したところで、「ん?なに?」「あなた、バンドやってらっしゃるの?」、なんて聞き返されることは日常茶飯事。まぁ、何だか聞き慣れない名前だし、そもそも実際に見る機会なんて、 なかなかないですからね。せっかくなので、少しでも楽器のことを知って頂けるよう、今日から3日間、「バンドネオン」にまつわることを、せっせと書いていきたいと思いますので、どうぞお付き合いくださいませ!
さて、初回である今日は、「バンドネオン大分解」と題して、楽器の内部まで大公開いたします!よく「アコーディオン」と間違われることが多いのですが、まあ、それもそのはず、楽器の形から音に至るまで、なかなか似てますからね。でも、よく見ると大きな違いに気付くはず。…そう、一般的なアコーディオンにあるはずの「鍵盤」がありませんね?
このボタンは、右手に38、左手に33、合計71個あり(中途半端…)、古い楽器だと象牙製のものもあります(上の写真参照)。このボタンを押すと、当然音が鳴る訳ですが、楽器の内部では、どんなことが起こっているかと言うと…?
どうです?楽器内部って、かなり、複雑な作りをしているでしょう!ボタンを押すと、レバーを介して反対側の蓋が開き、そこにのみ空気が流れ込む仕組みなのです。…そう、いま「空気」と書きましたが、このバンドネオンという楽器は、空気を使って音を出しているのです。その「空気」を作り出す役目を担っているのが、「蛇腹(じゃばら)」と呼ばれる部分。
この蛇腹が「ふいご」と同じ原理で空気を生み出しています(ちなみに、素材は紙と革)。模様も綺麗ですね!蛇腹を引っ張ったり、縮めたりする強さによって、音の強弱も変化するので、これも、この楽器に於いて、とっても大切なパーツ!そして、最後に忘れてはいけないのが、この楽器の心臓部である「リード」。要は、振動して音を発する薄い板のことですが、管楽器にも多く使われていますね。では、バンドネオンのリードを見てみましょう。
沢山ありますね!音の高さによって、リードの大きさも違うことがお判り頂けると思います。ちなみに、写真に写っているのは、右手側のリード群。反対の左手側も合わせると膨大ですね!そう、バンドネオンには、何と百数十枚ものリードが、所狭しと詰め込まれているのです!!
バンドネオンの構造、何となくでもお分かり頂けましたか?「蛇腹」で空気を起こし、「ボタン」によって空気の流れ道を作って、その空気で「リード」を振動させて音を出す…。小ぶりな楽器でありながら、実はなかなか複雑な経路を経て音が鳴っているのですね!
それでは、最後に、バンドネオン全てのパーツを分解した写真をどうぞ!次回は「不可思議なボタン配列」と題して、この楽器のドレミ…についてご紹介します。お楽しみに!
三浦一馬