こんにちは、エレクトーンの神田将です。今日はエレクトーンのお話をします。
いきなりですが、エレクトーンでクラシック音楽を演奏すると聞いても、ピンとこない方が多いのではないでしょうか。ポピュラー音楽をリズムボックスに合わせて軽やかに奏でるというイメージが強いエレクトーンですが、楽器の進化に伴い、クラシック音楽を演奏する愛好家がどんどん増えており、現在ではクラシック音楽を専門とするプロの演奏家も活躍の場を広げつつあります。
最新のエレクトーン使用した演奏は、一言で表せば「まるでオーケストラ」です。初めて聞いた人からは「いったいこの楽器はどうなっているの?」とただただ驚嘆されることしばしば。確かにそこも興味深い部分かもしれませんが、私がクラシック音楽に特化した演奏家として皆さんにお伝えしたいのは、そこではありません。
クラシック音楽と言っても、そのカタチはさまざま。中でも私のお気に入りは管弦楽作品全般です。子供のころ、オーケストラ演奏に圧倒的な衝撃を感じたのは、決してひとりでは表現しきれないスケールの大きさにでした。どんなに偉大な作曲家でも、自身の管弦楽作品を自分一人で演奏することは不可能です。指揮台に立てば自身のイメージ近い演奏に仕上げることは可能でも、演奏者という他人の手を借りる必要があります。
こうした大規模な作品をひとりで弾きたい!というのが、子供のころからの漠然とした夢だったのですが、のちにエレクトーンと出会って、ついに夢が叶いました。つまり、私にとっての音楽はエレクトーンありきで始まったのではなく、あくまでクラシック音楽の本質をより深く探求することにあり、そのためツールとしてエレクトーンを選んだというわけです。
クラシック音楽は言うまでもなく長い歴史を生き抜いた私たちの財産です。生まれた瞬間から今日まで、時代に揉まれながらも演奏者と聞き手によって育てられてきた生き物でもあります。
すべての作品には作曲された意図があり、優れた作品であればあるほど奥深い背景と物語を持っています。それらを常に探求し、時代に即したものとして演奏するのが、演奏家の務めです。
せんくらでは、少しでも皆さんにリラックスして楽しんでいただけるよう工夫しながらも、音楽の本質をきちんと感じていただけるよう、誠実な演奏をお届けいたします。どうか耳だけでなく、心を寄せて音楽を感じてください。
明日は、演奏曲のお話しをします。それでは、また!