名指揮者をデフォルメものまね その4

2009.07.30| 好田タクト

第4回 エンターテイナー「レバイン」

ジェームズ・レバインは米国のメトロポリタン歌劇場管弦楽団で長く音楽監督を務めている名指揮者です。
2004年からは小澤征爾さんの後任として、ボストン交響楽団の音楽監督も兼任しています。

様々なタイプの指揮者がいますが、眼鏡をかけたレバインの明るく踊るような指揮姿と、いつも開放的な演奏はお客様にとても受けがいいです。テレビで放映される場合も、彼の物まねだけはカットされないことが多いですね。
レバインの陽とした人柄が、きっとクラシックを知らない人にも伝わるんでしょう。
彼と似た明るいタイプとしては、2004年に亡くなったカルロス・クライバーという指揮者がいました。しかし、彼の場合は少し難しさもあります。

クライバーをまねている私の映像を動画共有サイトに流したところ、熱狂的なファンのアクセスが殺到して、ずいぶんと書き込みもされました。クライバーのファンにしてみれば、「神聖な指揮者になんてことをするんだ」という憤りの表れだったのでしょうね。

そこへいくと、クラシック界におけるレバインの位置付けは、「根っからのエンターテイナー」と言えるかもしれません。メトロポリタン歌劇場管弦楽団のあれだけ偉い指揮者なのに、あちらこちらのオーケストラや歌劇場を飛び回ったり、3大テノールの伴奏も引き受けたり、八面六臂(ろっぴ)の活躍ですからね。そのバイタリティーと適応能力の高さは、私も見習いたいと思っています。

彼のまねをするときのポイントは、丸い眼鏡や、くるくる巻きになったパーマ頭のカツラといった「見た目」です。
パフォーマンスの部分では、明るく踊るような指揮姿でロッシーニの「ウィリアムテル序曲」や、グリンカの「ルスランとリュドミラ序曲」などの元気な曲を振ることが多いですね。私はレバインだけに限らず、なるべくその人の生き方や解釈が個性として見えるように、一人芝居のようなつもりで、この指揮者形態模写をやるように心掛けています。
好田タクト(パフォーマンス)

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