雄倉恵子(7)

2008.08.16| 雄倉恵子

ホームページなどを拝見しても、今年も多くの皆様にせんくら本番においでいただけるようです。

有難いと申し上げるしかありません。
この素晴らしいフェスティヴァルに傷をつけないように、全力で準備を重ねたいと思います。

つたないブログを連日お読みくださり、ありがとうございました。

 

雄倉恵子(6)

2008.08.15| 雄倉恵子

シューベルトのピアノ・ソナタ 第16番イ短調 D845 は「のだめカンタービレ」で取り上げられるまでは、ほとんど全く知られていなかった作品と言ってよいと思います。
全体にそれほど知られていないシューベルトのピアノ・ソナタのなかで、更に地味なこの曲を、なぜ「のだめ」さんがお弾きになる事になったかは知る由もありませんが、「のだめカンタービレ」で扱われる諸曲のなかでもこの曲は人気のようです。
確か、昔ポリーニが突然この曲を録音した事がありましたから、この曲は突然掘り起こされる運命にあったのかもしれません。
ずっとさらっていても、飽きることが無い種類の音楽で、何かはあるのだと思います。より後期の天上の音楽に行く直前の地上と天上の中くらいのところ の音楽で、それを面白いとおっしゃる「のだめ」ファンの皆様の感覚はさすがと思わざるをえません。

雄倉恵子(5)

2008.08.14| 雄倉恵子

今年はAプロとBプロのミックスプロも1つ準備されています。

J.S.バッハ:インヴェンション ハ長調(ピアノ入門者必須曲)
主よひとの望みの喜びよ ~あすなろ白書~
モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545 より第一楽章
ピアノ・ソナタ K.311より 「トルコ行進曲」 ~のだめカンタービレ~
ショパン:幻想即興曲  ~のだめカンタービレ~
子犬のワルツ ~JA福岡博多万能ネギ~
軍隊ポロネーズ ~ロリータ~
バダジェフスカ:乙女の祈り ~ユニマットレディス~
リスト:ラ・カンパネラ ~赤い激流~

これぞ、せんくららしいといいますか、すべて「聴いた事のあるメロディー」がでてくる曲ばかりのプログラムです。

雄倉恵子(4)

2008.08.13| 雄倉恵子

のだめ、あすなろ白書特集のBプログラムは以下の通りです。

J.S.バッハ:主よひとの望みの喜びよ
ショパン:ノクターン へ短調op.55-1
幻想即興曲
モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545 より第一楽章
ピアノ・ソナタ K.311より 「トルコ行進曲」
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 D845 第1楽章
ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー

「のだめカンタービレ」は意外とポピュラーでない曲も色々とでてきます。シューベルトのイ短調ソナタなどまさにそうですし、ノクターン作品55-1 もその部類でしょう。ですが、さすがにどちらも良い曲ですから、お楽しみいただけると思います。 「ラプソディー・イン・ブルー」は、本来はオーケストラ付の曲で、ピアノソロでやる場合は、簡略版ということになります。今回は時間の関係も有り短めのバージョンで弾かせていただきます。

雄倉恵子(3)

2008.08.12| 雄倉恵子

Aプログラムは、バッハ以外は以下の通りです。

バダジェフスカ: 乙女の祈り ~ユニマットレディス~
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第17番“テンペスト” ~冬のソナタ~
ショパン: 子犬のワルツ ~JA福岡博多万能ネギ~
軍隊ポロネーズ  ~ロリータ~
リスト: ラ・カンパネラ ~赤い激流~

「乙女の祈り」は、なかなかリサイタルプログラムでは弾かれないと思いますが、せんくらでは2度目の登場です。 「ラ・カンパネラ」は、せんくら初登場。フジコ・ヘミングさんで大ヒットしましたから、それでご存知の方も多いでしょう。

雄倉恵子(2)

2008.08.11| 雄倉恵子

さて、今年弾かせていただく羽目になった曲目で何がそんなに大変か。
予防線もかねてちょっと愚痴らせていただきます。

まずフェスティヴァル冒頭の第1枠目のそのまた頭がバッハ。

インヴェンション ハ長調
平均律第1巻 ハ長調
ゴールドベルク変奏曲より アリア、第1変奏、第30変奏、アリア

最初のインヴェンションと平均律は、ピアノをお弾きになる方は必ずやらされる曲で、熟知された方がたくさんいらっしゃるでしょう。こういう曲は本当に緊張です。少しでも目先を変えて監視の目(耳)を緩めていただくために、インヴェンションは、バッハ自身が作っている3連音符のほうのバージョンでやります。
なんかちょっと変?と思っていただいている間に、あっという間に終わってしまう、という戦略です。

ゴールドベルクは鍵盤楽器奏者にとっては、ある種究極のような作品。
その最初と最後のアリア、30ある変奏曲の最初と最後をシンメトリックに、というのはいいアイディアだと思いますが、ここは「ポピュラーな小品をやる<せんくら>」ではありませんでしたっけ?
ともかく、どうせなら、バッハ晩年の究極的な大作を聴きとおした場合の感動の半分くらいをお届けできないか、と工夫しながら準備しているところです。

雄倉恵子(1)

2008.08.10| 雄倉恵子

皆様こんにちは。まさか今年もこういう形でお会いできるとは思いませんでした。

平井プロデューサーのなさることですから、3年目はこれまで2年と、がらっとメンバーを入れ替えて新鮮さを狙ってくるのではないか、と予想していたわけです。ですから昨年終了時に「残念だけど私の出番は今年で終わりだろう。ひょっとして万一また出していただける場合は、すべて日本人作曲家の作品とか・・・」なんぞと内心は考えておりました。
ところが、ふたをあけたら、今年も出させていただくことになり、いままで毎年あった日本人作曲家作品は無し。すべての予想がはずれたわけです。まあ確かに一演奏家の頭で予想できるようなことをやっているようでは、プロデューサーはつとまらないでしょう。
内容はこれまで通り、テレビや映画やCMでお馴染みの小品が中心なのですが、よく見るとなかなかに高度な作品がちりばめられていました。「これは大変。長い時間かけて準備しなきゃ」とまずは思いました。ですが・・・2年続けてきてくださったりして、個人的にお知り合いにならせていただいた方も随分増えました。そして、丹野さんや壇さんら素晴らしいスタッフの方たちの顔も思い出し、「やはり人との出会いが一番楽しい」ことを痛感して、「あの皆さんに又会えるんだ」と、感謝して準備をさせていただいている今日この頃です。

終わりに・・・暗譜のことなど

2007.09.15| 雄倉恵子

今回の平井プロデューサーからの条件の1つは「必ず譜面を見て弾いてください。」ということでした。「こういう企画だと、暗譜して自分の中に完全にいれてしまって歌うよりも、より客観的な表現になるし、事実最高の感銘を受けたリサイタルは譜面を見て弾いている例が多い。」とのご説明でした。

暗譜して弾くと、お芝居のような感じになり、譜面を見て弾くと朗読に近い感じになるような気がいたします。確かに作曲家の厳然たるテキストがあるわけですから、自分の歌にし過ぎるよりも朗読的にやるほうが客観性は増しますね。

リヒテルのドキュメンタリーを拝見しましたら、やはり「譜面は見ながら、きっちりたどった方が良い。」とおっしゃっておられました。

これは演奏家にとっては楽なようで実にキツイご指示です。「暗譜するという労力」で、すりかえられない、本当にいい音楽をしなければいけないので。クオリティに対するプロデューサーの徹底性をここにも見た思いがいたします。

ところで、せんくらオフィシャルサイトも本格的で凄いですね。

皆様の本格的なご準備に見合うだけの楽しいコンサートにすべく、フェスティヴァル会場でも緊張した顔でうろうろしたりしないよう、万全の準備でさわやかに仙台いりしたいと思います。

お客様の皆様、丹野さん他昨年もお世話になったスタッフの皆様とお会いできるのが、本当に楽しみです。では、そのときに。
雄倉恵子(ピアノ)

ドラマの名曲集後半

2007.09.14| 雄倉恵子

ドビュッシー 喜びの島〜のだめカンタービレ
シューベルト ピアノソナタ第16番 第2楽章〜のだ めカンタービレ
モーツァルト トルコ行進曲〜のだめカンタービレ

「喜びの島」はマラドーナ・ピアノ・コンクール第3次予選でのだめが演奏した曲です。確かに、装飾音やリズムの変化といった技巧を駆使して多彩な色を出すことが要求される曲で、コンクールの予選にはぴったりといえばピッタリな曲です。

次の「シューベルト ピアノソナタ第16番 第2楽章」こそは、のだめの大ヒットが無ければ、普通は全く知られていない曲で、のだめによって救い出された最たるもののような曲です。サン・マロのリサイタルでのだめさんはメインとしてこのソナタをお弾きになったそうで、ただでさえ、渋いシューベルトのピアノソナタの中でも最も渋い部類のこの曲が、よりによって「せんくら」で紹介されるのもおかしいです。

シューベルトといえば、偶然私がシューベルト記念館で自筆譜を見ている写真があったのを思い出したので、本日使わせていただきました。

で、フィナーレはトルコ行進曲。昨年ちょっと違った装飾音符のつけ方をしたりしてみましたので、今年はまたどう変えようか?と思ったり、「どなたも1年前のことは覚えておられないだろうから、そのままでいいか?」と思ったり、あれこれ思案中です。
雄倉恵子(ピアノ)

ドラマの名曲集前半

2007.09.13| 雄倉恵子

モーツァルト キラキラ星変奏曲〜のだめカンタービレ
ベートーヴェン 悲愴ソナタ第2楽章〜ラブレボリューション
ショパン 別れの曲〜101回目のプロポーズ
坂本龍一 メリークリスマス・ミスターロレンス〜戦場のメリー
クリスマス

〜 のだめカンタービレなど−あ!あの場面!ドラマのピアノ名曲集〜という素敵なコピーをつけていただいた、もう1つのプログラムの前半です。

まずは、のだめがサン・マロで開いたリサイタル曲から、モーツァルトのキラキラ星変奏曲。主題はやさしいですが、段々に難しい変奏曲がでてくる、なかなかややこしい曲です。

悲愴は、ラブレボリューションでもでてきましたし、「のだめ」でも、千秋がのだめが弾いている様子を”悲惨”と言った曲です。

「別れの曲」ショパンの作品の中でも、それこそ、どこかで聴いたことのあるきれいなメロディーで始まり、鬼のように難しい中間部を経て、またきれいな
メロディーに戻ります。あの中間部さえなければ、いい(演奏家にとって都合のいい)曲なんですがねー。

前半最後は「戦メリ」です。確かに日本の作曲家の作品のなかで、せんくらみたいなフェスティヴァルにぴったりの、ポピュラーな小品てあまり思いつきませんね。やはり坂本教授は偉大ということでしょうか。
雄倉恵子(ピアノ)

CMピアノ名曲集後半

2007.09.12| 雄倉恵子

ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ〜東京電力
坂本龍一 エナジーフロー〜リゲイン
サティ ジムノペディ第1番〜国税庁・税を知る週間
サティ ジュ・トゥ・ヴー〜花王エッセンシャルシャンプー

「CMのピアノ名曲集」後半はフランス系の作品です。坂本さんもドビュッシーやラヴェルなどフランス音楽への親近感はよく表明されておられますし。

ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、彼が学生中に書いた作品で、後に自身で編曲したオーケストラ版もあります。ホルンのソロが印象的でこちらのほうが有名でしょうか。ともかく学生時代にこの程度書けないと大作曲家にはなれないんでしょうね。

坂本さんの作品は、リゲインのCMに使われて大ヒットした、ピアノソロ曲としては一番知られたものだと思います。そういえばせんくら2007では坂本作品でチェロを使うときにいつも登場される藤原真理さんもご出演なさいますね。

最後にサティを2曲。ゆったりした単純なリズムで初心者が初見で弾けそうなジムノペディ1番。それでいて、ずっと皆に愛されているのですから、「単純でも名作」の典型でしょう。

ジュ・トゥ・ブーはI love youで、シャンソンとしても歌われています。「せんくら」らしいジャンルの壁を意識しない楽しい作品が、この会の後半には並んでいます。後は演奏さえよければ、とても楽しい会になるんでしょうねー〜。
ふー。
雄倉恵子(ピアノ)

CMピアノ名曲集前半

2007.09.11| 雄倉恵子

本日からは実際に弾かせていただく各曲についてです。

「CMのピアノ名曲集」の前半は次の各曲です。

イタリア協奏曲第1楽章〜セブンイレブンおでん
ベートーヴェン エリーゼのために〜ツーカーフォン
シューベルト 楽興の時第3番〜ヤマト運輸クール宅急便
ショパン 幻想即興曲〜カプコンクロックタワー
ショパン プレリュード第7番〜太田胃散
ショパン 子犬のワルツ〜JA福岡博多万博ネギ

バッハのイタリア協奏曲は初心者でもよくレッスンで弾かされますが、大家のリサイタルでも取り上げられる、間口の広い曲です。

バッハの鍵盤作品は、作曲の訓練のための練習曲でもあり、複数の声部
がからむポリフォニック音楽です。それをきちんと弾き分けるのはなかなか大変で、仲間内では「えっ!本当に人前でイタリアンコンチェルト弾くの?」などと言われることもある作品です。残響の少な目のホールで各メロディーラインのからみをお聴きいただくのはお客様には楽しいでしょうけれどもね。

ベートーヴェンの「エリーゼのために」はバガテルというベートーヴェンが随分書き残した小品のジャンルの中の1曲です。ピアノソナタが小説としたら、バガテルはエッセイのようなもので、私は正直に言えばバガテルのほうが好きかもしれません。

ベートーヴェンに対してモーツァルトのほうが天才のイメージにぴったり来そうですが、「エリーゼのために」をはじめバガテルを弾いているとベートーヴェンもいかに天才かが手に取るようによく分かります。

シューベルトの「楽興の時」もベートーヴェンのバガテルに近い自由な形式の小品です。私はシューベルトは本格的なソナタのほうが好きですが、この楽興の時3番ももちろん名曲です。

なお、本日掲載されている写真はシューベルトさんご本人がお使いになっていたピアノです。

ショパンの3曲は、それこそ「せんくら」らしくお馴染みのものばかり。特にプレリュードは、ショパンのプレリュードというより、日本では「あの太田胃散の」といったほうが通りがいいかもしれません。CMとクラシック曲というこ
とで言えば、そのイメージが最も強烈なものだと思います。現在でもそうかはちょっと分かりませんが、ある程度のご年配の方にとっては確実にそうでしょう。
雄倉恵子(ピアノ)

昨年より更に・・・・・

2007.09.10| 雄倉恵子

せんくら2006の本番後も、スタッフや他の出演の方とのメールのやりとりや、仙台のボランティアの方が撮ってくださったという写真(昨日のも本日のも、その時の写真です)などもいただいたりして、しばらくは楽しい余韻のうちに過ごさせいただきました。

そうしてしばらく経ったら、せんくら2007のお誘いをいただきました。

昨年のことがありますからこちらも覚悟は出来ていて

「曲目も曲順も全部ご指定いただいたものを弾くんでしょうねー。」
「もちろんです」

という会話で、「今年はもう少し楽か?」という一縷の望みは絶たれ、「のだめ」の各曲など、昨年より更に皆様がよくご存知で、私がよく知らない曲のオンパレードとなりました。

もう矢でも鉄砲でも、という感じですが、昨年と違うのは「あんな凄いフェスティヴァルにまた出られるんだ。」という素直な喜びです。

今年のチラシをよく拝見すると、ジョン・ゾーン、武満徹、リゲティなどの諸先生の作品も散りばめられていて、私の出演はともかくとして、この内容なら世界のどこでやっても恥ずかしくないものですね。

少ない出番でさっさと終わらせ、また他のものを楽しもう、と思っていたら昨年より1コマ多く弾かせていただけるようで、うれしいような悲しいような、の今日この頃です。
雄倉恵子(ピアノ)

せんくら2006の感想

2007.09.09| 雄倉恵子

少なくとも私にとって、昨年のせんくらは、なかなか厳しいお仕事でした。

昨年のブログにも同じことを書かせていただいたのですが、通常はこちらサイドが準備したものでリサイタルなりをやるので、基本的には「こちらが良く知っていて、お客様はよく知らない。」というところで勝負しているのです。

ですから、その結果として敷居が高かろうが、曲が難しそうだろうが、色々とご不満はおありでしょうが、演奏家としてはともかくその位置にいさせていただいているのが普通です。

ところが、せんくらは全く逆でした。こちらがよく知らなくて、お客様がよくご存知の曲を、挙句の果てには清水和音さんとか錚々たる方も同じ曲をお弾きになる・・・・

ともかくお引き受けした以上は、と必死で準備して余裕も何も無く仙台にまいりました。

その結果がどうだったをご判断いただくのは私以外の方の仕事ですから、自分の出番が終わったら、ホッとして少し回りを見渡すことができて、いくつかの本番ものぞかせていただきました。

そうしたら正直驚きましたね。御喜さんの段違いの技術のアコーディオンや、モーツァルトの珍しいソナタのいい演奏、長谷川陽子さんのバランスのいいトークと選曲、リンボウ先生の通常のクラシックとは違ったアプローチの楽しさ、米良さんの圧倒的な歌唱と、凄いクオリティの会が並んでいたのです。

自分はこんなにすごいクオリティのフェスティヴァルに呼んでいただけたのか、と改めて身震いする思いでした。
雄倉恵子(ピアノ)

メリークリスマス・ミスターロレンス

2006.06.24| 雄倉恵子

最終回の今日はアンコールについて。弾きもしないうちからアンコールとは図々しい限りですが、ご許可をいただいたのであえて。

今回2つのコンサートのアンコールで弾くようにご指示いただいたのは、坂本龍一さんの「エナジーフロー」と「戦場のメリークリスマス」です。クラシックの小品特集で、現代日本で、それらの中にいれても匹敵できる曲、ということでプロデューサーがお選びになったとのこと。

確かに武満徹さん、三善晃さん他、現代日本でも素晴らしい作曲家はたくさんいらっしゃいますが、このプログラムに合うといえば坂本さんですね。私は特に「センメリ」のテーマ曲「メリークリスマス・ミスターロレンス(これが正式タイトル)」は、本当にクラシックとして後世に残る素晴らしい作品だと思います。

元の映画ではシンセサイザーでしたが、坂本さんご自身の弾かれたピアノバージョンのCDもあり、ピアノ作品としてもよく弾かれます。

最後にこれが弾けることは本当に光栄ですし、うれしいので、皆様それまでの私の演奏がたとえつたなくても、「せんくら」でこの作品が演奏された、という歴史をつくるために(大げさ)どうぞ拍手をよろしくお願いいたします。

1週間ありがとうございました。自分のことをのぞけば、実に楽しそうなフェスティヴァルですね。自分の出番の後は、びっしりはしごしてなるべくたくさんのぞかせていただきたいと思っています。一聴衆としてはリンボウ先生や五嶋節さんのお話が聴けるなど夢のようです。では、その時に。

雄倉恵子(ピアノ)

ロマンティックショパン

2006.06.23| 雄倉恵子

<CMで聴いたピアノ名曲集>の後半の5曲です。

バッハ:パルティータ第1番よりアルマンド (ロイズチョコレート)
ドビュッシー:アラベスク第1番 (資生堂オードレシピ)
サティ:ピカデリー (ロート製薬ロートCキューブ)
ショパン:ノクターン遺作 (パナソニックヴィエラ)
:幻想即興曲(カプコン・クロックタワー3)

やはりバッハはしぶといですね。私のやらせていただく2コマだけでも2曲。結局クラシック音楽のビッグ3はやはりバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンというのは不変というところでしょうか。

アラベスクはドビュッシーの最初期の作品。デビュー当初でもこうやって残る作品にするのですから、やはり天才というべきでしょう。

サティはそのドビュッシーやラヴェルにも影響は与えましたが、ちょっと傍流の感じのやはりまぎれもない天才。「ピカデリー」はジャズっぽいラグタイムのリズムによる楽しい曲です。

ショパンの遺作のノクターンは、このCMの他、映画「戦場のピアニスト」でも使われ、ただでさえある程度知られていたのが、完全にポピュラー名曲の仲間入りをした感じです。究極的にロマンティックな作品。「幻想即興曲」は、昔は給食の時間とか学校でよくかかっていましたが、今はどうなのでしょう。この曲はショパンの生前には出版されなかったとか。今も昔も天才も楽ではないようです。

雄倉恵子(ピアノ)

テレーゼのために?

2006.06.22| 雄倉恵子

次は<CMで聴いたピアノ名曲集>。
前半で以下の4曲を弾かせていただきます。

リスト:愛の夢(京セラ クレサンベール)
バダジェフスカ:乙女の祈り (ユニマットレディース)
ベートーヴェン:月光の曲 (三菱電機 DVDカーナビ)
ベートーヴェン:エリーゼのために(関西ツーカーフォン)

リストさんはご自身が大ピアニストで、現在のリサイタルという演奏会のやり方を初めておやりになった方だとか。それまでは貴族に呼び出されたときに弾く、とかだったのでしょうねー。

バダジェフスカさんは、ポーランドでショパンよりちょっと後に生まれた女性。ショパンさんも30歳代で亡くなっていますが、バダジェフスカさんは23−4歳というさらなる若さで病没されたそうです。ほとんどこの「乙女の祈り」だけで知られていますが、この曲もちゃんとしたホールのリサイタルで聴く機会は余りないと思います。せんくらならではの選曲ですね。

ベートーヴェンの「月光の曲」は、ピアノソナタ第14番作品27-2の第1楽章です。これまた「月光」という名はベートーヴェンが名付けたものではありません。ベートーヴェンは幻想曲風ソナタ(Sonata quasi una fantasia)と名付けています。

ベートーヴェンはバガテルと言われる性格的小品をかなり書いており、いずれもピアノソナタに劣らない力作、名作ばかりで今後も残っていく作品群だと思います。そのなかでどういうわけか「エリーゼのために」だけは別格にウケテおり私が知っているだけでも次のような使われ方をしています。

1)宇多田ヒカルさんが「幸せになろう」(アルバム『DEEP RIVER』収録)という曲で「エリーゼのために」を原曲として使った。

2)プロ野球の千葉ロッテ マリーンズが、勝ったときや得点を入れたときに、トランペットでこの曲を吹き、合わせて「千葉・ロッテ・マリーンズ」と声をあげる。

そもそもこの曲は実は「テレーゼのために」とベートーヴェンが書いたものが、その悪筆のために「エリーゼ」と間違えられた、という訳のわからない説があるくらいで、最初からどこか違った運命にある曲なのかもしれません。

雄倉恵子(ピアノ)

トルコ行進曲聴き較べ

2006.06.21| 雄倉恵子

「ドラマで聴いたピアノ名曲集」の最後は、いわゆる「トルコ行進曲」。
モーツァルトのK331のピアノソナタの第3楽章が楽譜にも「トルコ風」と書かれていて、よく独立しても演奏されるようになったものです。モーツァルトのなかでも「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の冒頭と並んでトップを争う有名曲ですね。

送っていただいた「せんくらチラシ(大判で見やすくてよくできていますね。これを見ているだけで空想が広がります)」を拝見して「せんくらの楽しみ方」という部分に「トルコ行進曲聴き較べ」とあるのはびっくり仰天しました。一応プロになって「聞き較べ」られることは普通はないものですから。しかも較べていただくお相手が清水和音さんやら仲道祐子さんといった大変な名ピアニストたち。「新さんという方だけは存じ上げない・・・」と思っていましたら、数日前にNHKテレビで五嶋龍さんと一緒にリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリンソナタを弾いているのを拝見してしまいました。あのすごいピアノパートをあんなにきれいに弾いていらっしゃる・・・・。

とまあ、演奏するほうにとっては全く迷惑な話ですが、確かに自分が聴き手に回れば、すごくいい演奏会に行っても友人と帰り道に「すごくよかったけど、やっぱりこの前行ったツィンマーマンにはとてもかなわないわよねー。」などと勝手なことを陰では言っているわけですし、確かにお客様の立場に立てば、聴き較べるのは音楽の楽しみ方の大きな部分を占めますね。

聴き手の私としてこれまでのトルコ行進曲で最も大きな経験は、トルコの作曲家・ピア二ストのファジル・サイさんがアンコールでお弾きになったもので、これは原曲から始まって自由に即興的にジャズ風にもなりながら展開されていったもので、私だけでなく客席全体が嵐のときの森のようにすごい反応をしたのを覚えています。「日本の聴衆はおとなしい」とも言われますけど、本当に面白ければこうなるのですねー。

CDでは最近来日もされたフォルテピアノのアンドレアス・シュタイアーさんのものがやはり驚天動地でした。そのほか一番頭の音を装飾音として前に出して演奏された高橋悠治さんとか。

いずれの皆様も、思いつきのアイディアではなく、理論的にも根拠があり、何よりモーツァルト自身がやったらこうなっただろう、というようなイキイキ感というか生々しさが共通していると思います。

ということで私も覚悟を決めてまな板に乗らせていただきますから、どうぞご存分に、かつお手柔らかに、お聴き較べくださいまし。

雄倉恵子(ピアノ)

ニックネーム

2006.06.20| 雄倉恵子

「ドラマで聴いたピアノ名曲集」の後半は、以下のようなプログラムです。

シューマン:トロイメライ(真夏の月)
ショパン:雨だれのプレリュード(冬のソナタ)
ベートーヴェン:テンペスト第3楽章(冬のソナタ)
モーツァルト:トルコ行進曲(ロング・ヴァケーション)

シューマンという名前は、著名作曲家の1人として皆様もご存知と思いますが、では「シューマンの作ったメロディーを何でもいいから歌ってみてください」と言われて歌えますか?意外と難しいと思われませんか?
そのなかでトロイメライは、聴いていただければ多分「あー」と思っていただけるシューマンの中でも数少ない「聴いたことのあるメロディー」でしょう。シューマンのような大作曲家でさえ、こんな感じですから、ポピュラーな曲になる、というのは本当に大変なことですね。

「フユソナ」からの2曲で言えば、「雨だれ」は一応昔からポピュラー曲。「テンペスト」のフィナーレは逆に「フユソナ」で知られたのではないでしょうか。どちらも「雨だれ」「テンペスト」といった愛称は作曲家がつけたものではありません。この種のものは後から出版社なりが商業的な理由でつけられることが多いようです。ですから例えば「テンペスト」もいつの間にか日本では「フユソナ」というニックネームで呼ばれる、というようなもので、実際そういう可能性も無いとは言えないと思います。

いずれも作曲家の充実期の傑作で、それぞれの真髄がでていますからそのメッセージがお届けできればいいですけどね。

トルコマーチについてはまた明日。

雄倉恵子(ピアノ)

マタニティコンサート

2006.06.19| 雄倉恵子

まず「ドラマで聴いたピアノ名曲集」の前半について。

このコンサートはマタニティコンサートということで、会場の人数プラスアルファの生命の前で弾かせていただく、というちょっと感動的なシチュエーションで、それだけでも頑張らざるをえませんね。

まずはバッハ作曲の「主よ人の望みの喜びよ」。これはドラマ「あすなろ白書」で使われたもので、元はバッハのカンタータの中で管弦楽とコーラスで演奏されるものです。そのピアノソロバージョンなのですが、このピアノソロへのアレンジはマイラ・ヘスという方のアレンジがよく弾かれますが、今回は高橋悠治さんによるアレンジでやらせていただきます。軽やかにコラールが浮かび上がる、素晴らしい編曲です。

次はラブレヴォリューションで使われたベートーヴェン作曲「悲愴」ソナタの第二楽章。ベートーヴェンの「月光、熱情、悲愴」といういわゆる3大ソナタのなかでも「悲愴」の第二楽章は最も美しい部分でしょう。その楽章だけ抜き出す場合、全曲弾く中での第二楽章とテンポを変えるべきかどうか、という問題がありますが、これはとても難しいところですが、私は、テンポは変えることにしました。独立して味わっていただくことと、更にこのコンサート全体の中でのテンポ設定を考えています。

前半3曲目は、ショパンのエチュードから「革命」(少女に何が起こったか)です。エチュードは練習曲という意味ですが、ともかくどの曲も難しいのなんの・・・こんな曲集が弾けるくらいなら、他は何でも弾けるでしょう。だから練習曲と言うのでしょうか?おかげさまで、そのなかでも超難曲の「革命」をやらせていただけるとのことで、私としても大変な「練習」をさせていただいております。フー。

雄倉恵子(ピアノ)

最新の投稿

カテゴリー