仙台のみなさん、こんにちは!
「せんくらブログ」を毎日読んでくださりありがとうございます。
さて、私は昨日からポーランドに来ています。
2016年ヨーロッパ文化首都に指定されたヴロツワフの町で開かれている古楽音楽祭「Wratislavia Cantans ヴロツワヴィア・カンタンス」(長い名前!)に参加するためです。町の中心に建てられた新しく立派なコンサートホールを中心にヨーロッパ中の音楽家や団体が招かれています。
私が首席オルガン奏者として参加するEnsemble Vox Luminis アンサンブル・ヴォクス・ルミニスも2公演に招かれ、バッハ一族の作品を演奏します。
私とヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のリカルド以外は全員歌手、というグループですので、みんないい声でワイワイ楽しい仕事です。
このように「歌手」の方々とご一緒するのが私の仕事の大半を占めています。音楽は、何と言っても「歌」から出発しているので、当たり前かもしれませんね!
今回のせんくらでは初登場のカウンターテナー藤木大地さんと一緒に「詩人の恋」を演奏できるのは嬉しいことです。
ハイネの素晴らしい詩にシューマンが曲をつけたこの素晴らしい歌曲は、学生時代よりたくさん演奏してきましたが、カウンターテナーと演奏するのは今回が初めて。ほとんどのお客様にとって新しい体験ではないかと思います。
「テノール時代」から長いこと友人の藤木さんとだからこそ挑める新しい表現になるのではないか、といまから楽しみです。
私ごとですが、今年の5月に待望の娘が生まれました。
♪素晴らしく美しい五月に〜
と歌いだす詩人の恋の歌い出しに、より実感がこめられそうな気がしています。
「せんくらブログ」私の担当週は今日までです。
みなさん、次は演奏会場でお会いしましょう!
明日からはピアノの中川賢一さん、宮城教育大学リコーダーずの皆さんがブログに登場します。どうぞお楽しみに!!
仙台の皆さん、こんにちは!
私はいま演奏旅行中です。昨晩ドイツ・フランクフルトでの演奏会を終えて、今日はポーランドのヴロツワフに移動する日。しかも移動してすぐリハーサルです。
音楽家には旅がつきものですので、自分が飛行機大好き人間で本当によかったなあ、とつくづく思います。
特に今日の機材はエンブラエル190という、座席がたった4列しかない機体で、自家用機気分で飛べるので楽しみです。
エンブラエルというのは、リオデジャネイロ・オリンピックも大成功に収めたブラジルが誇る航空機製造会社で・・・(おっと、飛行機の話で終わってしまわないようにしないと!)
さあ、それでは昔の音楽家も旅をしていたのでしょうか。
ヘンデルやモーツァルトは好きだったかどうかはともかく、電車もバスも飛行機もない時代にヨーロッパを股にかけて旅していました。
しかしかの大バッハは、というと、実は今のドイツの中を音楽修行やお殿様のお供で旅したのが精一杯で、どうやらあまり旅好きではなかったのではないか、と思います。あるいは子供がたくさんいたので、旅どころではなかったのかもしれません。
そうやって家にこもって作曲してくれていたおかげで、1000曲以上もの作品を私たちに残してくれたのですから、ありがたいですね。
さて、そのバッハの作品のうち2割ほどを占める「教会カンタータ」を18年の歳月をかけて全曲演奏・録音するという偉業を成し遂げた日本のグループがあります。
その他、あまり知られていませんが、カーネギーホールやリンカーンセンター、ウォルト・ディズニーホール、コンセルトヘボウ、バービカンセンターを始め、世界各地から招きを受けて、毎年のように演奏旅行をしています。
そのバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)がせんくらに初登場する、というのは今年のビッグニュースではないでしょうか!
(以上、手前味噌度推定120%でした)
しかも今回は、BCJのその長い歴史を支えてきたコンサートマスター若松夏美さんが、地元仙台でブランデンブルク協奏曲とヴィヴァルディの「四季」という二つのソロを聴かせてくれる、という滅多にないプログラムです。
というわけで、仙台の皆さん、ぜひ応援に来てくださいね〜♪
公演番号【24】 『必聴!バッハ・コレギウム・ジャパンの「バッハ」』
公演番号【25】 『必聴!バッハ・コレギウム・ジャパンのヴィヴァルディ「四季」』
なお、仙台にはバッハ・コレギウム・ジャパンのファンクラブ「仙台バッハ・コレギウム倶楽部」もありますよ!ぜひご覧ください↓
仙台の皆さん、こんにちは!昨年より「せんくら」に登場しました鈴木優人です。
昨年は音楽祭の楽しい雰囲気やお客様との交流、それに牛タンなど仙台を堪能しました。
今年も、昨年に引き続き「フェスティバル・ソロイスツ」などバリエーション豊かな5公演に出演します。ぜひご声援いただければ嬉しいです。
さて今年の演奏会の中で、鍵盤楽器奏者的にひときわ重要な作品がバッハの「ゴルトベルク変奏曲」です。今回は繰り返しをカットすることにより1時間で全てを弾ききります。
「クラヴィーア練習曲集」の名前で、バッハの生前に出版された珍しい作品。それだけバッハの作曲技術の粋が込められています。
特に3曲ごとにやってくるカノンでわかります。
最初は同度、つまり追いかける声部が元のメロディと同じ高さですが、次は2度、次は3度、と間隔が開いていきます。カノンってただでさえ書くのが難しいので、こういう人間離れした曲芸ができるバッハには本当にひれ伏すしかない、という気持ちにさせられます。
この作品は、ゴルトベルク伯爵が眠れないため、その入眠剤として書かれたという逸話がありますが、弾いている方はもう目が血走ってしまうような技巧的な作品のため、眠るどころではありません。
眠れる可能性があるとすれば、2曲ほどしかないゆったりしたテンポの楽章や、マイナーに転調している変奏曲でしょうか。これらだけは子守唄のような気持ちで弾くことができそうです。
ちなみに、よく「演奏会で寝るなんてけしからん」という声を聞くこともあるのですが、私は演奏会が心地よい時間になるならば寝ていただいても全く気になりません。自分で行ってつい寝てしまうこともよくあります(笑)
もちろん空いている椅子に横になったり、すごいいびきをかいたり、布団を持ち込んだりしなければ、ですが!
チケットは早々に完売してしまったそうですが、「ゴルトベルク変奏曲」どうか皆様の良いひと時になりますように♪