せんくらブログ

人が人を想う心を奏でます

2016.06.03| 神田 将

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こんにちは、エレクトーンの神田将です。今日は今年の演奏曲についてお話しします。

今年はふたつの枠をいただき、いずれもエレクトーンの独奏をお届けします。

 

まずは0歳児からのコンサート。せんくらではすっかりお馴染みですね。それにしても、子供ちゃんのパワーはすごいです。うまく表現できないのですが、放っているエネルギーが半端ないというか、「生きてます!」って感じなんです。もちろん、0歳からウェルカムの演奏会ですから、賑やかなのは織り込み済み。むしろシ〜ンとしていたら、めっちゃ怖いです。

 

今年はその子どもちゃんのパワーに負けないパワフルなプログラムを用意しました。かと言って最初から全力疾走だけでは芸がありませんね。そこで、穏やかな朝の雰囲気から、次第に加速して、最後には超高速プレーをお楽しみいただこうと企んでます。新しく盛り込んだ体験コーナーもお楽しみに!

 

もうひとつの枠は、真剣勝負です。エレクトーンでどこまで管弦楽の真髄に迫れるか、と言うより、その先を目指しています。オーケストラの最高傑作とも呼ばれるラヴェルのダフニスとクロエ、そしてムソルグスキーの展覧会の絵をラヴェルによる管弦楽編曲に基づいておいしいところ取りの抜粋でお送りします。

どちらもスペクタクル級のスケール感が魅力ですが、実はその精神性は極めて一個人的というか、ぎゅーっとフォーカスされた感じのものがあります。愛という概念を知らない若者が互いを想うってどんな感じだろう。そんなふたりにはいつもの夜明けですら、違って見えるのでは。そんな視点から、愛の純粋さから狂気までをひとりならではの一貫した息遣いで奏でます。

 

もうひとつは展覧会の絵。ムソルグスキーは管弦楽の手法を持っていたにもかかわらず、なぜこの交響的なモチーフをピアノ独奏曲にしたのでしょう。本当のところは知りませんが、もし私が友達を亡くし、そいつに何もしてやれなかったと悔やんだとしたら、盛大にみんなで弾く曲より、ひとりで弾くものを書くだろうと思います。「友よお前は偉大だった」と心で思いながら。

 

これらの作品を楽楽楽ホールで演奏させてもらえるなんて、夢のように幸せです!

 

さあ、今年のせんくらを、皆さんと一緒に楽しみましょう。そして、一緒に盛り上げていきましょう!!

 

神田 将(エレクトーン)

エレクトーンでクラシック?

2016.06.02| 神田 将

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こんにちは、エレクトーンの神田将です。今日はエレクトーンのお話をします。

いきなりですが、エレクトーンでクラシック音楽を演奏すると聞いても、ピンとこない方が多いのではないでしょうか。ポピュラー音楽をリズムボックスに合わせて軽やかに奏でるというイメージが強いエレクトーンですが、楽器の進化に伴い、クラシック音楽を演奏する愛好家がどんどん増えており、現在ではクラシック音楽を専門とするプロの演奏家も活躍の場を広げつつあります。

 

最新のエレクトーン使用した演奏は、一言で表せば「まるでオーケストラ」です。初めて聞いた人からは「いったいこの楽器はどうなっているの?」とただただ驚嘆されることしばしば。確かにそこも興味深い部分かもしれませんが、私がクラシック音楽に特化した演奏家として皆さんにお伝えしたいのは、そこではありません。

 

クラシック音楽と言っても、そのカタチはさまざま。中でも私のお気に入りは管弦楽作品全般です。子供のころ、オーケストラ演奏に圧倒的な衝撃を感じたのは、決してひとりでは表現しきれないスケールの大きさにでした。どんなに偉大な作曲家でも、自身の管弦楽作品を自分一人で演奏することは不可能です。指揮台に立てば自身のイメージ近い演奏に仕上げることは可能でも、演奏者という他人の手を借りる必要があります。

こうした大規模な作品をひとりで弾きたい!というのが、子供のころからの漠然とした夢だったのですが、のちにエレクトーンと出会って、ついに夢が叶いました。つまり、私にとっての音楽はエレクトーンありきで始まったのではなく、あくまでクラシック音楽の本質をより深く探求することにあり、そのためツールとしてエレクトーンを選んだというわけです。

 

クラシック音楽は言うまでもなく長い歴史を生き抜いた私たちの財産です。生まれた瞬間から今日まで、時代に揉まれながらも演奏者と聞き手によって育てられてきた生き物でもあります。

すべての作品には作曲された意図があり、優れた作品であればあるほど奥深い背景と物語を持っています。それらを常に探求し、時代に即したものとして演奏するのが、演奏家の務めです。

 

せんくらでは、少しでも皆さんにリラックスして楽しんでいただけるよう工夫しながらも、音楽の本質をきちんと感じていただけるよう、誠実な演奏をお届けいたします。どうか耳だけでなく、心を寄せて音楽を感じてください。

明日は、演奏曲のお話しをします。それでは、また!

 

神田 将(エレクトーン)

今年のせんくら

2016.06.01| 神田 将

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こんにちは、エレクトーンの神田将です。

今年もせんくらブログのトップバッターを務めさせていただきます。よろしくお願いします。

これからせんくら本番まで、エントリーしている演奏家が皆さんに毎日メッセージを発信していきますので、日々のお楽しみとしてぜひ最後までお付き合いくださいね。

 

さあ、今年のせんくらのラインナップ、皆さんはもうご覧になりましたか?

新しく生まれ変わった今年のせんくらは、出演者がぐっと若返りましたね。それも実力のある演奏家ばかりですので、フレッシュさと聞き応えの両方を満喫させてくれるに違いありません。

そんな中、私はまだルーキー気分が抜けきらないのですが、気がつけばすっかり古株になっていました。改めて今年の顔ぶれを見て、引き続き出演させていただけることを、本当に光栄に思います。

 

せんくらといえば、クラシック音楽を身近に気軽に楽しめるのが魅力。会期の三日間、仙台の街が音楽で溢れますが、毎年せんくらに出るたびに、音楽というのは演奏家が奏でるものだけじゃないって思うんです。コンサートを聞いていい気分になってくれたお客様が笑顔のまま街に繰り出せば、音楽と同じように周りの人をハッピーにします。それもまた音楽なんじゃないかなって。それと、せんくらのお客様のおおらかさや温かさに、こちらがかえって元気をもらえたり。 いただいた元気で演奏にますます火が点いて、元気の倍返し!みたいな図式があちこちで見られます。

 

毎年楽しみに待ってくださっている皆さん、そしてまだ参加したことのない皆さん、今年は一緒にこのハッピーの輪をさらにもう一回り大きく広げていきましょう!

それでは、また明日!

 

神田将(エレクトーン)