今日は、中秋の名月ですね。
皆さま、どちらから、どのようなお月さまを眺めていらっしゃいますか?
2014年、2015年と、沼尻竜典さん作曲、オペラ《竹取物語》で
かぐや姫を演じさせていただきました。
お稽古中も、舞台上でも、いつもいつも月を眺めていたからでしょうか。お月さまはいつも特別で、見上げると心はより素直に、少し切なくなる気がします。
十五夜の晩、月からの迎えがやってきたかぐや姫が、帝に捧げるアリアの一節。
〜どうか空を見上げるたびに、わたしを思い出して。その時キラリと星が流れたら、それはわたしの微笑み。
イタリアの作曲家ベッリーニのオペラ《ノルマ》では巫女のノルマが月に祈りを捧げます。
〜銀色に輝く清き女神よ、あなたが天で創り出すその安らぎを、この地にもお与えください。
ドボルザークの《ルサルカ》では水の精のルサルカが人間の王子に焦がれ、
〜銀色のお月さま遠くの彼を照らして、どうぞわたしがここで待っていると伝えてください。
と切なく訴えます。
優しい白銀の月の光に包まれ、遠く離れた愛しい人を想う、古今東西、みんな同じなのだなあ、と全ての想いが愛おしいです。
今宵あなたにも、あなたが思い浮かべる方々にも、すてきな夜が訪れますように。