せんくらブログ

2日目

2016.09.15| 幸田 浩子

今日は、中秋の名月ですね。

皆さま、どちらから、どのようなお月さまを眺めていらっしゃいますか?

2014年、2015年と、沼尻竜典さん作曲、オペラ《竹取物語》で
かぐや姫を演じさせていただきました。

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《竹取物語》ベトナム公演より

 

お稽古中も、舞台上でも、いつもいつも月を眺めていたからでしょうか。お月さまはいつも特別で、見上げると心はより素直に、少し切なくなる気がします。

 

十五夜の晩、月からの迎えがやってきたかぐや姫が、帝に捧げるアリアの一節。

〜どうか空を見上げるたびに、わたしを思い出して。その時キラリと星が流れたら、それはわたしの微笑み。

 

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《竹取物語》びわ湖ホール公演より

 

イタリアの作曲家ベッリーニのオペラ《ノルマ》では巫女のノルマが月に祈りを捧げます。

〜銀色に輝く清き女神よ、あなたが天で創り出すその安らぎを、この地にもお与えください。

 

ドボルザークの《ルサルカ》では水の精のルサルカが人間の王子に焦がれ、

〜銀色のお月さま遠くの彼を照らして、どうぞわたしがここで待っていると伝えてください。

と切なく訴えます。

 

優しい白銀の月の光に包まれ、遠く離れた愛しい人を想う、古今東西、みんな同じなのだなあ、と全ての想いが愛おしいです。

 

今宵あなたにも、あなたが思い浮かべる方々にも、すてきな夜が訪れますように。

 

 

幸田浩子(ソプラノ)


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