ソロリサイタルの時と違い室内楽を演奏する時、特にデュオの場合、それは全く感覚が変わります。
「大冒険」=特別編とでも言いましょうか。
室内楽の時は、デュオ、トリオ、四重奏、五重奏、とアンサンブルが増えて人が増えていけばいくほど、ピアノが包み込んでいけるような包容力のあるような音楽を理想としたいと思っています。
それぞれの楽器が生きるように、そしてピアノは全てを包み込み、まるでオーケストラを奏でるように、そんな形が私の究極の理想です。
妻の鈴木理恵子とは長年デュオを組んでいますが、ソロリサイタルの時同様、いつも緻密にしつこく、時間をかけて作り上げていきます。
ただ本番になると、ソロの時よりも相手がいることによって、自我に対する意識から客観的に音楽をする、という意識が更に強くなるようで、勝手に自分の中のチャンネルが切り替わるような気がしています。
実はそれをいつもソロの時にも取り入れたいと、願っている次第であります。
写真は今年7月末のレコーディング風景。モーツアルトのヴァイオリンソナタ第2集が9月に発売になりますので、ぜひ聴いて下さい!