せんくらブログ

3日目

2016.08.26| せんくら・うた劇場

せんくらブログをご覧のみなさま、作曲家の吉川和夫です。

今年2016年は、宮澤賢治生誕120年にあたります。そのため、最近はいつもよりも賢治について語られることが多いように思います。

「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」、「セロ弾きのゴーシュ」など、宮澤賢治が書いたたくさんの童話や詩は、書籍で読まれるだけでなく、絵本や朗読、演劇や映像、オペラなど様々にかたちで親しまれてきました。

 

賢治作品を上演し続けている団体に、山形を拠点に活動する合唱団じゃがいもがあります。

合唱団じゃがいもには幅広い年齢のメンバーが所属しているので、直立して歌うだけでなく、多少の演劇的動きをつけた合唱劇として作り上げることで、メンバーそれぞれの個性を生かしています。

つい先日は、レパートリーである合唱劇「銀河鉄道の夜」(吉川和夫作曲)を仙台市天文台プラネタリウムで、星座を投影しながら上演するという取り組みを成功させました。実際に天の川を投影しながら物語を追うと、賢治が天文学や博物学に関する正しい知識をいかに豊富に持っていたか、あらためて驚かされました。

合唱劇「銀河鉄道の夜」は、2014年の「せんくら・うた劇場」で上演した作品の基となるものです。合唱団じゃがいものこのような作品作りは、「せんくら・うた劇場」に大いに示唆を与えています。

 

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さて今年の「せんくら・うた劇場」は、「ポラーノの広場」を取り上げることになりました。これは賢治作品の中でも、少々不思議な味わいを持っていて、モーリオ市(エスペラントでいう盛岡市)の博物局に勤める前十七等官レオーノ・キューストという人が書いたものを賢治が訳した物語というかたちをとっています。

 

少年ファゼーロがキューストとともに、昔ばなしだけれどこのごろまたあるらしい「ポラーノの広場」を探しにいきます。そこには、「オーケストラでもお酒でもなんでもある、そこへ行くと誰でも上手に歌えるようになる」というのです。

ところが、つめくさのあかりの数を数えながら、やっとのことでたどりついた「ポラーノの広場」は…。ファゼーロたちは、果たして本当の「ポラーノの広場」を見つけることができるのでしょうか。

 

中村優子さん、髙山圭子さん、原田博之さん、草刈伸明さん、そしてピアノは倉戸テルさんという素晴らしい音楽家たちとともに、私も「ポラーノの広場」を探しに出かけます。皆さんもご一緒にいらっしゃいませんか!

 

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せんくら・うた劇場(吉川和夫)


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