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劣等生の転機 | 吉岡知広

2015.08.17

みなさんこんにちは、チェロの吉岡知広です。

 

僕はここ仙台で育ったのですが、

紆余曲折を経て戻ってくることになるとは我ながら驚きです。

 

幼稚園から中学生まで仙台で暮らし、のびのびと育ってきました。

チェロは6歳の時に始めましたが、もともと音楽で食べていくことは全く考えておらず、

「せっかく長く続けてきたしなぁ」という軽い気持ちで桐朋音楽高校を受験しました。

 

今思うと15歳で東京に出ると言った僕に、「好きな事をすれば良い」と後押ししてくれた両親の理解はすごいものだと感謝しています。

 

そのような軽い気持ちで入ってしまったので、僕は典型的な劣等生でした。

練習時間は1日30分未満。当然上手くなるはずもなく、ダラダラと過ごしていきました。

 

そんな日々の中転機となったのが、同級生から弦楽四重奏に誘われたことでした。

室内楽は仲間と一緒に一つの曲を作り上げていきます。そのためにリハーサル重ねるのですが、そこで自分は練習の基本すらしてこなかった事に気付かされました。

まず1日にこんなに楽器を弾くものなのか、こんなに考えながら、一つ一つ取り出し、考え、ゆっくり丁寧に反復していくのかなど仲間から学ぶ事が本当にたくさんありました。

 

そこからほぼ毎日リハーサルをした結果、学内外でも評判のグループとなっていったのです。

 

カルテットを組んだ事でまず自分の事を色々な人に知ってもらえ認めて頂けたこと、今まで心配されるくらいだった自分が成長できた事、なにより最小のオーケストラともいえるカルテットの経験を積んだ事により耳を養っていけたことは今の自分の強みであり、支えであると感じています。

在学中結成していたラジットカルテット

在学中結成していたラジットカルテット

 

吉岡知広