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カエルのフーガ | 松山冴花

2015.08.12

数年前のクリスマスシーズン。その時期はミサの為弦楽器は教会に出稼ぎ。ヘッドハンターか ら私の友達Aちゃんがやるというのでそれに釣られ私も。
私からの条件:私とAちゃん絶対一緒 のスタンド(オーケストラでは1スタンドに付き2人奏者)。

コンサートの日、小さな教会はお客様で満席。私は外側に座っていた為最前列のお客様との距 離は約1メートル。

指揮者はパイプオルガン奏者でもあったのでコンサートは彼女のソロから始まりました。バッ ハのフーガ。あー、フーガだけでも大曲なのにオルガン足も使うから大変だなあと気楽に鑑賞。

すると隣に座っているAちゃんが私にヒソヒソ耳打ち:

 

ねぇ…この曲… “カエルの歌” に聞こえない…?

 

エッと思って聞いているとご尤も、“カエルの歌”の出だし。それがテーマ、ましてやフーガ なので何回も何回も”カエルの歌が、聞こえてくるよ”。

 

そこからが地獄。

笑いを堪えるのに必死。でも前席のお客様には笑っていることがバレバレ。

 

ちらっとAちゃんを見てみるも言い出しっぺは彼女なので涼しい顔。

このヤローと彼女を恨みつつ私もプロだ(?)。気を取り直し真顔。

 

しかし気を取り直すのが早すぎました。さっきの地獄はまだ序の口

 

フーガのクライマックス。

 

ゴライアスガエルのお出まし。

 

もうダメ。3段腹に爪を食い込ませて唇噛んで床一点をガン見。でもカエル達の宴会は続く続 く。フーガがやっと終わった頃には呼吸困難で全身が震え半泣き状態、まして滝汗でぐったり。

 

教訓:Aちゃんの隣には座るな

 

松山冴花