さて2日目は津軽三味線についてです!
津軽三味線の歴史は、世界で一番古い3本弦楽器と言われている中近東の「セタール」がシルクロードを通って中国へ渡り「サンシエン」に。琉球貿易の時代にそれが沖縄へ伝わり「三線」、さらにそれが進化しながら青森県まで伝わり生まれたのが「津軽三味線」です。
学術的には、津軽三味線は「リュート属」に属する楽器です。
二十歳の時、津軽三味線の先祖であるリュートと一緒にアルバムを制作するためフランスのリモージュという町へ行きました。そこで僕の2歳上のリュート奏者・トーマと出会いました。彼はクラシカルな音楽はもちろん素晴らしい上に、リュートでどんなジャンルの音楽も奏でていました。クラシック、ジャズ、ロック、パンク、ビートルズにジョニー・キャッシュなどなど。「音楽を心から楽しんでいる」彼の姿が今も鮮明に残っています。僕もトーマくらいの年齢になったら三味線で色んな音楽を弾いてみたい!と、それからたくさんのことにチャレンジをし、まだまだではありますが少しは彼に追いつけたかなと思っている次第です。
そんなトーマとのレコーディングは、日本古謡「さくらさくら」と、リュートのスタンダード歌曲「Flow my tears」をデュオで。その他の曲はヨーロッパ各国のジャズミュージシャンたちも加わってのものでした。
17世紀に建ったというお城でレコーディングをしたのですが、やはり石造りの中ではリュートの音はとても心地よく響きわたります。しかし津軽三味線は、撥のアタック音が強烈に反響してしまい絃のメロディラインがほとんど聴こえないという現象が起きました。そこでアルバムのプロデューサー・大島ミチルさんにも助言をいただき、そのレコーディング中に、皮に撥を叩きつけず絃のみを叩くという新しい奏法を見つけました。
これを津軽じょんから節などの民謡を弾く時に用いると、これまでにないじょんから節の音色に出会うこともできました。本当にあの経験には感謝しています。
この経験から確信したこと。それは音楽や楽器は、生まれた土地とかなり密接な関係性にあるということです!
三味線はやはり、畳にふすま!和室では撥のアタック音の反響もそれほどなく、心地よい響きになるのです。
ちなみにこの時のアルバムは「Believe」
ぜひこんな裏話を想像しながら聴いてみてください。
明日最終日は、「その土地ならではの音楽」日本の民謡について書いてみようと思います。
ぜひ明日もみに来てくださいね。