様々な演奏家が様々な取り合わせで登場するのが、せんくらの魅力ですが、今年は演奏家のラインナップの他に、その選曲にあまり聴く機会のない、珍しくて興味を惹くものが多い気がします。知っている曲を聴けるのは楽しいものですが、未知の良い作品に出会うのって、それ以上に嬉しいことです。知らない作品だなぁと思っても、それをやめる理由にはしないで、選ぶ理由にして欲しいなと思うのです。演奏家は文句なしの逸材。馴染み薄い作品を選曲するのって演奏家にとっては勇気のいることだけれど、それを選ぶのはその作品が好きだから。素晴らしき演奏家が弾く自分が好きな作品が、良いパフォーマンスになることは間違いないのです。プログラムを見て、この演奏会行ってみようかなと思う演奏会が多いのも、今年の特徴ではないでしょうか。
おすすめしたい公演と言われてもそのチョイスはなかなかに難しいのです。知り合いもたくさんいるし、知り合いじゃない人は尚更聴いてみたいし。つまりそれくらいどれも面白そうだなということを一言添えておいての敢えてのオススメ18公演。
“せんくら三宅クリニック”助手 加藤 昌則
東京藝大作曲科首席卒業、同大学院修了。作編曲、共演ピアニストとして高い評価を得ているほか、公演や講座などのプロデュース力にも注目を集めている。NHK-FM「鍵盤のつばさ」パーソナリティ。