■ 仲道祐子(ピアノ)
(1)数独 — 2006年07月16日
武藤章さん撮影による祐子様みなさま、こんにちは。ピアノの仲道祐子です。せんくら2006では10月7日、8日、9日とフル出場させていただきます! ソロ・プログラムを毎日。そして、音楽もお人柄も大好きで大ファンであるチェロの長谷川陽子さんと2回。楽しみです!!!
さてさて。「ブログ7回分お願いします。」と依頼があり「はい。分かりました〜。」と、即答したのは良いものの、内容については未だ何も見通しが立っておりませぬ・・・。気の向くままに音楽の事、私自身の事、趣味の事などを書いていこうと思いますので、みなさまどうぞお付き合い下さいね。
という訳で、今回のプログラムなどについてはまた後日。(気が向いたら・・・)で、今日は私の旅の必需品について。
「鉛筆」。これはもうすべての音楽家にとっての必需品!(もちろん、ピアノ奏者以外にとってもですよ!)楽譜に書き込みをするためです。ちょっと丁寧な方になると、書き込みを訂正するのに消しゴムを使うこともいたします。ちなみに仲道家では、ピアノのところには鉛筆のみが常備され、万が一書き損じなどがあった場合は鉛筆でゴシゴシ・・・。
でも、旅道具の中には鉛筆と消しゴムの両方がきちんと筆入れに収納され、常備されています。コンサート会場についてから必要になった場合に備えて、が一つの理由。もう一つの理由が「数独」。(こちらの理由でのほうが断然活躍頻度が高い!!!)ナンバープレースとも言うのですが、縦横9つのマスの中に1〜9までの数字を一つずつ入れて行く、というパズルです。脳内トレーニングの本としてもでています(初めて「数独」という言葉をご覧になる方・・・ググって見て下さいませ)。シンプルにして実に奥が深いパズルなのですよ。
これがもう無くてはならない新幹線の友!!!2,3時間はあっという間に経過してくれます!!!コンサートに行く時の新幹線の中ではすぐ熟睡できるのに、何故か帰りの新幹線の中では眠れずモンモンと過ごしている私にとって、これは「ふと気が付いたらもう東京駅現象」を引き起こしてくれる有難い有難い物なのです。苦労して、努力して、頑張って、頭を酷使して、やっとの思いで解けた時のあの爽快感!すっかりクセとなっております・・・。
今回のせんくら2006終了後、東京行きの新幹線の中でビール片手に数独に没頭している女性を見かけましたら、それは、おそらく仲道祐子でしょう。
それでは、明日のテーマはまた気が向くままに。みなさま、ごきげんよう。また明日。
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(2)料理 — 2006年07月17日
今日のテーマはずばり、料理です!
以前、何かで読んだ気がするのですが・・・
血液型
A型の人は、食べる雰囲気を楽しんで食事をする。
B型の人は、食べ物そのものの味を楽しむ。
O型の人は、食べ物を栄養だと思って食べる。
AB型の人は・・・あっ、しまった、忘れてしまいました〜
出だしから甚だいい加減な記憶を記してしまいすみませんm( _ _ )m
ちなみに私はO型。食べ物はしっかり栄養だと思い込んで食べています。
日頃、コンサートの日や移動の日というのは、どうしてもお弁当や外食になってしまいます。これで栄養は大丈夫なのだろうか?と、家で過ごす日は頑張って栄養のバランスなどを考慮してなるべく作るようにしています。でも、料理って性格が出てしまうものですね。凝ったおいしいものを手間隙かけ作るよりも、その時間は何か他の事をしたい(凝ったおいしいものは外で食べるもの)。その上、興味が無い事に対してはとても大雑把な性格・・・なのでうちの料理は栄養バランスこそしっかり考えてはあるけれど、味は「まあ、こんなものか〜」というもの、でした。
ところが先日、素晴らしい物を発見したのですよ!!!!!!cookpadって皆様ご存知でしょうか?レシピサイトなのですが、これが重宝することったら!!!料理に情熱を傾けていないうちのキッチンにもある材料で、料理に情熱を傾けていない私でも出来る簡単おいしいレシピがてんこもり。今日使いたい食材で検索をかけると次から次へとおいしそうなレシピが出てくるのですね。しかも、手間いらずのもの。それを参考にしながら、いつもとは一味も二味も違ったおいしいものが作れるんです!おいしいものって手を抜かずきちんと段取り踏んで作らないと出来ない・・・と信じていた私にとってはちょっとした目から鱗でした。
そして、昨日。ついに禁断の橋を渡ってしまいました・・・。お菓子作りに挑戦いたしました!お菓子作りというのは、とにかく材料を正確に計って、泡立てたり混ぜたりをしっかりしなくてはいけない、(らしい)。そうしないとかなり悲しい出来になる、(らしい)。
「正確に計る」なんてそんな事できない!と、封印してきた分野です。ところが前述のcookpadにて「とにかく簡単でおいしい」「ホットケーキミックスを使って出来る」と大変評判の良いSUSYさんの「ホットケーキミックスで簡単バナナケーキ」。
http://cookpad.com/susy/recipe/98633/
レシピを見ながらも、やってしまった全て目分量の計測。しかも、焼くときになって気が付いた「うちにはケーキを焼く型が無い・・・。」買いに行くのも面倒だったので適当にうちにあったボウルにタネを流し込んで焼いてしまいました。あまりにも凄い作り方をしてしまいましたが、ちゃんと出来ましたよ!!!わが人生初のケーキです。ホットケーキミックスを使っているのにホットケーキの味ではなくちゃんとバナナケーキでした。やれば出来るものですねっ。何事も挑戦してみるものですねっ。
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(3)プログラム — 2006年07月18日
ギタリスト尾尻雅弘さんとただ今青山のお店のロールケーキを食べながら幸せな気分を満喫しているところです。このロールケーキ、スポンジが実にしっとりとしていて美味!!!ああ、このようにしっとりとした文章を書くことが出来たならば・・・と、今日はロールケーキを食べながらの執筆でございます。
さて、今日のテーマはお約束の「プログラム」について。
今回私は合計5回登場させていただくのですが、そのうちの2回はチェロの長谷川陽子さんとの共演です。そちらの2回分のプログラムに関しては長谷川さんにお任せするとして・・・。
せんくらでは「オールモーツァルト大歓迎!」とのことでしたので一つ目のプログラムは全部モーツァルト。今年はモーツァルト生誕250年にあたるそうなのでオールモーツァルトプログラムを頻繁に弾くことが増えるかしら?と思っていたのですが、蓋をあけてみるとこれが本年2回目。普段プログラムを考える時は好きな曲を選ぶ事は勿論、全体のバランスも大きなウェイトをしめています。ところがオールモーツァルトとなると、メリハリをつけて全体のバランスの良いプログラムを組む・・ということがなかなか難しいのですよ。結果、今年の1回目のモーツァルトプロはヴァイオリン・ソナタとピアノ・ソナタ、小品でのプログラム。2回目にあたる今回のせんくらは、45分プロということでしっかりメリハリのあるプログラムを考える事が出来たと思っています。
二つ目のプログラムはロマン派中心で。ピアノという楽器は1800年代には未完成の楽器でこの頃飛躍的な発達を遂げた楽器です。まさに作曲家達にとっては「旬の楽器」だったのでしょうね。魅力的な作品が正にてんこ盛りな時代なのですが、今回は当時のサロンの雰囲気を感じられたら良いなぁ・・・、というプログラムです。
そして三つ目のプログラムはずばり名曲プログラム。名曲プログラムも正直なところ、全体のバランスよいプログラムを考えるのはなかなか難しいんです。ところが頭の中で考えたプログラムを実際のコンサートで弾いてみると想像していなかったプログラムのまとまりが生まれる事もしばしば。さて、今回はどんな感じになることでしょう?
三つのコンサート全て違った雰囲気のプログラムで、と考えてみましたので、皆様どうぞお楽しみになさって下さいませ。
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(4)レコーディング — 2006年07月19日
レコーディングのための演奏中の尾尻さんと筆者
新しいCDが発売されます。
クラシックギタリストの尾尻雅弘さんの演奏するニャタリという作曲家の曲ばかりを集めたCD「ブラジルの魂/ニャタリ・ギター作品集」の中で、ギターとピアノのための作品を一緒に演奏しています。ちなみに写真は、レコーディング直後の記念撮影!この写真、じっくりとご覧になってくださいませ(特に演奏している風のほう)。<編集部注:祐子様はこの日写真が2枚載る前提で書いておられますが、このブログでは1日1枚しか載せることができません。で、もう1枚は昨日のに貼り付けました>
ギターを良く見てみると・・・なんと、エレキギターなんですよ〜!!!そう。今回のCDでは一曲、エレキギターとピアノの曲も入っているんです。実はこのレコーディングの準備期間まではエレキを生で見た事は無く、生で聞いたこともある筈が無く、まして、共演なんていうのも当然初めて、という私にとっては初めてづくしのレコーディングでした。
曲も今まで演奏してきたクラシックの曲とは一線画したノリノリのもの。ピアノも今回はニューヨーク製※のスタインウェイを使用して、まるでジャズピアノのような音に仕上がっている・・・。クラシックギタリストがエレキを演奏する、というのもかなりのセンセーションなんだそうですね。実際、この曲が始めてCDの形となって上がってきた録音を聞いた私の感想は・・・「!!!!!」ちょっとあらゆる意味でびっくりの出来上がりとなっております!
もう一曲、演奏している方は前述の曲よりかなりクラシックな感じの曲。ちなみにこの2曲だけで40分近くもあるので、私もたっぷりCDに参加させていただいています!こちらもニャタリスパイスがふんだんに効いているなんとも素敵な曲。是非、じっくりしっとりお聴きいただきたい曲です!
このブログを書いている時点では、自分が参加した曲のみ手元に届いている状態なので全体の印象は残念ながら書けないのですが、この2曲のみでも尾尻さんのギターの魅力がぎっしり満載です。オクタヴィア・レコードEXTONレーベルより7月26日発売の「ブラジルの魂」です。みなさま、是非お楽しみになさってください!!!!
※ スタインウェイは、ハンブルク工場で作製されたハンブルク製、ニューヨーク工場で作製されたニューヨーク製がありますが、日本のホールにあるほとんどのスタインウェイがハンブルク製だそうです。
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(5)携帯機種変更 — 2006年07月20日
皆さんは携帯電話、どのくらいの頻度で機種変更なさっていますか?
新しい機能を搭載したものが出たり、魅力あるデザインのものが出たり・・・と機種変更したい!!!と思うことは本当に良くあります。・・・ですが、機種変更した後には使いこなせるようになるまでの試練の期間が待っている!!!このため、私の場合、携帯電話の機種変更頻度はあまり高くありません。
ところが今まで使っていた電話の液晶部分に何やら黒い点が出現したと思ったら、それがみるみる増殖。だんだん黒い部分が大きくなってきて、もはや画面はまるで「アタック25」(クイズ番組のタイトル、確かこんなでしたよね???) の最後の問題の虫食いパネル状態。一念発起して先月新しい携帯を入手致しました。
性格的に「持っている携帯の機能はちゃんと使いこなしたい、使わない機能もその存在くらいは知っておきたい」という気持ちがあるので、少しでも煩わしさを避けるため、いつも機種変更をするときは、今現在使用しているものと同じ会社の機種を選択しています。ボタンの配置が一緒だったり、覚えなくてはいけない機能の使用番号が同じだったりしますので。
ところが今回は何やらいつもと雰囲気が違う・・・とお店で思っていたことが的中。何から何まで今までと違う、基本的なメールのワープロ機能でさえ、以前と同じようにボタン操作していると想像もしていない反応を見せてくれる・・・。
こうなると使用ガイドを熟読しないと気がすまないのです。ところがあれって皆さんもご存知のとおり。かなりの分厚さ。とりかかるには、なかなかの勇気を必要とするのです。で、面倒になっていて、未だ基本的な電話機能とメール機能を必要最低限しか使用していない状態。こういうことこそ新幹線の友にして、移動中に研究すれば良いものの、あの分厚いガイドを持ち歩くこともまた大変。でも、このままでは気分的にかなりすっきりしない・・・。でも、ガイド分厚い・・・。
世の中の機械の達人という人々は、ガイドなんて読まなくても触っていてなんとなく使用方法を体得したり、あの分厚いガイドの中から必要な箇所をうまく拾い出すことが出来たり・・・、なんていう話を聞きます。まったく羨ましい限りです。ああ、なんとかこの状況を早く打破したいと思っている今日この頃。この経験をふまえて、次回の機種変更は一体いつになることやら。新しいものは大好きなんですけどねぇ・・・。
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(6)ミシン — 2006年07月21日
ミシン。
以前からなんとなく気になっていていたものです。電気屋さんで何気なくミシンコーナーなんて覗いたりするとあれって、ちゃんとしたものは結構なお値段しているのですよね。買ってもひょっとしたら使っている時間が無いかもしれないし、使用する人の技術不足により使えないかもしれない物・・・。気になってはいるけれど、手が出せなかったものの一つです。
そんな時、新聞にとあるチラシを発見しました。ミシンの安売り!!!新聞のチラシによりますと、なんと、お値段1万円!しかも、自宅に届けてくれる上に、使用方法の説明までしっかりしていってくれる!!!うーん。と、そこで私は考えました。使用方法を説明していってくれるのなら、私でもちゃんと使いこなせるかもしれない・・・。例え、たいしたものが作れなくてもその作っている過程が楽しめれば良しとしよう!!!と、早速ミシンを電話注文。
電話では、注文した機種と違う機種を紹介させていただくかもしれない・・・、とのことでしたが、まあ、それはそれ。良い物を紹介してもらえたら嬉しいし。と、ミシンが届くのを心待ちにしていました。
ミシンを持ってきたのは女性二人。早速うちに上がっていただき、ミシンの使用説明講習を一通り受けます。
「どんなものを作る予定ですか?」
えっ?「雑巾とか・・・。袋物とか、出来たら服とか・・・。」
(見栄をはりたい気分になってしまい・・・つい。)
「でしたら、こちらの機種もご紹介させてください。」
と、違う機種のミシンが出てきました。
「ちょっと試し縫いしてみてください。」
なるほど。購入予定のミシンよりも随分使い勝手が良いです。(私のような初心者でもはっきりと分かる使い勝手の良さ!)いろんな模様もボタン一つで簡単に縫えます。糸を切る、という事まで自動でしてくれます。
「なんて賢いミシン!!!」と、感心していると、
「お値段いくらだと思います?」と、その女性。
一万円のミシンを買おうとしている人に勧めてくるミシン、せいぜい倍額くらいのものかしら?いや、でも、世の中の電気屋さんには10万くらいのものがごろごろ並んでいます。そのくらい高価なものなのかしら・・・。まあ、でも、これだけ使い勝手が良いのであれば倍額くらいだったら買う事考えるわよねぇ・・・などと思考をめぐらせていると、
「元々は○十万円するものなんです。」
「!!!!!!!!!」
「でも、今回は特別に、という事で半額でご紹介したいと思うのですが、いかがでしょう?」
世の中にこんなに高価なミシンが存在していること、しりませんでした!!!!へたくそな袋を作らなくても、半額でもブランド物のバッグが余裕で買えてしまうお値段、丁重にそちらのミシンはお断りさせていただきました!
・・・そして、はや2年が経過。
私の作品は今のところ何枚かの布巾と、我ながら最高傑作だと思っている枕カバー数枚のみ・・・。登場頻度は高くありませんが、随分と幸せな気分を満喫させてくれる愛しのミシンです。今後も一年に数回は活躍してもらう予定です。
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(7)月光の夏 — 2006年07月22日
8月になると終戦の日がまたやって来ます。「月光の夏」。ご存知でしょうか。このタイトルを聞いた時、「本があって、映画化もされていたような・・・。特攻隊員がピアノを・・・っていう内容だったような気がする。」程度の認識しかありませんでした。
その後私は「月光の夏」の本を読んだのですが深く考えさせられることになりました。これは実は北九州のほうのお話。特攻隊員が出撃する前に「ピアノが弾きたい!」とこの一念で、当時はおそらくとても貴重品で珍しかった筈のピアノをどこかの学校で探し出してベートーヴェンの「月光」を弾いて立ち去っていった・・・。(とてもおおまかな筋です。)
胸に迫るものが多々あるエピソードです。その特攻隊員にとってピアノを演奏するのはそれが人生で最後。どんな思いで弾いていたのだろうか・・・。無心だったのか、それとも全てが走馬灯のように頭の中をよぎっていたのでしょうか。実際に極限状態にないと分からない思いというのもいろいろあることでしょう。
ちなみに本の中では前述のエピソードは話のいわば提示部分に過ぎません。その続きの現実について私は更に驚きを持って読むことになりました。本の内容はここでは詳しく書きませんが・・・、「月光の夏」の中には決して忘れてはいけない現実が詰まっていました。今ある平和、日々のくらし、そういうものに改めて幸せを実感し、また、ピアニストとしては毎日ピアノに触れられる喜びを再認識させられると同時に演奏することに対して身が引き締まる思いもした、そんな本でした。
さて、この度ご縁あって夏、8月14日と15日の終戦の日にこの作品の劇団東演による朗読劇(舞台)で「月光」を弾かせていただくこととなりました。終戦の日にこのような作品が上演されることは大変意義深いことと思います。下北沢にありますタウンホールでの公演ですのでご興味ございます方、是非いらしてくださいませ。
今回のブログ、今日の7回目を持って最後となります。仙台で皆様とお会いできますのは10月に入ってから。まだちょっと日はありますが、私自身も仙台での3日間大変楽しみにしております。ネット上の仲道祐子だけではなく、生の演奏、そして話をしている仲道祐子にも是非会いにいらしてくださいませ。心よりお待ちしています!!!
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