1976年ブルガリア・ルセに生まれる。5歳よりルセ音楽院に学び、後にパリ国立高等音楽院及びパリ・エコール・ノルマルでジェラール・プーレ、ドゥヴィー・エルリー、ジャン=ジャック・カントロフ等に師事。インディアナポリス国際、メルボルン国際室内楽、ロン=ティボー国際等での受賞を誇り、2001年には第1回仙台国際音楽コンクールで優勝、併せてバッハ賞、駐日フランス大使賞、聴衆賞も受賞した。
これまでチョン・ミョンフン、ユーディ・メニューイン、レオン・フライシャー、マレク・ヤノフスキ、ジョン・アクセルロッド、フランソワ=グザヴィエ・ロトなどの指揮の下、ソリストとして世界各地で高い評価を得、室内楽の分野では、ジャン=マルク・ルイサダ、エリック・ル・サージュ、フィリップ・カサール、アントワーヌ・タメスティ、ジャン・ワン、グサヴィエ・フィリップス、ポール・メイエ、フランソワ・ルルーなどと共演を重ねている。日本では、サントリーホールでの東京フィルハーモニー交響楽団(指揮:チョン・ミョンフン、ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲)との共演、「ストラディヴァリウス・コンサート」、Hakuju Hall、浜離宮朝日ホールでのリサイタルなどで、その揺るぎないテクニックと豊かな表現力が絶賛された。2016年2月には、仙台フィルハーモニー管弦楽団とショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を共演予定である。
録音も多く、ブルガリアの作曲家、パンチョ・ヴラディゲロフの作品集、カール・アマデウス・ハルトマンのヴァイオリン協奏曲「葬送協奏曲」(アリ・ヴァン・ベーク指揮、フランス・オーヴェルニュ管弦楽団)などのほか、2009年にはイザイ、フランクなどの作品を収録した“De l’Ecole Franco-Belge du Violon”およびグリーグ、メトネルの第3番ソナタがリリースされた。
2005年にフランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに就任、07年からはソウル・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演コンサートマスターも任されている。演奏活動に加え、2008年9月からは、カントロフの後任としてパリ国立高等音楽院の教授に就任、後進の指導にもあたっている。
使用楽器は、日本音楽財団から貸与されているストラディヴァリウス 1710年製ヴァイオリン「カンポセリーチェ」。