仙台クラシックフェスティバル2008 トップ

せんくらってどんなイベント?

プロデューサーノート

「せんくら」も3回目を迎えました。クラシックファンでは無いお客様が実際に来て、「本当に良かった」と思ってお帰りいただけることを目指していることは変わりません。ですから、テーマを決めたり、企画の統一性をはかるといった制作サイド優先のプログラミングはいたしておりません。

具体的には「短くて」「なじみのある」曲が多めなのは変わっていませんが、そうでなくても充分に受け入れていただけそうな手応えも感じられましたので、徐々に大きめな曲も入ってきています。シューベルトの弦楽四重奏曲やピアノソナタ1曲だけで1コマというのも登場しています。一見難しそうですが、生涯心に残る可能性も大きいと思います。

ご出演いただくアーティストのみなさんについては、お客様に対して強いメッセージを発していただけそうな演奏家の方をリストアップしていっただけですが、結果的に今年は以下の特徴がでてきました。

1)多彩な歌

おなじみのオペラアリアやシューベルトの歌曲集、ルネサンス・バロックから日本歌曲。詩人や文学者のユニークなオリジナルソング等などかなりの幅の広さだと思います。

2)ベルリンの風

クラシック音楽にとってベルリンは特別の街の一つです。ここのオーケストラのコンサートマスターやら、この街でデビューした、留学した、などのアーティストが多数登場します。

3)仙台からの新鮮な風

10歳代で3年連続コンクールをとった津軽三味線奏者、仙台国際音楽コンクールの覇者など地元仙台が生み育てた国際ランクの若手が登場します。

4)「うっすら」とアニバーサリーイヤー作曲家

テーマを決めない「せんくら」ですが例年アニバーサリイヤーの作曲家のことは広く薄く、「うっすら」と取り上げるのが伝統になりつつあります。今年はプッチーニ、メシアン、サラサーテ、リムスキー=コルサコフ、ルロイ・アンダーソンらがそれにあたります。

フェスティバルも生き物です。せんくらもこのように段々変化してきていますが、主人公である聴衆、演奏家、制作スタッフ、広報スタッフなど主体性が高まって起きてきている変化をお楽しみいただきたいと思っています。

仙台クラシックフェスティバルプロデューサー

平井 洋(ひらい・よう)

略歴

音楽プロデューサー。1953年静岡県生まれ。<せんくら>のプロデュースや<アサブロ>でのブログhttp://yohirai.asablo.jp/blog/などを中心に、クラシック音楽の紹介活動をしている。ブログ以外にもポッドキャスティングやネットラジオ出演などインターネット上での活動が多い。これまで関わったのは、北九州市響ホールフェスティヴァル、インターリンク音楽祭、アジア音楽祭、フィンランドタンペーレ音楽祭、ニューヨークBang on a Can音楽祭、高橋悠治企画、五嶋みどり企画など。